非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)とは、地上、海、空にある移動体を多層的につなげる通信ネットワークシステムのこと。地上の基地局からの電波が届かない漁業や海運業などの産業や、インフラが整っていないエリアに対してインターネット接続が提供できます。
上空から超広域ネットワークを構築
通信衛星や無人航空機を活用して、上空からネットワークを構築することで、災害時でも途絶えない安定的な通信サービスが提供できます。また、超広域のエリアをカバーできるため、山岳地域などこれまで通信環境が整っていなかった場所でもインターネット接続が可能になり、世界のデジタルデバイド(情報格差)の解消につながると期待されています。
成層圏で携帯基地局を運営
NTNは、通信衛星のほかに、成層圏に飛行させた無人航空機に通信機器などを搭載し、広域のエリアに通信サービスを提供できる成層圏通信プラットフォーム「HAPS(ハップス)」を活用します。HAPSは「高高度基盤ステーション」を意味する「High Altitude Platform Station」(高高度プラットフォーム)の略。バッテリーなどを搭載した飛行体が、地上から約20キロメートルの成層圏を長期間、無着陸で飛行することで、移動端末に対する基地局などの役割を担います。
ソフトバンクは、NTNソリューションとしてHAPSの他に、低軌道(高度700~2,000キロメートル)を周回しながら通信を提供する「低軌道衛星」や、赤道上空の高度約36,000キロメートル付近に位置する「静止軌道衛星」など高度別、用途別にラインアップしており、パートナー企業と連携しながら実用化に向けた取り組みを推進しています。
NTN(非地上系ネットワーク)の関連記事
ソフトバンクのNTN構想
ソフトバンクは世界のどこからでもインターネット接続を実現するために、宇宙空間や成層圏から通信ネットワークを提供する非地上系ネットワーク「NTN(Non-Terrestrial Network)」ソリューションの日本およびグローバルでの展開を推進しています。
(掲載日:2021年11月19日、更新日:2022年8月5日)
文:ソフトバンクニュース編集部