2024年1月から新しいNISAが開始しました。年末年始にかけて新制度に関わる情報がたくさん見られ、「始めた方がいいかな…?」と思った人も多いのでは。さまざまな情報に触れて迷ってしまい、結局まだ始められていない皆さん、新NISAに関する基本的なことを押さえて、資産運用デビューを検討してみましょう!
目次
教えてくれた人
PayPay証券株式会社 広報部
佐々木 麻美(ささき・まみ)さん
美容業界やウェディング業界でWEBマーケティングを担当した後、2021年8月にPayPay証券株式会社に入社。マーケティング部を経て現在は広報部に所属。
話を聞いた人
ソフトバンクニュース編集部メンバー
資産運用に苦手意識のある30代。新NISAが気になっているけど、なんとなく始められていないまま…。
新NISA、始めた方がいい? メリットとデメリットをおさらい
2014年にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)は、資産形成などを目的とする、個人投資家のための税制優遇制度です。安定的な資産運用を促し、個人投資家を増やしていくという、金融庁の重要な政策の一つとして進められてきました。これらをさらに推し進めていくため、今回の制度改正が行われました。
新しいNISAも、基本的なところは変わらないんですか?
そうですね。NISAの1番のメリットは、資産運用で得た利益に税金がかからないという点です。
まず知ってほしいのは、通常、株式投資などで利益が得られると、一定の税金が課せられるということ。例えば、一般口座や特定口座で運用している場合、10万円の利益に対して20.315%課税されるため、手取り額は約8万円になってしまいます。そこで、NISAを利用すれば10万円をそのまま手取りとすることができます。
ずいぶん違いますね… ! 資産運用するなら、NISAでやらないのはもったいないですね。
まさにそうなんです。税金がかかる口座とそうでない口座、まず選ぶとしたら、NISA口座での運用ですよね。より多くの人が資産運用を始められるように、こうした優遇措置が設けられています。
旧NISAと新NISAの変更ポイント
旧NISA(つみたて・一般) | 新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠) | |
---|---|---|
非課税保有期間 | 【つみたて】最大20年 【一般】最大5年 |
無期限 |
制度の併用 | どちらかを選択 | 併用可能 |
生涯投資枠 | 【つみたて】800万円 【一般】600万円 |
合計1,800万円 (うち、成長投資枠は1,200万円まで) 売却した場合、枠の再利用が可能 |
年間投資枠 | 【つみたて】40万円 【一般】120万円 |
【つみたて投資枠】120万円 【成長投資枠】240万円 |
ポイントは大きく分けて上記の4つです。非課税で保有できる期間や投資限度額が拡大されました。また、つみたて投資枠と成長投資枠、両方利用できるのも大きな違いですね。
生涯投資枠のところにある、「枠の再利用」ってどういうことですか…?
保有している株式や投資信託を売却した場合、その分の枠が、売却した翌年から再利用できるんです。ただし、年間投資枠は変わりません。
なるほど。期限や上限の縛りが緩和されて、分かりやすくなった印象ですね!
新NISAでの注意点は? 一般的な資産運用と同じリスクも
いいことだらけに見えますが、デメリットはないのでしょうか?
NISAで注意しておきたいのは、以下の2つです。
- NISA口座を開設できる金融機関は一つだけ。金融機関を変更したい場合は年に1回まで可能。ただし、変更前の金融機関で保有していた銘柄はそのまま運用され、新しい金融機関で開設するNISA口座へ移すことはできない。ただし、売却は自身のタイミングで可能
- 売却後の投資枠の再利用は、翌年まで復活しないので、1年の途中で売却する際は注意
その他、基本的には一般の投資リスクと同じです。元本割れや、商品の選択、売買のタイミングの見極めなどですね。
まさに苦手意識がある部分なんですが…。コツコツ勉強していくしかないんでしょうか。
PayPay証券には、PayPayアプリから別のアプリやブラウザに遷移することなくワンストップで利用できる「PayPay資産運用」というサービスがあります。売買する際のコツなど、資産運用を始めたばかりの人に役立つコンテンツが豊富にそろっているので、そこで情報収集していただくといいと思いますよ。
また、「PayPay資産運用」では、個人のライフプランやスタイルに合わせた目標設定機能もあり、結果に応じたおススメの銘柄を教えてくれます。そういう情報を参考にするのもいいですね。
なんか、私でもできそうな気がしてきました。
ちなみに、新しい制度がスタートして、NISAで運用する人は増えてるんですか?
昨年の12月以降、証券口座の開設数が増えています。そのうち8割の方がNISA口座を開設しているので、注目度の高さが伺えますね。また、PayPay証券で証券口座を開設した人の約半数が30代までの方で、従来型の証券会社に比べて若い人が多い傾向にあるようです。
そうなんですね。よし…、残る疑問点も解消して、今度こそ私も新NISAを始めてみよう!
証券会社はどう決める? 迷ってる人が知っておきたい選び方
二の足を踏んでいたもう一つの理由が、証券会社選びなんです。手数料や取扱銘柄数、使いやすさなど、いくつか比較軸があるみたいです。 どんなポイントを考慮するのがいいんでしょうか?
いま挙げられた観点も良いと思いますが、一番大事なのは、自分のライフスタイルにマッチしているか、使いやすいかどうかではないでしょうか。普段使っている金融機関やサービスの延長にあると、使い勝手が似ていたり、連携がしやすかったりと、利便性が上がります。もちろん、NISAで資産運用する目的やご本人の価値観にもよりますが、基本的には「長期」「分散」「積立」で資産運用を続けていくことが大事なので、長期的な視点で選んでほしいです。各社独自のポイントサービスなども、こういった理由から、比較ポイントになる場合がありますね。
手数料、取扱銘柄数…。どんな観点で比較する?
なるほど。… とは言っても、手数料や銘柄数など、本当に気にしなくていいんですか? 特に手数料ってさまざまなところにかかっているイメージで、よく分かりません。
資産運用に関連する手数料の主なものは以下の通りです。証券会社によって異なるものと、銘柄や商品によって変わる手数料があります。
- 商品の売買手数料。PayPay証券では投資信託の買付手数料は無料
- 投資信託の信託報酬。信託の運用会社が設定するため、どの証券会社でも同率
- 国内株や外国株購入時の購入手数料や為替手数料。証券会社により異なる
- 証券会社の口座へ入金する際の振込手数料。送金元により異なる。なお、「PayPay資産運用」では、銀行口座からのチャージなどによるPayPayマネーを利用できるので、振込手数料はかからない
この観点で、気になっている商品の手数料やサービスをチェックすればいいんですね!
銘柄数についてはどうでしょうか?
本格的に運用をしている方は、自分で銘柄を選んで買いたい方が多いので、そういう場合は銘柄数も検討対象にしていいと思います。これから資産運用をスタートする人なら、3~10銘柄程を保有することを想定して、厳選された銘柄数の中から「長期」「分散」「積立」に適した銘柄を選べる方が使い勝手がいいと思います。ですので、あまり気にしなくて大丈夫ですよ。
確かに…! たくさんあっても選べません。
だいぶ比較基準が明確になってきました。万一、証券会社を変えたい場合も可能ですしね。
はい、NISA口座に関しては年1回まで大丈夫です。資産運用に慣れてきたら、NISA口座以外でも運用するために、別の証券会社で口座開設する人も多いですよ。アプリやサイトの使い勝手、ポイ活の一環、買いたい銘柄を扱っているかなどで使い分けているようです。
ステップアップしたときのこともイメージできました。心配し過ぎずに、まずはスタートしてみるのがよさそうですね!
いざ口座開設! 準備するものは?
資産運用自体が初めての場合、まずは証券会社で証券口座を開設し、NISA口座を開設する必要があります。証券口座の開設前に手元に準備しておきたいものは、一般的に以下の通りです。
- マイナンバー(個人番号)確認書類
- 本人確認書類
- 印鑑
- 金融機関口座
PayPay証券で口座を開く場合は、マイナンバーカードがあれば、スマホで簡単に手続きできます。マイナンバーカードによる手続きがおススメですが、なくても口座開設の手続きが可能です。
PayPay証券で開設する場合、「PayPay資産運用」と「PayPay証券アプリ」の2つがあるみたいなんですが、どっちを選べばいいんでしょうか?
初心者の方には「PayPay資産運用」がおススメです。キャッシュレス決済アプリ「PayPay」内のメニューから使うことができ、すでに本人確認が済んでいれば、口座開設手続きの一部が省略されます。また、なるべく専門用語を使わず、分かりやすい情報を適度に発信するなど、初めての資産運用のハードルを下げるための工夫をしています。先ほど紹介した、目標設定機能なども充実していますよ。
私の場合は「PayPay資産運用」が良さそうですね。もし「PayPay証券アプリ」に変えたくなっても、大丈夫ですか?
もちろん、「PayPay証券アプリ」も使えます。こちらは取扱銘柄数が多く、投資に関する情報が充実していて、ニュースのプッシュ配信機能もあります。より投資感度の高い人に向いていますよ。
よく分かりました。まずはPayPayアプリから「PayPay資産運用」を始めてみます!
使い勝手のいいツールを味方に、自分だけの無理ない継続運用の形を作ろう
無事、「PayPay資産運用」でNISAを始める準備が完了しました。改めて、新NISAのポイントを確認しましょう。
新NISAの仕組み
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
生涯投資枠 | 1,800万円(うち、成長投資枠は1,200万円まで) 同時併用・年間投資枠の再利用可能 |
|
購入方法 | 積立投資のみ | 都度購入での買付・積立投資 両方可能 |
対象商品 | 積立・分散投資に適した 一定の条件を満たす 投資信託など |
国内株式・海外株式 ETF・投資信託等 |
つみたて投資枠と成長投資枠、つまり何が違うんですか?
購入できる商品のラインナップです。成長投資枠では、つみたて投資枠で対象外の商品も購入できます。
- つみたて投資枠
あらかじめ設定した頻度と金額で購入。購入可能商品は投資信託とETF(上場投資信託)のうち、つみたて投資枠対象商品だけで、個別株式は購入できない
- 成長投資枠
自分のタイミングで購入。つみたて投資枠で購入できる投資信託やETFに加えて、つみたて投資枠では対象になっていない投資信託やETF、上場している個別株式の購入が可能
NISAで購入可能なのは、金融庁が定める基準を満たした商品です。つみたて投資枠の対象となる銘柄については基本的に保有コストが低く、長期運用に向いています。
最適な運用計画の立て方。それぞれの枠にいくらずつ投資する?
年間投資枠と生涯投資枠の上限を考慮しながら、いくらずつ分散して、どんなペースで運用するのがベストですか? やはり、最初の5年でフルに枠を使い切ったほうがいいんでしょうか…。
それは…、一人一人の経済状況によるところが大きいので一概には言えないんです。鉄則は余剰資金で資産運用すること。つみたて投資であれば、毎月10万円を投資しなきゃとこだわらずに、できる範囲で進めましょう。余剰ができたらスポットで買うのもいいですね。もちろん、上限いっぱいNISA口座で運用して、さらに課税口座でも運用する、という形でも、無理がないのなら構いませんよ。
冷静に考えると…、毎月の金額にしてみたら30万円。上限いっぱい投資しようとすると、かなりの金額だ。上限を気にするより、今の自分の状況に応じた設計が大事ということですね。
「PayPay資産運用」では、NISA口座で購入する際に、年間投資枠や生涯投資枠のうち、あとどれだけ使えるか分かるようになっていますので、安心してくださいね。
新NISAデビューはお手軽なつみたて投資枠から。少額投資、ポイント運用など、気軽に運用体験を積もう
分かりました。少額からスタートするなら、やはり、つみたて投資枠での購入が良いでしょうか?
これも個人の価値観によりますが、やはり始めやすいのはつみたて投資ではないでしょうか。また、初回につみたての設定をした後、値動きなどの動向を必ずしも毎日見る必要はありません。長期運用では、毎月少しずつつみたてを続けること、上がっても下がっても途中でやめないこと、無理のない範囲で継続することが大切です。
値動きなどを毎日確認する必要はないんですね 、とてもありがたいです!
とはいえ、運用を始めると自然と株価の動向や経済ニュースを気にかけるようになると思います。そういうときはぜひ積極的に情報に触れてくださいね。
「PayPay資産運用」のNISA口座で投資を始めるステップをおさらい
- 運用に回す金額を無理ない範囲で決める
- 目標設定機能を使い、購入する銘柄を決める
- 簡単な手順で購入手続きを進める
… ついに購入できました!!
一つ気付いたんですが、「PayPay資産運用」って、100円から購入できるんですね。
そうなんです。資産運用をもっと身近な存在にし、多くの人に始めてほしいという思いからできたのが「PayPay資産運用」サービスなんです。資産運用のハードルを下げる機能をたくさん盛り込んでいます。
まとまった資金がなくても大丈夫です。毎月貯金しているなら、そのうちの数割で運用を始めてみてもらえたらうれしいです。
初めて資産運用する人や、私みたいに苦手意識がある人にはありがたいサービスです!
まだ不安が残る場合は、PayPayで取得したポイントをNISAでの購入に使うこともできます。他には、PayPayの「ポイント運用」で疑似運用体験も可能です。こうした経験を通してステップアップしていく方もたくさんいますので、取り組みやすいものからチャレンジしてみてくださいね!
(掲載日:2024年3月27日)
文:ソフトバンクニュース編集部
「PayPay資産運用」で新NISAを始めてみよう
資産運用を始めたばかりの人におススメの「PayPay資産運用」。手軽にできる機能がそろっていて、新NISAにも対応しています。