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希少な金属資源をリサイクルしよう。携帯電話の分解体験から考えるSDGs

携帯電話の分解体験で知る希少金属のリサイクル。親子で楽しくSDGsを考える

皆さんは都市鉱山という言葉を聞いたことがありますか?携帯電話の分解体験を通して、希少金属を資源として再利用するリサイクルの大切さを知るイベント「楽しく笑って学ぶ~SDGsって何だろう?」が行われました。

身近なものから、つくる責任 つかう責任を考える

2021年12月4日(土)、千葉県船橋市教育委員会:東部地区5公民館合同講座「楽しく笑って学ぶ~SDGsってなんだろう?~」が開催され、ソフトバンク株式会社の環境教育プログラム「りさ育るケータイ分解教室」と吉本興業所属で大学の先生芸人の黒ラブ教授による講演「SDGsって何?都市鉱山・笑いライブ ~ガラケー分解するぜ~」に地元の小学生と保護者32組が参加しました。

芸人でありながら国立科学博物館認定サイエンスコミュニケーターでもある黒ラブ教授は、SDGsの概要や、この日体験する携帯電話の分解に関係するSDGsの目標「つくる責任 つかう責任」などについて、クイズやお笑いを交えながら講演。「SDGsは、地球をよくするために世界が決めた、2030年までに目指すべき目標のこと。2030年にどんな世の中になってほしいと思う?」と呼びかけ、身の回りにある食品ロスやフェアトレード、プラスチックゴミ問題、森林伐採、スマホなどの機械から出る電子廃棄物のリサイクルなど、地球環境にまつわる課題について解説しました。

身近なものから、つくる責任つかう責任を考える

黒ラブ教授は、携帯電話やパソコン、ゲーム機など、生活の中で使われなくなって蓄積されている機械の中にある金などの金属資源のことを「都市鉱山」と呼んでいると解説。大きく地面がえぐれた金鉱山の写真を示し、「いままで地球上で人類が採掘してきた金の総量は公式競技用プールの約3.8杯分。そして、あと約1杯分しか残っていません」と説明すると、会場からは「えーっ」という不安そうな驚きの声が聞こえました。

「金鉱山を1トン掘ると金が3グラム採れる。めっちゃ少ない!でも、都会で捨てられた機械の山1トンからは金が150グラム採れる。こっちのほうが効率がいいということで、都市鉱山が注目されているのです」

身近なものから、つくる責任つかう責任を考える

黒ラブ教授は、金には柔らかくて加工しやすい、錆びない、長持ちするといった利点があり、携帯電話の中の「基板」に使われていることや、携帯電話には金以外にもさまざまな希少な金属が使われていることを紹介。

そして、使用済みの機械からこれらの金属を資源として安全にリサイクルするためには、捨てる時にも注意が必要だと説明。リサイクルの環境や技術が整っていない海外に輸出され、不適切な方法で金属の取り出しが行われると、有害物質による環境や健康への被害が懸念されると指摘し、「皆さん、地球のためにも正しくリサイクルしましょう」と呼びかけました。

分解体験を通して身近な機械の中にある希少資源の存在を実感

分解体験を通して身近な機械の中にある希少資源の存在を実感

「皆さんの身近にある携帯電話の中にはレアメタルと呼ばれる希少な金属が入っています。これを手に入れるために、森林を切り開いたり、山を掘り起こさないといけないこともあります。できたら自然を壊さないで、使えるものは再利用したいですよね。今日は携帯電話の分解を通して、リサイクルの一部を体験していただきます。中がどのようなものでできているのかを見てみましょう」

分解体験を通して身近な機械の中にある希少資源の存在を実感

主催者から講座の目的が伝えられ、参加者は折り畳み式の携帯電話の分解を開始。安全のために軍手とゴーグルをつけ、まず裏ブタを開け、ドライバーを使ってネジやカメラレンズカバーをはずします。続いて大きな工具を使って裏カバー全体をはずし、折り曲げ部分のコネクターなどを順番にはずしていきます。力のいる作業は大人が担当。

シールドと呼ばれる基板の保護や干渉を防ぐための部品をはずし、CPUやICチップが並んだ板状の部品「基板」が表れると、「すごいねー!」という歓声が会場のあちこちであがりました。

分解体験を通して身近な機械の中にある希少資源の存在を実感
分解体験を通して身近な機械の中にある希少資源の存在を実感

「CPUはヒトの頭脳にあたるものです。通話やメールをしたり、インターネットを使ったり、写真を撮ったり、すべての動作で働く部品です。基板で金色に光っている部分の多くは金です。ICチップ内部にも金は使われています。伝導性が高く、柔軟で加工がしやすいため、電子機器内部の重要な部分で使用されます。ほかにもベリリウム、タンタル、ガリウム、ストロンチウムなども使われています」

分解体験を通して身近な機械の中にある希少資源の存在を実感

参加者は説明を聞きながら手元の資料と照らし合わせ、CPU、通信のICチップ、カメラモジュール、マイクなどの部品を確認。

学校でSDGsを勉強しているという小学4年生の男の子は、1年生の弟と両親と一緒に参加。「今日は僕が参加を希望しました。携帯電話を分解して、知らなかったことを知ることができて楽しかったです。講演を聴いて、SDGsへの理解も深まりました」とコメント。小学4年生の女の子は、「すごかった。マイクロチップのような細かい部品がたくさんあってすごい」と目を輝かせていました。

イベントを主催した公民館の館長は、「今回、SDGsの12番目の目標『つくる責任 つかう責任』という身近なテーマを取り上げました。今日のお話や体験を皆さんの日々の生活に生かしてください」と呼びかけました。

ソフトバンクはリサイクルを通じた環境・社会への貢献に取り組んでいます

ソフトバンクが自治体などとの協働で開催する「りさ育る」は、2018年度の開始以来500名以上が参加し、携帯事業者らしい環境教育プログラムとして評価いただいています。都市鉱山と呼ばれる、貴重な使用済み携帯電話の回収は事業者の責務であり、ソフトバンクショップ、ワイモバイルショップでの回収促進の他、啓発活動を通して循環型社会の推進に貢献していきます。

 

ソフトバンクのSDGsへの取り組み

サステナビリティ

ソフトバンクは、すべてのモノ・情報・心がつながる持続可能な社会の実現に向け、企業活動や事業を通じて、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいきます。

(掲載日:2021年12月15日)
文:ソフトバンクニュース編集部