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ダイバーシティこそが地球を強くする。これからの時代に求められる人材づくり

ダイバーシティをメインテーマとするトークセッション「駒澤大学 × ソフトバンク共創企画 ~これからの世界に求められる『人材』と『環境』」が行われ、駒澤大学の各務洋子学長と、ソフトバンクの営業部門でダイバーシティを推進している専務執行役員の桜井勇人、執行役員の宮園香代子が、今なぜダイバーシティとDXが必要なのか、大学改革と働き方改革の視点から語りました。

後編ではダイバーシティの取り組み紹介の他、未来社会に求められる人材について、意見が交わされました。

前編はこちら

ソフトバンクのDE&I推進

宮園 香代子(みやぞの・かよこ)

ソフトバンク株式会社 執行役員 コンシューマ事業統括 東日本エリア営業本部 本部長 宮園 香代子(みやぞの・かよこ)

総合広告代理店を経て旧J-フォン入社。モバイル事業のマーケティングコミュニケーションに従事し2017年にコミュニケーション本部 本部長。2020年から東日本エリアの家電量販店を担当する営業組織を統括している。「女性活躍推進会議」のコンシューマ事業部門のリーダー。

数字で見るソフトバンクの人と環境

ソフトバンクは女性活躍法がスタートした2015年からダイバーシティ推進のプロジェクトを発足し、2021年にはCEOと役員などで構成する「女性活躍推進委員会」を設置。2035年度までに女性管理職比率20%の目標を掲げるなど、取り組みを強化・加速しています。ソフトバンクのDE&I推進の状況について、社内で女性活躍推進会議の推進役を務める宮園が、最初に「働く人」と「働く環境」の視点から数字で紹介しました。

2023年4月時点の女性の社員構成比は26.7%で、年々徐々に女性が増えている状況。男女の比率をなるべく近づけていくよう女性の採用を増やしています。また、全従業員における障がい者雇用率は2023年6月時点で2.74%と増加し、「ダイバーシティ、インクルージョンを意識して活動している」と説明。

一方、働く環境の方は、平均残業時間が減少しているところはDXがかなり貢献していると分析。また、特筆すべき点として、会社が「男性育休100%宣言」も行うなど力を入れている男性の育休取得率が65%に上り「非常にいい形で推移をしている」とコメントしました。

働く人
働く環境

人材価値の最大化が会社を強くする

続いて、「日本の人口が減る中、あらゆる労働する人たちの力を結集していく必要があり、多様な人材が活躍する会社を目指していくことで強いソフトバンクになっていく」として、ダイバーシティ推進に関する3つの取り組みが紹介されました。

1つ目は「LGBTQ」。社員向けに、同性パートナーの配偶者適用、SOGIハラスメントについての社内啓もう、自認性・社内呼称の利用、「誰でもトイレ」を本社全フロアに設置するなどの配慮を行うとともに、お客さまに向けても2015年11月から同性パートナー証明書での家族割の適用を実施。

2つ目は障がい者採用での「ノーマライゼーションの推進」。障害のあるなしに関わらず、全ての人が能力を生かして活躍できる場を作っていこうという方針の下、ノーマライゼーション相談窓口の設置、産業医・カウンセラーの常駐、ノーマライゼーション休暇の適用の他、障がい別ではバリアフリーの職場を作ったり、聴覚障がい向けの音声認識アプリやブギーボードなどのテクノロジーを使ったサポートを社員に対して行っていると紹介。また、お客さま向けのサポートとして、聴覚障がいの方への店舗での手話スタッフによるサポートや電話リレーサービスの他、障がいのあるお客さま向けの割引を提供していると紹介しました。

ダイバーシティの必要性

3つ目はダイバーシティの主軸になってくると言われている「女性活躍推進」について。ソフトバンクでは2020年から取り組みを加速し、経営トップがコミットメントをして高い目標を設定し、かつ、全社で女性活躍推進委員会が行われています。

「現在、女性社員の比率は26.7%で、管理職比率は8.6%。まだまだギャップがあるが、これを2030年までに15%、2035年度末までに20%に引き上げていこうという取り組みを行っています」(宮園)

女性活躍推進に向けた施策としては、女性活躍推進に関する意識調査の実施、部門ごとのグレード構成や昇格率を可視化、女性社員と上位層による意見交換などで課題を把握し、これに対して経営層からのメッセージ発信、意識改革のための管理職向け研修やアンコンシャスバイアスe-ラーニング、併せて男性も女性も働きやすくなるための働き方改革といった取り組みを行っています。

女性活躍推進に向けた施策

「人材の価値を最大化するというのが会社を強くするということ。今後も多様な人材が活躍するソフトバンクをますます推進していきたい」と宮園は力を込めました。

ソフトバンク宮園の
プレゼンテーションは、
動画でご覧いただけます。

ディスカッション「未来社会に求められる人材とは」

ディスカッション「未来社会に求められる人材とは」

トークセッションに続き、「未来社会に求められる人材とは」というテーマでディスカッションが行われました。

日下部 奈々(くさかべ・なな)

モデレーター:ソフトバンク株式会社 ESG推進室 日下部 奈々(くさかべ・なな)

ソフトバンクの企業内大学「ソフトバンクユニバーシティ」の設立を始め、複数の人材開発プログラムに携わる。2020年からはESG推進室で全社のサステナビリティの取り組みを推進している。

AGIの加速度的な進化の中で生き残るには

日下部 「これまでのお話の流れを受けて少し先に目を向け、『未来社会に求められる人材とは』というテーマに入っていきたいと思います。桜井さんのプレゼンテーションにありました生成AIというようなワードからも代表されます通り、今後、AGI(アーティフィカル・ジェネラル・インテリジェンス)と言われるものが爆発加速的に進化していくことで、大きく世の中のあり方が変わっていくと言われています。

Google の創業者であるラリー・ペイジさんは2014年の段階で、『20年後みんなが望もうが望むまいが現在の仕事のほとんどは機械によって代行される』と言っています。また、こちらも一時話題になりましたけれど、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授が発表された書籍の中で、『これまで人間にしかできないと思われてたような仕事までもが、ロボットなどの機械に代わられようとしている』と記されていました。

こういったAGIと共存する未来社会において、求められるのはどのような人材なのか、というテーマについて、ここからは皆さんと話をしていきたいと思います。壮大なテーマをあえて掲げているんですけれども、各務先生、大学ではこういった議論がすでに始まっているのでしょうか」

変化を楽しめる人になってほしい

各務氏 「そうですね、私の授業は経営学ですので、変化の激しい技術革新の話題など、毎日のニュースが題材になります。変化を先取りできるぐらいの人材、変化を楽しめるような人材を育てていきたいと思ってます。

変化を楽しめる人になってほしい

例えば、iPhoneやゲームのソフトがバージョンアップして新しくなったということを学生も日常的に経験していて、振り返ったら数年前とは相当変わっています。変わるのが当たり前で、変化していくことにわくわくして、『どうなるんだろう』と先取りできるような、技術革新を楽しむ人間であってほしい。

多様性についても、例えばディベートで摩擦が起こって大変だったとか、いろんな人がいてチームをまとめるのがつらかったといった経験を4年間でたくさん経験してほしい」

宮園 「私も変化に対応できる人材っていうのはすごく大事だなと思います。ソフトバンクもよく『レジリエンス』みたいな言葉で言われていますが…。」

桜井 「その塊みたいな会社ですよね」

変化を楽しめる人になってほしい

宮園 「本当に変化の激しい会社なので、それを楽しむぐらいというのはすごく大事だと思います。また、これからは『個』が大事になってくる時代になると思うので、自分がどういう人間なのかを理解をするということも重要だと思います。マスの時代ですと組織の中にはまる人を良しとして、みんな同じように行動することが大事だったのが、ダイバーシティという多様性の時代では、自分がどういう人間なのか、どういうポイントで社会や組織に貢献できるのかということを、ちゃんと自分の口で語れることや自分で理解しているということが大事になってくるのではないかと思います。

それから、私は今自分が大人数の組織を持っているということもあるんですが、相手が何を考えているかの想像力を持つことも併せて大事だと思います。それぞれが違うからこそ、自分はこうだが相手は違うかもしれないという想像力を持てるかどうかということが大事なことになってくるのではないでしょうか」

桜井 「入社したての頃は、世の中の変化があると間違いなく引きずられる側にいたと思うんですよね。もう、ついてくしかないだろって。たまたまこの会社の環境に入ってすごく恵まれたのは、新しいものに触れてみること、触れたらもうちょっと興味を持ってみること。多分これは物も人もだと思うんですね。その後こだわってみる。こだわる先には仕事で言えば予算を達成してというのがあるかもしれないんですけど、そういうのが何となく風土とオペレーションの中にちりばめられていて、それで、各務先生のおっしゃる通り『変化に対応する』という世界がいつの間にかできてきましたし、変化を楽しめるようになってきましたね。

変化を楽しめる人になってほしい

ポジティブに新しいものに触れて、興味を持って、楽しめるかどうかで全く違うので、学生時代にいろんな経験ができる環境を作ってあげることは素晴らしいことだと思います」

日下部 「未来社会で活躍できる人材を作っていく上で、企業と学校が共にできることは何でしょうか」

桜井 「私たちの会社は、少なくとも働く環境は民間企業の中でも進んでいると思うので、その同じ環境を、可能ならば学生の環境の中に移植してあげたいですし、ひいては教職員の皆さんもそれに賛同いただいて、みんなが同じ方向でと思います。大学も企業も人を育てて次の時代を作っていかなければならないというところは一緒だと思いますので、私たちはその形をハードとソフト両方でリファレンスできればいいかなといつも思っています」

各務氏 「学生にとってみると企業の皆さんとの接点がないと、いわゆる『象牙の塔』になってしまいます。社会の一員だということを常に実感できるような、開かれたキャンパスであってほしいと思っています。企業の方々との接点を通して、さまざまなことを学び、今は学生だけれども将来、社会の中の一員として自分がどのように貢献できるのか常に意識できる場であると良いと思っています」

ダイバーシティによって深みを増し、強い地球につながっていく

ダイバーシティによって深みを増し、強い地球につながっていく

日下部 「最後に皆さまから一言ずついただきたいと思います。今日の感想も踏まえて、皆さんにとって『なぜダイバーシティが必要なのか、Why Diversity 』ということをお話しいただければ思います」

桜井 「今日もたくさんお話ができましたが、必ず相手は人なんですよね、AI同士が会話するわけではないので。いろんな環境がある、いろんな境遇の方がいる。その人の可能性を広げていくと、それが実は企業の可能性やいろんなことにつながっていくと思います。私にとってダイバーシティは人のいろんな可能性をどんどん掘り起こして広げていって、そこに何かほんの少しでも携わっていられればいいかなと思っています」

宮園 「コミュニケーションという話がよく出てきていますが、いろんな人たちがいて、それぞれをつないでいくことがすごく大事だと思っています。そのためにDXやダイバーシティの意識がすごく大事になってくると思います。大学もそうですし、企業も組織もそうなんですけれども、いろんな人たちが関わりあって成り立っているっていうところがあると考えると、このダイバーシティというのはコミュニケーションにつながって、組織につながって、やはりそのためにすごく大事な基本的なこと、基礎なんだと改めて今日いろいろ皆さんとお話をさせていただいて感じました」

各務氏 「お釈迦(しゃか)様の生きた時代から、人は一人ずつ異なる、同じ人間はいないと認識されていた。一人一人の存在意義が深みを持ってこそ素晴らしい社会になると思います。今の時代は、昔はできなかったつながりが可能になりました。世界中に全く違う人たちが、今80億人いるわけですから、80億種類を何とかつなげると素晴らしい厚みと広がりがあるのだろうと思います。
ダイバーシティというのはこれからの地球の強さにつながると思っていますので、その一人一人の個を深めて、さらにそれをさまざまにつなげることに取り組んでいきたいと思っています。多様な個がつながってこそダイバーシティというのは本当に意味があることだろうと思います」

日下部 「お釈迦様もおっしゃっているという非常に強い後押しがありました。短い時間でしたけれども、皆さんにとっても、今日この時間が、ご自身にとっての 『Why Diversity』を考えるきっかけになりましたら幸いです。本日は貴重なお時間ありがとうございました」

ディスカッションの模様は、
動画でご覧いただけます。

ダイバーシティによって深みを増し、強い地球につながっていく

前編はこちら

(掲載日:2024年3月21日)
文:ソフトバンクニュース編集部

ソフトバンクのダイバーシティへの取り組み

ソフトバンクのダイバーシティへの取り組み

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