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大雪で車が立ち往生。あなたが取るべき行動は? ー防災行動ガイド

大雪で車が立ち往生。災害時の対策と事前の備え ー防災行動ガイド

雪の日に車で外出をしたら、途中から猛吹雪になって気がつけば視界は真っ白に。そんな中、前方で事故が起こり、車が足止めされてしまいました……。もしあなたが同じような状況に置かれたら、一体どうすればいいのでしょうか?

正しい知識とすぐにできる小さな行動が防災意識を高め、あなたとあなたの大切な人を救います。

今回は、大雪で車が足止めされたときに役立つ対策や準備の方法、サービスをご紹介。

この災害テーマのポイント

大雪で車が立ち往生。災害時の対策と事前の備え ー防災行動ガイド

  1. 近年は、都心部でも大雪による車の立ち往生が多数発生
  2. 原則エンジンはオフにして、消防等に連絡。近隣の車と助け合う
  3. 防寒グッズ、スコップ、携帯バッテリーを車中に用意

大雪で車が立ち往生。災害時の対策と事前の備え ー防災行動ガイド

この災害テーマのポイント

  1. 近年は、都心部でも大雪による車の立ち往生が多数発生
  2. 原則エンジンはオフにして、消防等に連絡。近隣の車と助け合う
  3. 防寒グッズ、スコップ、携帯バッテリーを車中に用意

目次

リスク:猛威を振るう予想外の豪雪。チェーン未装着が原因の「立ち往生」が多発

激しい寒暖差や集中豪雨など、異常気象を実感することが多い昨今。今まで雪の少なかった地域にも大雪が降るなど、もはや雪害は、北国だけの災害とは言えなくなってきました。また、大雪による立ち往生の件数も増加しています。

都心部でも、雪害の注意が必要

2018年1~2月に福井県周辺で発生した記録的大雪では、国道で約1,500台の車が足止めとなる大規模立ち往生が発生。その原因は、チェーン未装着の大型車によるスリップ事故でした。また、2015年に国道で立ち往生した車のうち、約90%以上がチェーン未装着だったこともわかっています。さらに、2014年2月には関東周辺が急激な「ドカ雪」に見舞われ、各地で道路の渋滞や通行止めが相次ぎました。

対処法:窮地を脱するためには、近隣車との連携がポイント。一酸化炭素中毒にはご注意を

大雪で車が立ち往生。災害時の対策と事前の備え ー防災行動ガイド

まずは、追突事故を防ぐため、ハザードランプをつけて路肩に駐車しましょう。その際、吹き溜まりの中やくぼ地などの危険エリアは避けるようにして。ガソリンの消耗を防ぐため、防寒のためにエンジンをかける以外、原則エンジンは切るようにしてください。

その後、地域の消防・警察に知らせます。すぐにつながらない場合は、居場所をGPSなどで家族や友人に知らせたり、SNSで呼びかけたりしましょう。

立ち往生が長引きそうなときの対処法

マフラー詰まりや一酸化炭素中毒防止のために…

  • 排ガスが車内に入ってないかをチェック
  • マフラーが雪に覆われてないかをチェック
  • 1時間ごとにマフラー周辺を除雪

低体温症やエコノミークラス症候群防止のために…

  • 10〜30分ごとに空気を入れ替え
  • こまめな水分補給
  • 足の指や足首をほぐす軽い体操

もしエンジンをかけっぱなしの場合は、以下も行いましょう。

  • 風下側の窓を1cm以上開ける
  • 10〜30分ごとに空気を入れ替え

近隣の車に乗る人たちとの連携も大切

以前、ある立ち往生で、旅慣れた大型トラックのドライバーに、車内に積んだ道具を借りて窮地をしのいだというケースもありました。お互いにできることをして助け合い、ポジティブに救助を待つ――。それが、立ち往生を切り抜ける秘訣です。

事前の備え:これがあれば怖くない。車中のあなたを救う必需品

大雪で車が立ち往生。災害時の対策と事前の備え ー防災行動ガイド

もし大雪で車が足止めされたときに備えて、以下のアイテムを車中に用意しておきましょう。

長時間、車中で過ごすためのマストアイテム

  • 防寒グッズ(毛布など)
  • スコップ
  • 携帯バッテリー
  • 懐中電灯(できればヘッドランプも)
  • 緊急脱出用ハンマー
  • ポケットサイズの携帯ラジオ

防寒グッズは、毛布や、防寒手袋、防寒靴、防寒帽、使い捨てカイロ、寝袋など。他にも、水・食料、携帯トイレも用意しておきましょう。余裕があればキャンプ用品などを積み込んでおくのもオススメで、アウトドア用ガスコンロは「外の雪を使ってお湯を沸かせた」という体験談もあります。

どうしても大雪予報中に車を出さなければいけないときは

スタッドレスタイヤに変えてチェーンを持っていくようにしてください。ノーマルタイヤ用チェーンをスタッドレスタイヤに装着しようとすると、サイズが合わない場合もありますから備品の再チェックもお忘れなく。チェーンがないときは、タイヤの空気圧を15%程度抜いて走るとスリップしにくくなりますよ。そして、常に燃料を満タンにしておくのも、習慣化しておきましょう。

  • 車両によってパーセンテージは異なるので、メーカーやガソリンスタンドに相談すると確実です。
「被害者にならない、加害者にならない、傍観者にもならない」が、被災者の心得

豪雪は地震や火災とは違い、非常に高い確率で予報が発表されます。日ごろから気象情報や交通情報をこまめにチェックして、不要な外出を避けたり、危険な地域・山間地・道路は避けたりしましょう。

大雪で車が立ち往生したときに役立つサービス・ウェブサイト

① 緊急速報メール

緊急速報メール

気象庁が配信する緊急地震速報や津波警報・気象などに関する特別警報、国・地方公共団体が配信する災害・避難情報を、回線混雑の影響を受けずにスマホで受信することができるサービス。

② 緊急通報の位置情報通知

緊急通報の位置情報通知

ソフトバンクの携帯電話から緊急通報(110番、118番、119番)を行った場合、緊急通報した場所の位置情報が、警察、消防、海上保安庁などに自動的に通知されるサービス。ソフトバンクの携帯電話はすべて対応しています。移動中や外出中に災害やトラブルに巻き込まれ、お客さまが自分のいる場所をうまく説明できない場合でも、位置情報をもとに救助隊が駆けつけます。

③ みまもりマップ

みまもりマップ

家族がお互いの居場所をマップで確認できるソフトバンクのサービス。災害発生時には、家族が災害エリアにいることを知らせてくれたり、周囲に救援を求めたりすることもできます。また、平常時には、大切な家族が今どこにいるか、学校・病院などの指定エリアに到着・出発できたかなどの確認をすることが可能です。

④ Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピング

Yahoo!JAPANが運営する日本最大級のオンラインショッピングモール。日用品などはもちろん、非常食、保存飲料といった備蓄品、避難生活を送る際にあると便利なアイテムや事前の防災グッズなども幅広く取りそろえています。

監修者 防災システム研究所 所長 山村 武彦(やまむら・たけひこ)

山村武彦先生

1943年、東京都生まれ。1964年の新潟地震でのボランティア活動を契機に、同年、防災・危機管理のシンクタンク「防災システム研究所」を設立。以来50年以上にわたり、世界中で発生する災害の現地調査を実施するほか、テレビ解説や日本各地での講演などを通じ、防災意識の啓発に取り組む。著書に『災害に強いまちづくりは 互近助の力~隣人と仲良くする勇気~』(ぎょうせい)など多数。

(掲載日:2020年1月14日、更新日:2022年12月23日)
文:内藤マスミ
編集:エクスライト
イラスト:高山千草