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将来フレイルにならないために。気を付けたい2つの生活習慣と、すぐに始められる予防法

将来フレイルにならないために。注意すべき2つの習慣と、すぐに始められる予防法

皆さんは、 “フレイル” という言葉を知っていますか? 加齢によって心身が老い衰えた状態である “フレイル” は、認知機能の低下やうつ病なども引き起こされやすいとされています。どういう人がフレイルになりやすいのか、そして予防方法を、フレイル対策の専門家である筑波大学の山田実教授に伺いました。

目次

話を聞いた人

山田 実(やまだ・みのる)さん

山田 実(やまだ・みのる)さん

神戸大学大学院医学系研究科にて学位取得後、2008年より京都大学大学院医学研究科助手、2010年同大学院助教、2014年筑波大学人間系准教授を経て、2019年同大学教授に就任。専門分野は老年学。日本老年療法学会副理事長、日本サルコペニア・フレイル学会理事、日本転倒予防学会理事、日本予防理学療法学会理事、日本老年医学会代議員、日本体力医学会評議委員など。

フレイルとは?

フレイルとは?

健康な状態と加齢による要介護状態の中間に位置する、加齢に伴って心や身体の活力が低下した状態。フレイルになると、身体的な問題だけでなく、認知機能の低下やうつ病といった精神・心理的問題も引き起こされやすいとされています。

特徴として挙げられるのは、疲れやすい、活動する気力がない、体重の減少、歩行速度や筋力の低下といった症状。QOL(Quality of Life)が低下するだけでなく、病気にかかりやすくなり入院の可能性が高まる、他の病気との合併症を引き起こすなど危険な兆候とされていますが、早期発見と適切な治療で予防することが可能と分かってきています。

将来フレイルの状態になりやすい2つの生活習慣

コロナ禍の状況において、将来的にフレイル状態になる危険度が高い人とは、具体的に今どのような生活スタイルを送っている人なのでしょうか?

「私たちはコロナ禍以降、フレイル状態になった高齢者の調査を続けてきましたが、2つの傾向が分かってきています。1つは、コロナを契機に『体を動かす活動が減った方』。もう1つは『交流が十分にできなくなった方』です。

コロナ禍前と比較すると、体を動かすこと、つまり歩数が激減してそれが約3年間続いている方は多く、その方々がその後フレイルの状態になりやすくなっています。

また、体を動かす活動が減った方々は、社会と交流する機会もものすごく減ってしまっていることが多く、体を動かす活動と、社会へ出ていく活動の両方が乏しくなってしまった方が、フレイルの状態へとなりやすいということが分かっています」

こんな傾向がある場合は気を付けよう

  • 体を動かす活動が減っている
  • 人との交流が減っている

すぐに始められるフレイル予防方法

コロナ禍が終わりに近づいてきている中、歩くだけではない、コロナ禍が明けたらすぐに始められる予防方法はありますか?

「何か楽しみを持って生活をしていただくというのが、非常に良いことだと思います。外に出ていかないと得られないことってありますよね」

具体的にはどのようなことがありますか?

「社会活動を軸に置くと、私たちにはいろいろな活動の仕方があると思います。仕事をするのも、もちろん良い社会活動になりますし、ボランティア活動に参加したり、地域の自治会や老人会に参加してみるのも大事です。それ以外にも、地域にはいろいろなカルチャー教室などもありますよね。そういうところにもぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

さらには、そういった堅苦しいものではなくても、行きつけの喫茶店や定食屋に通うのもありです。顔なじみができる良いきっかけになりますよ。そのようなところから少しずつ楽しみを見つけていただきたいなと思います」

すぐに始められるフレイル予防方法

「また、コロナ禍で調査をしていて多かったのが、『友人と外食に行けなくなって寂しい』『旅行に行けなくなって寂しい』という声です。日常の中ではちょっとしたご褒美に相当するのかなと思いますが、月に数回あった外食の楽しみや、年に1〜2回行っていた旅行が今できないという方がまだまだ多いので、やはりそのような楽しみをしっかりと取り戻して、アクティブに生活をしていただきたいですね」

体に良いだけじゃない。ウォーキングがもたらす副次効果

外に出ることで歩く機会も増えますね。ウォーキングでどのような変化がシニア層の方々に起こっているのでしょうか?

「ウォーキングを習慣化していくと、多くの方々は時間がだいたい決まっていくと思います。そうすると恐らく、ウォーキングをしていて会う人もだいたい決まってくる。徐々に顔なじみができてくるというのは十分に考えられますし、実際にそのような事例は何件も聞いています。ウォーキングを習慣化すると、このような副次効果も得やすいのではないかと思います」

山田教授、ありがとうございました。

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(掲載日:2023年3月9日)
文:ソフトバンクニュース編集部

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