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デジタルシフトに全社で挑戦、テクノロジーを駆使して約4,500人月相当の業務時間を創出

デジタルシフトに全社で挑戦、テクノロジーを駆使して約4,500人月相当の業務時間を創出

通信事業者の枠を超え、新分野での事業を生み出し将来の成長につなげる「Beyond Carrier戦略」を掲げるソフトバンク。この成長戦略の加速を目指し、テクノロジーを活用して業務を効率化し、4,000人分の業務時間を創出する「デジタルワーカー4000プロジェクト」(以下「DW4000プロジェクト」)が、2019年から2022年にかけて行われました。

3年間で合計4,513FTE(=4,513人月=1カ月で処理できる仕事量×4,513人)相当の業務時間の創出と約241億円のコスト削減につながったこの業務構造改革について、推進役を担当した社員にプロジェクトを振り返ってもらいました。

  • FTE(Full-Time Equivalent)についてはこちらでも解説しています。

今回、話を聞いた人

今野哲(こんの・さとし)

ソフトバンク株式会社 法人事業統括
カスタマーサクセス本部 デジタルワーカー推進部
部長 今野哲(こんの・さとし)

DW4000プロジェクトの目的は真の「Smart & Fun!」の実現

現場の課題・不満を解消し、新しい事に取り組む時間を創出する

ソフトバンクは2019年4月から2022年3月にかけて「DW4000プロジェクト」と名付けた全社プロジェクトに取り組みました。
「DW4000プロジェクト」の目的は、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)と、AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などのテクノロジーの活用によって4,000人分相当の業務をデジタル化・効率化することで、スマートに楽しく仕事をし、よりクリエーティブでイノベーティブなことへ取り組める状態「Smart & Fun!」を実現すること。

プロジェクトによって創出された時間は、通信事業者の枠を超えた幅広い産業分野での新規事業の創出や、各業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)など、より付加価値の高い業務に充てることで、ソフトバンクが掲げる企業成長戦略「Beyond Carrier」の加速へとつながっています。

現場の課題・不満を解消し、新しい事に取り組む時間を創出する

全社ワンチームでのプロジェクト推進体制

プロジェクトの推進にあたっては、CEOである社長がプロジェクトオーナーとなり、プロジェクト全体の戦略・方針作成・効果測定などを行う中央体制と、事業部門ごとに施策推進をリードする推進チームを組成。全社が一致団結して取り組む体制が作られました。

全社ワンチームでのプロジェクト推進体制

事務局として推進にあたったデジタルワーカー推進部長の今野は、プロジェクトの達成には何よりも現場の社員の理解と協力が不可欠だったといいます。

今野

「DW4000プロジェクトを進めるにあたり、推進する主役はプロジェクトオーナーでもなく、中央体制のプロジェクト事務局でもなく、現場の社員でした。社員の協力無しでは目標達成は不可能です。そのため、プロジェクト発足当初は社長自らが部長層にプロジェクトの目的、会社の目指すべき姿などを伝え、自分事として推進してほしいと直接協力依頼をするなどプロジェクトの必要性の理解醸成を行いました。

また、中央体制・推進チームとしては社員が自発的に業務改善に着手できるように、BPR支援やRPAの開発環境整備、開発者育成研修、各部門の事例を共有するなどのサポートを行いました」

全社ワンチームでのプロジェクト推進体制

3,000以上の業務効率化施策を実行

BPRとデジタルツールの活用を中心に施策を積み上げ

「DW4000プロジェクト」では、RPAなどのITを駆使して業務効率化の実現や現場課題を解決する施策を実行。電子押印の導入や新卒採用選考におけるAI動画面接、基地局建設作業の効率化、契約の受け付け事務の自動化、カスタマーサポートサイトの改善などの他、各種業務において合計3,000以上の施策が実行されました。

日常業務を行いながらの見直しは、現場社員にとって負荷がかかるものではあったものの、各現場の一人ひとりの創意工夫と改革へのゆるぎない志によって推進され、多くの気づきがあったといいます。

今野

「4,000FTEという目標に向けて施策を固めるにあたり、上流工程として徹底的な業務の棚卸しを行い、そこから課題を明確化した上で業務を再設計し、打ち手を検討・実行するというBPRに取り組みました。これにより現場ではどの業務にどれくらいの工数がかかっており、またそこにどのような真の課題があるのかが見える化されました」

「BPR」と「デジタルツール」の活用を中心に施策を積み上げ

「組織全体で俯瞰的に、横ぐしで重要課題が見えるようになると、これまで課単位など自部門内では限界を感じていた、プロセスの大胆な見直しや、業務そのものの断捨離、プロセスをEnd to EndでとらまえてのRPAの導入やデジタルツールの活用余地など、さまざまなアイデアが生まれるようになりました」

「4000」は目標であり、目的ではない

3年間の取り組みの結果、目標の4,000FTEを上回る合計4,513FTE相当の業務時間を創出し、約241億円のコスト削減を達成。この業務効率化の取り組みについて、時間やコスト削減だけではない成果があったと今野は振り返ります。

プロジェクトで培った知見やデジタルツール活用の経験をお客さまへ

今野

「プロジェクト1年目は目標値の4,000FTEなんて本当にできるのか、という懐疑的な声もありましたが、現場社員の方々の真摯な取り組みのおかげで4,500FTEを上回る結果となり、無事にプロジェクトの完了宣言をすることが出来ました。現場からは作業効率の実感だけではなく、属人化の解消や手動オペレーションからの脱却などによる品質向上への効果があったといった声もありました。

4,000FTEという目標を達成し、プロジェクトは完了となりましたが、これが会社の最終目的、ゴールではありません。DW4000PJTは期限付きのプロジェクトであるため、優先課題から着手しました。つまり現場にはまだまだ解決すべき課題が残っています。ソフトバンクはこれからも業務構造改革を続けていきます。その一助になればと、ITリテラシー向上を目的にAI基礎eラーニングを策定、リリースし、AIへの正しい知識を身につけて業務への適用検討や事業提案が出できるように、約8,000人の社員がこれを受講しました。

お客さまからは『ソフトバンクだからこそ、4,000FTEができたのだろう』とお言葉を頂く事がありますが、効果の規模は関係なく、多くのお客さまが抱える現場の課題やDXを推進する立場での苦労などは共通する部分がたくさんあると思いますし、そこではわれわれの実体験、苦労話、ノウハウなどがお客さまのご支援につながると考えています。

ソフトバンクは、「DW4000プロジェクト」で培った知見や成果、デジタルツールの活用に関する経験とノウハウを生かして、さまざまな業界における法人のお客さまや自治体のDXおよび業務の効率化を支援していきます。

業務量の調査から業務プロセスの可視化、最適なソリューションの提案、運用計画・ルールの策定などの導入支援、ソリューションの運用代行・定着支援まで、さまざまなサポートを提供し、これからもお客さまのDXの実装に貢献していきます」

関連プレスリリース

AIやRPAの活用などにより約4,500人月相当の業務時間を創出、創出した時間で新規事業をさらに加速(2022年8月10日ソフトバンク株式会社)

スマートワークスタイルの推進

ソフトバンクは、ITを駆使しスマートに楽しく仕事をして、よりクリエーティブかつイノベーティブなことへ取り組める状態を目指すスマートワークスタイルを推進しています。

(掲載日:2022年10月31日)
文:ソフトバンクニュース編集部