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切磋琢磨できる土壌が技術力を育てる。「Google Cloud Partner Top Engineer」受賞者が語る組織風土

切磋琢磨できる土壌を。Google Cloud Partner Top Engineer が語る技術力を磨き合う風土とは

「Google Cloud」パートナー企業に所属するエンジニア個人に贈られる「Google Cloud Partner Top Engineer」。2023年のアワードで、ソフトバンクのエンジニア3名が初受賞しました。クラウドサービスをお客さまに届けるクラウドエンジニアのどういった活動が高く評価されたのか、またどのような環境で技術を磨いているのか話を聞きました。

「Google Cloud Partner Top Engineer」とは
Google Cloud Partner Top Engineer とは

「Google Cloud Partner Top Engineer」は、「Google Cloud」パートナー企業に所属するエンジニア個人を表彰するプログラムで2022年より開始されました。次の4つの項目について定量的な情報に換算し、公正な審査が行われます。

  • 保有するプロフェッショナル認定資格数
  • 「Google Cloud」の普及への貢献(対外発表)
  • 案件やソリューション開発への貢献
  • 「Google Cloud」ビジネスに対する情熱

Google Cloud Partner Top Engineer 2023 をソフトバンク社員3名が受賞しました(クラウドテクノロジーブログ)

目次

ソフトバンク株式会社 ソリューションエンジニアリング本部

  • 那須 晃介(なす・こうすけ)
  • 那須 晃介(なす・こうすけ)
  • 中村 一夫(なかむら・かずお)
  • 中村 一夫(なかむら・かずお)
  • 小川 潤(おがわ・ひろむ)
  • 小川 潤(おがわ・ひろむ)

ソリューションエンジニアリング本部ではどのような業務を担当しているのですか?

那須

「法人営業に同行して、お客さまに合ったモバイルやネットワーク、クラウド、AIなどさまざまなソリューションを提案したり、受注後の設計や構築、個別開発などクラウドエンジニアとして、技術的なサポートをしています。私の部署では Google 社のメールやチャット、文書、プレゼンテーション資料など多岐にわたる機能を持つ「Google Workspace」をお客さまに提供しています。

私が担当する小売業のお客さまの場合、「Google Workspace」をグローバルにわたる全社員に導入したことで、コミュニケーションインフラが構築され、社内のさまざまな情報の共有が容易になり、お客さまの口コミなどデータ分析から商品や店舗開発につながっているという事例もあります」

多岐にわたるソリューションを提供できる「Google Workspace」

多岐にわたるソリューションを提供できる「Google Workspace」を含めた「Google Cloud プロダクト」

さまざまな活動の中で、どのような取り組みが評価され、今回の「Google Cloud Partner Top Engineer」の受賞に結びついたのでしょうか?

那須

「小売業については大規模な導入をしてから5年ほどたちますが、継続的に「Google Workspace」の運用や活用の支援をさせていただいています。それらの取り組みが「Google Workspace」を使い続けてくれている要因でもあると評価をいただきました。

また、サービス提供事業者ではなくパートナー企業の立場であるからこそ、過去のお客さまの導入実績などの知見を生かし、お客さまに合わせて自由にソリューションを組み立てたものを提案できるという点も強みだと思います。Google 社からも、周辺ソリューションと組み合わせた提案については、当社を指名いただくこともあるので、このような点も評価されたと思います」

組織の技術力向上に向けた3つの注力事項

ソフトバンクは、個々のエンジニアの技術力を高めると共に組織全体の技術力の向上を目指して、次の3つのことを注力事項として推進しています。

注力事項❶ 資格取得の推進

人材を企業における重要な資本と捉え、人材育成を組織戦略のキードライバーとして位置づけていることから、組織として「資格取得の推進」を行うことで、組織全体での共通スキルの構築、エンジニアの価値向上を目指しています。その成果として、ワールドワイドに展開しているCompTIA資格における「CompTIA Certified Team Award」を国内で初めて2年連続で受賞しました。テクノロジーに関する言語の共通化をすることで、お客さまに提供するサービスの品質向上やコミュニケーションエラーの抑制、業務の効率化を実現しています。

他にも、「Google Cloud」に関する取り組みとして、パートナープログラムで最高レベルの技術認定であるスペシャライゼーションに日本企業として初めて認定されました。

関連のお知らせ

注力事項❷ 外部への積極的な情報発信

ソフトバンクで扱うソリューションである[Goole Cloud」「Azure」「AWS」「Alibaba Cloud 」などに関する最新情報や技術情報、イベント情報をブログメディア「クラウドテクノロジーブログ」を通して発信しています。他にもエンジニア間の情報共有を行う社内勉強会「テクシバ」や、エンジニアの事例共有や最新研究を披露するイベント「SoftBank Tech Night」など、さまざまな形式で発信に取り組んでいます。このようなアウトプットは、お客さまのビジネスへの貢献を目的とする側面がある一方、エンジニア自身のスキル向上につながっていると考えられます。

注力事項❸ サービスの品質管理の徹底

お客さまに提供するサービスの品質を担保するために、品質管理を組織の中で仕組み化して、各部のマネージャー層が活動の中心となりエンジニアの活動を下支えしています。

エンジニア間で学び合う風土が技術力を育む

Top Engineer受賞者に贈られる記念品のパーカーを着用してインタビューに臨んだ3人

Top Engineer受賞者に贈られる記念品のパーカーを着用してインタビューに臨んだ3人

日々の業務の中で3つの注力事項がどのように生きているのか、クラウドエンジニアに聞いてみました。

「Google Cloud Partner Top Engineer」の選定基準にも認定資格数があるそうですが、資格取得に挑戦している理由を教えてください。

小川

「ソリューションエンジニアリング本部の業務で必要になったことや、業務で得た知識を体系的に学べているかどうかを点検するために資格を取得するということをやっています。
入社してから5年間継続して半期に平均3〜5個の業務に関連する資格を取得するように努めていて、『Google Cloud』 に関する資格はコンプリートしました」

効率的な資格取得をどのように実現しているんですか?

小川

「時間をどのように使うかには気を付けていて、リモートワークのときは、通勤に使っていた時間を利用しています。出社するときも、通勤中にYouTubeや外部セミナーのアーカイブ資料を見ながら移動してます。他にもプロジェクトの合間やランチの時間など隙間時間を使って大体1日2時間から3時間は勉強に当てるように努めています。

日ごろの業務の中で得た知識をベースに、研修で体系的な知識を補完することで資格取得に近づきますし、自分の知識を整理することにもつながります。手を挙げれば外部のセミナーなどを積極的に受講させてもらえるので、自己研鑽(さん)に取り組める環境が整備されていると思いますね」

自分で時間を捻出されてるのと、学びやすい環境があるということですね。

小川

「最近だと『ChatGPT』とか『Bard』といった対話型AIも活用できると思います。『自分がどう学べばいいのか?』『テストのシナリオ問題を生成してほしい』などを聞けるというのは、コーチングとかメンターをいつでも雇えるって言えるんじゃないかなと思います。とは言え、精度が良いかどうかはまた別ですが(笑)」

なるほど新しいですね。資格を取得していることが、どのように役立っていますか?

小川

「実務的な観点で言うと、お客さまから提示される要求事項には有資格者数や『Google Cloud』の認定パートナーであるかが考慮される場合があるので、そこに貢献できるということがあります。またプロジェクトを通して、専門用語が飛び交う場面や課題に直面したときにも、資格試験で培った知識が役立っています」

知見を生かした実践的な情報発信

情報発信するときには、どのようなことを意識していますか?

中村

「ソフトバンクのエンジニアが運用している『テクノロジーブログ』では、そのクラウドサービスの便利さがよく伝わるようにエンドユーザの目線を意識しています。
エンジニアが発信している内容は、技術的な面や管理者の目線で書かれたものが多いと感じ、あえて私は違う視点で差別化をしています。また、記事のボリュームも3分以内で読める量にしています。

『Google Workspace』を導入しているお客さまの課題や解決策など、われわれだからこそ発信できる実事例を紹介することで、読者の現場でも役立つ情報なのではないかと思います。記事を公開してからの閲覧数が右肩上がりなものが多くうれしいです」

さまざまな工夫の成果ですね。変化が多いクラウド業界において、どのようにリアルタイムにニーズをキャッチアップしているんですか?

中村

「Google 社が開示している仕様変更の情報や管理者宛てのメール通知を頻繁に確認しています。また、プライベートでも「Google Pixel」で日頃からGoogle 社に関する情報を探していると、関連ニュースを勝手にトピックとして収集してくれる機能があるので助かっています。

そのような情報の中から、特に注意すべきなのが、お客さまに届けた後にそのサービスが終了することです。そのため、そのような事態に備えて、リアルタイムで情報を察知することはとても重要です。お客さまにご迷惑をかけないためにも、常にアップデートには目を光らせて、いち早く情報発信をしています」

ソフトバンク クラウドテクノロジーブログ
ソフトバンク クラウドテクノロジーブログ

ソフトバンクのエンジニアが「Google Cloud」「Azure」「AWS」「Alibaba Cloud」 などに関する最新情報や技術情報、イベント情報を発信しています。

ソフトバンク クラウドテクノロジーブログ

体系的なフレームワークで品質を守り、トラブル「ゼロ」へ

品質管理とは具体的にどのようなことをやっているのですか?

那須

「さまざまな品質管理の観点がありますが、全体的にはフレームワーク形式でまとめています。お客さまにサービスを届けるまでには、さまざまなステップがあり、社内手続きなども合わせると膨大な数になります。皆で協力し合って品質を守っていくために、プロジェクトにおいて、細かいタスクを体系化して、フェーズごとに上司や有識者から承認をもらうことで、品質を守り、高めることを実現しています。

この取り組みが、浸透してきているため、トラブルの低減につながっていると思います」

トラブルを未然に防ぐチェック体制が構築されているのですね。

那須

「そうですね。リスクのポイントなども横展開して共有し、誰でも過去事例に触れられるようになっています。また、品質管理では、半期ごとに社内表彰が設けられています。プロジェクトの規模だけではなく、どのように品質を保ち、お客さまのビジネスを成功に導いたかというのが争点なので、士気を高めるきっかけにもなっていると思いますね」

社内外との「共創」がお客さまへの価値提供に

社内外との「共創」が、お客さまへの価値提供に

今後、どんなエンジニアを目指していきたいですか?

小川

「私は入社時から「越境する」ということを掲げています。
組織の枠にとどまらず、一歩踏み出して、さまざまな人とコラボレーションしていくことを意識していて、現在も、社内外でデータ活用などのワーキンググループや勉強会を開く活動をしています。
縦割りの組織構造を防ぐために、自ら横組織のようなものを作り、その人脈を通じて新たなパートナー企業の発掘につながったこともあります。このような活動に対して、協力的な上司の方々がいることも頼もしく感じますね。
一緒に仕事をするパートナー企業の方と共創していきたいと考えていて、それが最終的にはお客さまへの価値の提供につながると思っています。昨今、お客さまの課題や要求はますます複雑化しており、1人の力だけではそのすべてに対処することは難しいと感じています。今後も、より多くの社内外のエキスパートと協働し、多くの課題に挑戦していきたいと考えています」

中村

「小川さんは自発的にぐいぐい活動をしているので、すごいと思います。私の場合は、「Google Workspace」のシェアを伸ばすためにどうするかを日々考えています。その課題の一つに組織内に「Google Cloud」も含め扱える人が、圧倒的に少ないという状況があります。そのためエンジニアを育てるエンジニアを目指しています。
他部署にも勉強会を通じて知識を共有したり、新機能が追加されたときには情報を部内に共有したり、教育したメンバーに新しい案件の対応を任せてバックサポートに徹したり、組織のケイパビリティーを高め、シェア拡大に貢献したいと思っています。
他には、グループウエアだけではなく、モバイル端末やデバイス管理製品、セキュリティ製品を1社で扱っている企業は他にはないと思うので、幅広い知識を得られる環境であることもエンジニアにとって魅力に感じています」

那須

「中村さんも言っていた通り、クラウドサービスができる人材をどんどん増やしけるような土壌を作っていきたいという思いがあります。その一環として、他の組織の皆さんとの連携や外部ベンダーとのリレーションの構築という点についても自分のミッションとして成し遂げ、メンバーがクラウドソリューションの業務をより良く取り組めるような環境作りをしていきたいと思います。
エンジニアとしては、これから先も技術力にこだわっていきたいです。さらに、クラウドをはじめ新しいソリューションがどんどん出てきたり、機能追加など変化が激しいので、継続的にキャッチアップしてレベルアップをはかりたいです」

エンジニア同士で技術力を高め、成長し合える環境であることが伝わりました。ありがとうございました!

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(掲載日:2023年6月9日)
文:ソフトバンクニュース編集部