「今のケータイで十分。スマホって何ができるのよ」
スマホへの買い替えを母に提案しても、返ってくるのはつれない返事。
しかーーーし! もうのんきなことを言っている余裕はないんです。
大手通信キャリア各社が「3Gサービス終了」を発表し、わが母の3G対応ソフトバンクのケータイは、2024年1月末で使えなくなることに…。どうする母よ!
そんな悩める私に舞い降りたのが、石垣島で開催された「デジタル体験バスツアー」の取材。母と同じシニア世代の皆さんが、スマホ片手に観光地を巡るらしい。
もしかすると “母のスマホ実装” へのヒントがあるかもしれない。
期待を胸に、南の島へ飛び立ちました。
目次
シニア世代がスマホに踏み切れない事情
60歳以上のシニア世代がスマホを利用しない理由の上位は、「必要性を感じない」「使い方が分からない」、それゆえ「トラブルに巻き込まれる不安」や、「今より高額になるのでは」と思っているよう。
確かに、昔ながらのケータイですら使い方に戸惑う母をみていると、スマホの利用はハードルが高いと感じてしまう…。
紙やプラスチックの保険証は廃止(予定)され、マイナンバーカードがメインとなり、キャッシュレス決済が拡大。シニア世代であれ、デジタル化・DXの波に乗らなくては生活しづらい時代が確実に近づいています。
もちろん4G対応のケータイに変えるという選択肢もあるけれど、子ども世代である私たちにとってLINEでコミュニケーションが取れないのは、ちょっとつらい。それゆえ、どうすれば母に「スマホを使ってみよう!」と思わせることができるのか…。
石垣島で開催!デジタル体験バスツアー
石垣島で開催された、シニア世代を対象とした「デジタル体験バスツアー」。その目的は、観光を楽しみながらスマホを体験するというもの。
バスツアー前日には、石垣市役所で「スマホの入門講座」が開催され、スマホアドバイザー 天野綾さんから、電源の入れ方、基本的な操作方法、そして当日使用するアプリの説明を聞いて、実際に使ってみます。
参加者がつまずいていると、つかさずスタッフがサポートに入るものの、「1人じゃできないわ」「明日には忘れちゃうね」という声も。
でも安心してください! 当日のバスツアーでは、スマホアドバイザー3名が同行するという万全の体制。分からないことを気軽に聞ける環境が整えられています。
ソフトバンクのスマホ教室をぜひご利用ください
スマホを試してみたい、使ってみたいお客さまは、ぜひお気軽にお近くのソフトバンクショップのスマホ教室をご利用ください。ソフトバンクのお客さまだけではなく、他社のお客さまも、ガラケーをご利用中でもご参加いただけます。
人気観光地をスマホと一緒に巡る
そして迎えたデジタル体験バスツアー当日。
新しく手にしたツールで、地元の観光地の魅力を再発見してもらいます。
午前9時、石垣市役所。ご夫婦や親子、友人同士と合計25名の参加者がにぎやかに集まってきました。すでに顔見知りになったこともあってか、朝一番から和やかなムードです。
企画担当者の案内を受けた後は、順次バスへ。
「なんか遠足みたいだね~」という参加者の声も聞こえてきて、今日一日への期待感が伝わってきます。
最初の目的地、絶景を眺められる「バンナ公園」へ出発です!
絶景を眺められる「バンナ公園」
市街地から車で約15分。バスで山道を登った先にある「バンナ公園」。
石垣島のほぼ中央に位置する標高230mのバンナ岳にある日本最南端の森林公園で、4カ所の展望台から海を見渡せます。また、園内は5つのゾーンに分かれており、森林散策・ふれあい子ども広場などのテーマが設定されて、300ヘクタール近い広大な敷地面積を誇っています。
バンナ公園内では、「エメラルドの海を見る展望台」で絶景を眺めたり、石垣島らしい亜熱帯の植物を観賞したりしましょう。
「それでは、周辺に咲く草花を『 Google レンズ 』で撮ってみてくださいね」とスマホアドバイザーの天野さん。被写体にピントを合わせて撮るだけで、植物の名前や説明を検索して教えてくれます。
使用アプリ: Google レンズ
カメラをかざして、写ったものを検索して調べてくれるアプリ。撮影済みの画像からも検索できます。画像やテキストを写して翻訳したり、画面上でテキストを選択するとコピーもできる優れもの。
11月だというのにハイビスカスが咲いており、フヨウの花やツルウメモドキの実も。カメラアプリは使い慣れている方が多く、周辺の花を積極的に撮影していました。
参加者の1人は「何もかもが新鮮です。これまでは地元でもあまり訪れることがなかったけど、また来たいと思う発見がたくさんありました」と感想を伝えてくれました。
絶景の高台に吹く心地良い風を受けながら、魅力あふれる石垣島の次の観光スポットへ。
国内屈指の景勝地「川平湾」
バスに揺られること約30分。続いての目的地は「川平湾(かびらわん)」です。
言わずと知れた石垣観光のマストスポットですが、市街地から離れているため、地元の方は美しさを知りつつも、機会がないと行かないのだとか。いざ、魅力再発見!
石垣島の北西部にある国内屈指の景勝地。潮の状態や日差しの具合によって、目に映る色が変わっていく幻想的な海は「カビラブルー」と形容され、国内外から多くの観光客が訪れています。
今いる場所を確認してみよう!
海を眺める前に東屋に集まり、ツアーを楽しむアプリを使っていきます。
使用アプリ: Google マップ、Yahoo!天気
「 Google マップ 」は現在地を確認するだけでなく、目的地までをナビゲーションしてくれたり、航空写真で景観を確認することが可能。「Yahoo!天気」を使うと、天気予報だけではなく、雨雲レーダーで最大15時間先までの雨雲の様子と降水量がわかります。
「お出かけ先で、今どこにいるかを把握したり、近くの施設もマップ上に表示されたりするので、買い物や散策などで役立ちますよ~」という天野さんの呼びかけに、参加者は「 Google マップ 」を開いて現在地を確認しています。
それと合わせて便利なのが「Yahoo!天気(雨雲レーダー)」です。周りで助け合いながら画面を開いて、現在地の天気や雨雲レーダーで調べていきます。当日は少し曇り空だったのですが、この後は雨が降らず晴れ間が広がると分かって一安心。
観光スポットをもっと知る!
そして、今まで以上に川平湾を堪能してもらうために、運営スタッフが作成したのがこちらのQRコードです。これをGoogle レンズ で読み取って、川平湾の案内ページを開いてもらいます。
使用アプリ:Google レンズ
Google レンズ では、カメラをかざして、目の前にあることを調べるだけではなく、QRコードを読み取り、リンク先を表示することが可能です。
今回のバスツアーでは巡る先々にQRコードを配置して、参加者自らスポット案内を確認できるよう仕掛けを用意しました。「この正方形は何となく見たことあるけど、それがQRコードだと初めて知った」という方もいて、デジタルへの手応えをつかんでいるようでした。
そして、QRコードを読み取る方法を習得した皆さんは、次のステップへ。キャッシュレス決済に挑戦です!
キャッシュレス決済を初体験
「このアプリがあれば、サイフを持ち歩かなくても簡単にお買い物ができますよ」と参加者に説明する天野さん。
使用アプリ: PayPay
現金を持ち歩かなくても、スマホひとつでカンタン・おトクに決済できます。アプリ内で連携している銀行口座やクレジットカードからチャージできるので、スマホだけで全て完結できます。
お土産屋が充実している川平湾周辺のサーターアンダギー屋さんで、いざ実践!
はじめは「できるかな…」と少し不安げな様子でしたが、これまでやってきた通りにQRコードを読み込んで…お会計金額をスマホに打ち込んで…決済ボタンをクリック。
「あれ?これで決済完了?」
スマホの中で簡単にお会計を済ませることができ、呆気に取られたご様子。
実際にPayPayを使ってみた川平さんは「ラクだね~。年を取ったら小銭を出すのも大変だからさ。計算する必要がなくていいね~」と、その便利さに舌を巻いていました。
自撮りってどうするの?
時間の経過と共に太陽が見え始め、白い砂浜にカビラブルーが映えて川平湾の美しさを引き出してくれます。そして、おのおので楽しんでもらうフリータイムに突入。
カメラアプリもだんだんと使い慣れてきて「そうだ。自撮りってどうやるの?」と好奇心旺盛な質問も。「画面の右下にある回転ボタンを押すだけですよ」と天野さんがレクチャーすると…
すぐにマスター! スマホのインカメラで記念撮影。全員で写真の中に収まることができましたよ。
最後に訪れたのは、サルまみれになれる人気スポットです!
かつての家並みを再現、動物とも戯れられる「石垣やいま村」
さあ続いては、楽しみにしていたランチタイム。国の登録有形文化財である「石垣やいま村」にやって来ました。石垣島西部の名蔵湾を一望する丘にあり、日本最南端かつ最西端のテーマパークです。
民家をそのまま移築した赤瓦の古民家は、当時の暮らしを垣間見ることができ、国の有形文化財に登録されています。水牛やカンムリワシが見られるほか、「リスザルの森」では、手のひらサイズの人懐っこいリスザルにエサをあげたり、戯れることができます。
使用アプリ: Google カメラ
Google カメラ では、ワンタッチで写真や動画を撮影できるだけではなく、ポートレートモード・夜景モード・動画モードなどの機能も使えます。
食事の1枚は旅の思い出。ここでは、少し高度なカメラの使い方も。
ポートレートモードを使うと背景をぼかした写真が撮れるので、普段と違う写真撮影に挑戦してもらいましょう。
食事を終えると村内の散策です。村内の人気エリア「リスザルの森」へ。年中暖かい亜熱帯の気候はリスザルにとって過ごしやすい環境のようで、約70頭のリスザルが暮らしています。
まるでモデルのようにポージングを決めるリスザルたちをパシャリ。
愛想のいい子たちばっかりで、エサやりをすると駆け寄ってきます。人懐っこすぎて、リスザルまみれになってしまう参加者も…、これはうらやましい!!
そして、約6時間のデジタル体験バスツアーが無事に終了しました。スマホの使い方を楽しんだだけではなく、地元の魅力にも改めて気づけたようです。
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上原さん親子
「これまではLINEくらいしか使えていなかったけど。使えるアプリの幅が広がりました。”カメラとレンズとフォトの違い”を知ることができましたし、丁寧にレクチャーを受けたことで『何となく』から『使える!』に変わりました」
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栗原さんご夫妻
「今回のツアーで20年ぶりのツーショットを撮ってもらいました。たくさん歩いて運動にもなったし、食事もおいしかったし、住んでいる島の美しさにも触れることができました。今後もいろんなアプリに挑戦してみたいです。また同じようなツアーがあったらぜひ参加したい」
新年の抱負は “母のスマホ実装”
2日間の日程で開催された「デジタル体験バスツアー」に同行してみると、決してシニア世代の皆さんが、スマホを敬遠している訳ではないと気付かされます。
私たちが思っている以上に、「使ってみたい」「試してみたい」と思っている方が多いのではないでしょうか。その一方で、スマホを使うきっかけがなかったり、「難しそう」「すぐ聞ける人がいない」というのがネックになっているように感じます。
そんな悩みは、きっとわが母も同じ。
離れて暮らしていると、母の疑問にいつも答えることが難しいし、分かりやすく説明しているつもりでも、伝わっていなかったり。そんな時、ソフトバンクショップやスマホ教室で気軽に聞ける場所があり、顔なじみのスマホアドバイザーがいれば、お互いの安心につながるはず。
何よりも今回一番感じたことは「スマホを楽しむこと」が最初の一歩だということ。まずは、一緒に散歩や買い物をして、私のスマホで母が実際に体験してみるきっかけをつくってみるのがいいかもしれない。3G対応のソフトバンクケータイが2024年1月末※で使えなくなってしまう、その前に…。
気の早い新年の抱負は、 “2023年中の母のスマホ実装”
これに決まりです!
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auは2022年3月末、NTTドコモは2026年3月末に3G回線をサービス終了予定
関連プレスリリース
- 3Gサービスを2024年1月31日に終了(2022年11月14日 ソフトバンク株式会社)
60歳以上のお客さまはお得に!
ソフトバンクでは、「スマホデビュープラン+」または「ケータイ4GBプラン」に加入された60歳以上のお客さまを対象に、通話し放題となる「音声定額オプション+」をお申し込みの場合、翌月から月額880円で利用できます。
(掲載日:2022年12月14日)
文:ナガハマヒロキ
撮影:内藤壮大(OKINAWA GRIT)
編集:遠藤美弥子(OKINAWA GRIT)、ソフトバンクニュース編集部