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【共通編】あなたは何問正解できる? もしものための防災行動チェックテスト ー防災行動ガイド

【共通編】災害時の防災行動チェックテスト ー防災行動ガイド

いつ、どこで起こるかわからないさまざまな災害…。いざというとき、命を守るための判断と行動を素早く行うには、「正しい知識」を身に付けておくことがとても重要です。

そこで今回は、「防災行動ガイド」シリーズから、特に覚えておきたいポイントを抜粋して、「おさらいテスト」にしてみました。共通編は、どんな災害にも役に立つ知識が学べる7つの問題をピックアップ。さあ、全問正解を目指してチャレンジしてみましょう!

監修者:防災講師・防災コンサルタント 高橋 洋(たかはし・ひろし)

高橋洋先生

1953年、新潟県長岡市生まれ。1976年、練馬区に就職し、図書館、文化財、建築、福祉、防災、都市整備等に従事。1997年より防災課係長として、地域防災計画、大規模訓練、協定等に携わる。現在は、防災講師・コンサルタントとして、自治体等で講演、ワークショップ指導などを行う傍ら、復興ボランティアの一員として、福島県南相馬市小高区等で活動。防災関係著書・論文、防災関係パンフレット類監修多数。

目次

【問題】全問正解を目指して、いざテストにチャレンジ!

このページには、問題だけを掲載しています。答えは、次ページでチェックすることができます。

問題1 大きな災害が発生して交通機関がストップしたとき、まず行うべき行動として正しいものはどれでしょう?

速やかに徒歩で帰宅を開始する

車道を通って帰宅する

むやみに移動しない

問題2 災害の「5段階の警戒レベル」が3〜4になったときの行動として、正しいものはどれでしょう?

なるべく早めに避難を開始する

警戒レベルが5になるまで自宅で待機する

食料や簡易トイレを買い揃える

問題3 災害による停電発生直後の行動として、正しいものはどれでしょう?

機器損傷や火災を防ぐため、ブレーカーをオフにする

いつ復旧してもよいように、ブレーカーをオンにする

停電を確認するために、コンセントを差し込む

問題4 目の前に倒れた人がいるときの行動として、正しいものはどれでしょう?

AEDの使用資格を持っている人を探す

体を大きく揺らして意識を確認する

大声を出して周囲に助けを求める

問題5 避難が必要になった場合の行動として、正しいものはどれでしょう?

被災状況に関わらず、指定された避難所・避難場所へ避難する

指定の避難所・避難場所への移動が危険な場合は、それ以外の安全な場所へ避難する

素早く動けるよう、できるだけ一人で避難する

問題6 家庭備蓄の目安として、正しいものはどれでしょう?

最低3日〜1週間分×人数分

最低1カ月×人数分

最低3カ月〜6カ月×人数分

問題7 SNSで見かけた際、拡散や扱いに特に注意すべき情報として、正しいものはどれでしょう?

地元の新聞社、テレビ局、ラジオ局が発信する情報

政府、都道府県庁、区市町村の役場が発信する情報

「〇〇地区は物資不足らしい」など、他人の困りごとを伝える情報

【問題1〜4の答え&解説】実は意外な問題を間違えているかも…? 重要なポイントをしっかりチェック

問題1 大きな災害が発生して交通機関がストップしたとき、まず行うべき行動として正しいものはどれでしょう?

正解は、

むやみに移動しない

【共通編】災害時の防災行動チェックテスト ー防災行動ガイド

高橋「大勢の人が一斉に避難を始めてしまうと、車道まで人があふれて、救急車や消防車の妨げになったり、集団転倒を起こしたりする危険が。さらに、状況が不明な状態や夜間の移動は、被災の可能性が高まります。むやみに移動を開始せず、職場や学校、一時滞在施設など、すぐ近くの安全な場所に身を寄せましょう。このような場合に備えて、職場や学校には、2〜3日滞在できる程度の備蓄品を常備しておくのがオススメです。

また、無理なく歩ける距離に自宅がある人は、状況の安全を確認できたら帰宅を目指すのも選択肢の一つ。その場合は、付近の『災害時帰宅支援ステーション』を活用してみてください」

問題2 災害の「5段階の警戒レベル」が3〜4になったときの行動として、正しいものはどれでしょう?

正解は、

なるべく早めに避難を開始する

【共通編】災害時の防災行動チェックテスト ー防災行動ガイド

高橋「警戒レベル5に達している場合は、すでに災害が発生している状況であり、安全な場所への避難が難しいことが多いようです。ハザードマップなどで確認して、危険がある場所に住んでいる場合は、『空振りになっても構わない』と防災訓練をするつもりで、警戒レベル3〜4のうちに早めに避難を開始するようにしましょう。

また、暗くて道が見えづらい夜間や浸水状況によっては、移動時の被災を避けるため、自宅に留まった方が良いケースもあります。今いる場所の危険度を判断して、命を守る最善の行動を見極めてください」

問題3 災害による停電発生直後の行動として、正しいものはどれでしょう?

正解は、

機器損傷や火災を防ぐため、ブレーカーをオフにする

【共通編】災害時の防災行動チェックテスト ー防災行動ガイド

高橋「通電した状態のまま電化製品や配線が水没したり、落雷によって雷の高圧電流が屋内へ流れ込んだりすると、機器が故障する恐れがあります。さらに地震発生後、家から離れて避難をする際にブレーカーを入れたままだと、余震で物が落ちて電化製品にスイッチが入ったり、配線が傷んで出火したりして、無人状態の家で大きな火災が起こってしまう恐れも。これらのことを防ぐため、停電発生後はブレーカーをオフにするようにしましょう。

また、通電しているかどうかを確認するため、停電中に電化製品のコンセントを差し込んだりすると、感電につながる恐れがあります。絶対に行わないでください」

問題4 目の前に倒れた人がいるときの行動として、正しいものはどれでしょう?

正解は、

大声を出して周囲に助けを求める

【共通編】災害時の防災行動チェックテスト ー防災行動ガイド

高橋「もし、目の前で人が倒れた場合は、周囲の安全確保を行った後、軽く肩をたたきながら声をかけ、倒れている人の意識を確認。反応がない場合は、『人が倒れました! 誰か来てください!』など大声を出して、周囲に協力を求めましょう。心肺蘇生法の知識がある場合は速やかに実施してください。

AEDを使用するのに特別な資格は必要ありません。電源を入れると音声ガイドが使い方を順次指示してくれたり、自動的に心臓の状態を診断し、電気ショックの必要の有無を判断してくれたりするため、知識のない人でも救命活動を行うことができます。もしAEDが近くにある場合は、勇気を出して恐れずに使用してみてください」

【問題5〜7の答え&解説】実は意外な問題を間違えているかも…? 重要なポイントをしっかりチェック

問題5 避難が必要になった場合の行動として、正しいものはどれでしょう?

正解は、

指定の避難所・避難場所への移動が危険な場合は、それ以外の安全な場所へ避難する

【共通編】災害時の防災行動チェックテスト ー防災行動ガイド

高橋「被災時の行動として、何が何でも避難所・避難場所へ行けばよいというわけではありません。その周辺ですでに災害が発生している場合など、避難所・避難場所へ移動することでかえって命を危険にさらすようなときは、指定の場所ではなく、近隣のより安全な場所、もしくは建物内のより安全な部屋へ移動してください。

また、避難するときは、動きやすい服装で、2人以上での行動を心がけましょう。車での避難は、渋滞を引き起こして緊急車両の妨げになったり、道路冠水などにより動けなくなったりする可能性があります。特別な場合を除いて車での避難は避け、原則徒歩で避難するようにしてください。徒歩での避難が困難な高齢者や障害者の車による避難は、早め早めに行うよう心がけましょう」

問題6 家庭備蓄の目安として、正しいものはどれでしょう?

正解は、

最低3日〜1週間分×人数分

【共通編】災害時の防災行動チェックテスト ー防災行動ガイド

高橋「災害の発生直後は支援物資がすぐに届かなかったり、物流が滞ってコンビニやスーパーから食料品がなくなったりする事態が想定されます。さらに過去の事例を見ると、電気・水道・ガスなどライフライン復旧までには、災害発生から1週間以上かかることが多いようです。最低でも3日分、できれば1週間分、飲み物・食べ物・トイレ・(スマホ用などの)電源の準備しておきましょう。

普段から少し多めに食材をキープしておく『ローリングストック』という方法を取り入れれば、手軽な上、お財布にも優しく備蓄をすることができるためオススメです」

問題7 SNSで見かけた際、拡散や扱いに特に注意すべき情報として、正しいものはどれでしょう?

正解は、

「〇〇地区は物資不足らしい」など、他人の困りごとを伝える投稿

【共通編】災害時の防災行動チェックテスト ー防災行動ガイド

高橋「他人の困りごとを発信をしているものや、伝聞系のものなど、出どころが定かでない情報は、たとえ善意の情報でも要注意です。受け取ったら、まずは公的機関など信頼できる発信元からの情報かどうかを確認し、疑わしい情報だと感じたら、自分のところでストップさせるようにしましょう。

また、『○×地区で物資が足りない』といった投稿だけを頼りに、被災地へ物資を送ることも避けてください。被災地の状況の変化によって大量の物資が不要となり、逆に被災地の負担となる『第2の災害』を引き起こす可能性があります。物資を送る際は、必ず被災自治体の公式サイトなどで、現地のニーズを確認するようにしましょう」

一つひとつの小さな備え、小さな知識が、いざというときあなたを守る

さて、あなたは何問正解できましたか? 間違えてしまった問題は、ぜひきちんと復習して、いざというときのためにしっかりと覚えておきましょう。

(掲載日:2020年9月16日)
監修:高橋洋先生
文・編集:エクスライト
イラスト:高山千草