静岡県では、持続可能な地域交通の実現を目指し、新たな移動手段として自動運転車両の活用を検討するための実証実験事業「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」が進められています。その一環として、昨年より静岡県と掛川市は、東急株式会社、ソフトバンク株式会社などと協力し、スタンドアローン方式の5G商用ネットワーク(以下「5G SA」)による映像伝送を活用した遠隔監視型自動運転バス「かけがわチャ(茶)レンジ号」の走行試験を実施しています。
2022年12月5〜11日の期間、遠隔監視型自動運転バスの走行試験に加え、「かけがわチャ(茶)レンジ号」の発着地点に、顔認証や人流解析を行うAIカメラ、熱中症指数計などを搭載したIoTバス停「見守るバス停」が設置され、システムの実用化に向けた実証実験が行われました。
収集データを活用し、市民を見守る基盤に
今回の実証実験では、東急株式会社が自動運転車両や遠隔監視システムの提供、運行管理などを行い、ソフトバンク株式会社がLINEを活用したバスの予約システムの提供や顔認証および人流解析機能などを搭載した見守るバス停の開発を行いました。また、自動運転バスと遠隔監視を行うコントロールセンター間、見守るバス停とデータを収集・分析するクラウド間の映像伝送に5G SAが活用されました。
見守るバス停は、掛川駅北口と掛川城三の丸広場に設置されました。モニター参加者は、事前にLINEのバス予約システムから顔写真を登録後、バスの予約を行います。見守るバス停に取り付けられたAIカメラに顔を向けることで、登録された顔写真データと本人との照合がクラウド上で行われ、認証結果がLINEで通知され乗車できる仕組みです。将来的にはキャッシュレス決済などとの連携も視野に入れ、乗降時の利便性向上を目指します。
見守るバス停は他にも、バス停周辺の人流解析や熱中症指数などのデータを取得することが可能です。今後は、データ分析による観光シーズンの混雑緩和や熱中症予防策の立案、防犯や子どもたちの見守りなど安全安心なまちづくりに生かしていくことが想定されています。
静岡県では2024年度の自動運転移動サービスの実現を目指した取り組みを進めていく予定です。
関連プレスリリース
- 5G SAによる映像伝送を活用した遠隔型自動運転の実証実験を掛川市で実施(2021年11月9日、静岡県、掛川市、ソフトバンク株式会社)
(掲載日:2022年12月15日)
文:ソフトバンクニュース編集部