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α世代の学習はどう変わる? Z世代の学び方から見るこれからの学習法

α世代の学習はどう変わる? Z世代の学び方から見るこれからの学習法

ミレニアルズ、Z世代に続く「α(アルファ)世代」。2010年以降に生まれ、現在、小学生から高校生の彼らは、生まれたときからデジタル機器が身近にあり、またGIGAスクール構想により、学校の教材や勉強にもパソコンやタブレット端末が使われるようになってきています。

そこで今回は、中高生の学習方法やトレンドを紹介しつつ、α世代の学習がこれからどのように変わるのかについて、若者のスマホ事情やライフスタイルに詳しいスタディプラス株式会社の島田豊さんに伺いました! 学習においてもデジタル化が進む中、スマホの取り入れ方やサポートの仕方に悩んでいる親御さんは、必見です。

島田 豊(しまだ・ゆたか)さん

スタディプラス株式会社 取締役

島田 豊(しまだ・ゆたか)さん

学習管理アプリ「Studyplus」を提供するスタディプラス株式会社の取締役および、若者の「いま」を研究するStudyplusトレンド研究所所長。オンラインゲーム企業やクラウドサービスを提供する企業で広報、新規事業開発、マーケティング、Webメディアの事業責任者などを歴任したのち現職。

親世代と何が違う? GIGAスクール時代の学習環境

親世代と何が違う? GIGAスクール時代の学習環境

コロナ禍以降に「GIGAスクール構想」(全国の児童・生徒1人に1台ずつコンピューターと高速ネットワークを整備する文部科学省の取り組み)が一気に進み、公立の小中学校ではほぼ100%、高校でも70%程度、デジタル端末が整備されました。そして、2022年度からは高校で「総合的な探究の時間」が新たにスタート。ただ単に暗記をするのではなく、どうすれば課題や問題を解決できるかを考えるような能力が求められ始めています。

こうした中、デジタル端末が普及していなかった親世代と比べて現在の学習環境はどのように変化しているのでしょうか。

島田さん

「今の子どもたちにとっては、授業、あるいは出欠連絡や宿題など学校とのやり取りといったシーンでデジタル端末を使用することが当たり前になりつつあります。

教育現場では、集団授業ではなく、それぞれの個性や進捗(しんちょく)に合わせた学習を提供する『個別最適化』を推進しようという話も頻繁に出ますね。教師は教壇に立って勉強を教えるのではなく、モチベーション維持のサポートやつまずいた箇所を一緒に考えるなど、コーチのような役割が求められているようです。これは学習塾などでも同様です。ICT教材や動画コンテンツを活用した、自立学習をメインとする塾も増えています」

島田さんによると、受験勉強や試験勉強のスタイルも変化しているそうです。

島田さん

「勉強にスマホを使う “スマ勉” をする子も増えていますね。とはいえ、完全にデジタルに移行したわけではないんですよ。勉強において今のデジタルの位置付けは、 “紙の教材の補助的な役割” 。今後もしばらくは、このすみ分けは続くと思われます。
単語やドリルのような反復学習などであればデジタルとの相性もいいですが、情報の一覧性や網羅性などが求められる場合には、やっぱり紙ならではの情報の見せ方が適している教材もあります。

家では紙の参考書でしっかり勉強し、移動中やスキマ時間にスマホやアプリを活用し、漢字や英単語を覚えるといった形で、紙とデジタルをうまく使い分けている子が多いようです」

このように、これまでとは学校教育や生活環境が大きく変わる中で、スマホやタブレット端末を使った、新しい自主学習の方法も登場し始めています。

スマホやタブレット端末学習が当たり前に。Z世代が実践する賢い活用法

学習支援アプリの一例。出典:「中高生とスマ勉 」(Studyplus

学習支援アプリの一例。出典:「中高生とスマ勉 」(Studyplus)

Z世代は、受験を乗り越えてきた、あるいは今その真っ最中の世代。普段から使い慣れているスマホやアプリを学習にもうまく活用しているそうです。具体的にどのような使い方をしているのか、島田さんに教えていただきました。

調べ物ツールや教材に

調べ物ツールや教材に

疑問があればスマホですぐに検索

昔は自主学習中に分からないところが出てきても、次の日、先生に質問するまで疑問が解消できないという場面がよくありましたよね。しかし今は、ネットですぐに調べ、つまずきをそのままにせず学習を先に進められるように。他にも、勉強方法や教材選びの参考にYouTubeやSNSで検索することもあるそうです。

授業動画で分からないところを “つまみ食い”

塾や通信教育などを手掛ける企業が配信している授業動画もありますが、無料で手軽に利用できるYouTube動画の人気が高いそう。テーマごとに詳しく解説してくれるコンテンツも多く、分からないところだけを “つまみ食い” できるうえ、再生速度を速めて視聴できる点が人気の理由の一つのようです。

島田さん

「学生たちは飽きのこない面白い授業動画や、簡潔にポイントをまとめた動画など自分の好みやニーズに合った動画を配信してくれる “お気に入りの配信者” を見つけて、勉強を楽しんでいるようですね」

学習系アプリでスキマ時間を有効活用

予習復習に使えるドリルや、英単語の暗記をサポートしてくれるもの、数学の解き方を教えてくれるものなど、さまざまな学習系アプリが登場しています。個人の習熟度に応じた問題が出題されたり、理解度を深めたい分野を重点的に勉強できたりと、学習内容を最適化しやすいのが特長。生成AIなどの新しい技術が加わることにより、学習アプリは年々進化しています。

島田さん

「学生たちは参考書で分からない箇所を補うために、学習アプリをうまく活用しています。また、移動時間やスキマ時間に効率よく学習するのが今の中高生の主流ですね」

学習の進捗管理やモチベーションの維持

学習の進捗管理やモチベーションの維持

学習記録をつける

スマホのToDoリスト機能や学習習慣化アプリを活用し、学習の記録・管理する人も多いそう。何をどれだけやったか、自分の頑張りが可視化されるので、モチベーションの維持にもつながります。

勉強アカウントで進捗をシェア

SNS上の勉強用アカウント(勉強垢)で、進捗や成果をシェアする様子が見受けられます。その他、勉強している自分の手元を「タイムラプス機能」で撮影して、その動画を投稿する例も見られます。

島田さん

「『あの子も勉強しているから自分も頑張らなきゃ』と、自身のやる気をかき立てているようですね。また、撮影中はスマホをいじることができないので、勉強に集中しやすい環境を作る目的で撮影している学生もいます」

島田さん

「Studyplusトレンド研究所の調査では、『Studyplus』を使用している中学生で4割弱、高校生・浪人生で5割弱が、『勉強の情報収集や発信を目的としたSNSアカウントの利用経験がある』という結果が出ています。これからさらに勉強垢の利用率が上がり、活用の幅も広がるのではないかと予想します」

勉強に集中するアイテムとして

勉強に集中するアイテムとして

スマホ制御アプリ

特に受験生の間で人気なのが、勉強以外の目的でスマホを使わないようにするアプリです。スマホを触らない時間が長いほどアプリ内の植物や生き物が成長する「育成ゲーム形式で楽しめるアプリ」や、自分のスマホの使用状況を数値やグラフで可視化できる「スクリーンタイム機能」などがよく活用されているそうです。

友達と通話やビデオ電話しながら一緒に勉強

スマホ制御アプリと同じような目的で、LINEやZoomで友だちと通話をしながら勉強する学生も増えています。通話している間はスマホで遊べないので、半ば強制的にスマホ断ちができます。

島田さん

「スマホやタブレット端末は、効率的な勉強やモチベーションアップに有効に使える反面、魅力的なコンテンツにすぐアクセスできるツールでもあります。Z世代は、『スマホをうまく勉強に使うこと』と『いかにスマホで勉強時間を削らないようにするか』という両方のバランスを取りながら学習に励んでいるようです」

小学生向けのICTツールも続々登場!

小学生向けのICTツールも続々登場!

最近は、小学生向けのICTツールも続々登場しています。例えば、鉛筆の動きを察知して、勉強を計測・分析してくれるICTツール。また、小学生向けの通信教育を手掛ける大手企業では、タブレット端末を中心に学ぶサービスを提供しています。通常のタブレット端末と異なり、他のコンテンツにはアクセスできないため、小学生でも集中して学ぶことができます。

スマホやタブレット端末による本格的な家庭学習はまだ始めていないという小学生でも、夏休みの自由研究などのタイミングで取り入れてみてはどうでしょうか? 自由研究がもっと楽しく、奥深い学びになるような活用アイデアを紹介します。 大人も一緒に楽しむことができ、おススメです。

過去記事紹介

α世代が本格的にスマホ学習をするのはもう少し先。「ChatGPT」も、どんどん勉強に活用

Z世代は新しいサービスを積極的に使って学習に取り入れるのですね。今後はこの学習スタイルが低年齢化していくのでしょうか?

島田さん

「おそらく、小学生のうちから授業や家庭学習でタブレット端末やパソコンを使う場面は増えていきますが、今回紹介した活用シーンの取り入れ方には個人差が出てくるのではないでしょうか。
『Studyplus』を例にすると、利用者が最も多いのは高校3年生で、受験勉強の準備として4月から8月にかけて増えてきます。もちろん、もっと早い段階から使い始める子もいます。ですが、ある程度の年齢にならないと自己制御スキルが身に付きづらいことや、小学校の低学年~中学年は、保護者や学校の先生と協力した学習習慣の定着化が基本だということを考慮すると、こうしたアプリやサービスをフル活用して学習する人は少数派だろうと考えられます」

AIを相手に学習する英会話アプリなど、生成AIを利用した学習系アプリも続々と登場していますね。そんな中、島田さんが注目している次世代の勉強スタイルとは何でしょうか?

島田さん

「今一番注目しているのは、『ChatGPT』を活用した勉強法です。認知状況を調べたところ、中学生で8割、高校生だと9割以上が『知っている』と回答しました。実際に使っている子はまだ少ないですが、これから増えると予想しています」

ビジネスマンの間でも、ブレーンストーミングや資料作成に活用する人が増えている「ChatGPT」。α世代・Z世代は、「ChatGPT」をどのように活用しているのでしょうか?

島田さん

「『ChatGPTを日常的に使っている』と答えた子にインタビューしたところ、微分積分など、数学の問題を解く、英文を添削してもらうといった活用法だけでなく、生徒会長に立候補する際の公約作成の相談相手として使う、社会課題について質問するために使うなど、議論相手として活用していることが分かりました。検索エンジンで調べるよりもまとまった回答が素早く返ってくるため、調べ物に使っている子も多いようです」

使い方次第でスマホは学習の強い味方に。集中を妨げない活用法を親子で考えよう

使い方次第でスマホは学習の強い味方に。集中を妨げない活用法を親子で考えよう

学習に便利な機能やアプリはたくさんあるものの、そもそも「自習が苦手」「勉強に集中できない」というお子さんにスマホを持たせることをためらう親御さんは多いかもしれません。そのようなご家庭で、スマホやタブレット端末を勉強にうまく使うためのコツや、保護者の関わり方について、島田さんに伺いました。

自習に集中するためには、スマホとの付き合い方を見直す

スマホが普及していない頃に比べ、全体的に集中力が落ちてきているのでしょうか?

島田さん

「私たち親世代も、本や漫画、ゲームなどが部屋にあると集中できなかったのと同じように、現代ではそこに加えてスマホがあります。スマホは好きなコンテンツにアクセスしやすく、便利なツールとしての側面もある一方で、その使いすぎが悩みの種にもなっているのではないでしょうか」

勉強に集中するためには、どのような対策が必要ですか?

島田さん

「基本的なことですが、お子さんとコミュニケーションを取りながら、『スマホの利用時間を抑える方法』を親子で一緒に考えると良いと思いますよ。スマホを触れるのはリビングだけにしたり、コンテンツを見る時間を制限したりするなど、家庭でルールを作るのがおススメです」

保護者の中には、勉強にスマホを活用することに抵抗がある方もいるかと思います。お子さんのスマホ利用を、どのような心構えで見守るといいでしょうか?

島田さん

「スマホにデフォルトで搭載されているタイマーやアラームの機能を使って勉強時間を区切ったり、先ほどご紹介したようなスマホ制御アプリを使ったりするなど、子どもたちもさまざまな工夫をしています。

勉強に集中できない理由は、一概にスマホだけとは限らないので『スマホを禁止する』というやり方はあまり現実的ではないかもしれません。お子さんが小さい場合は、将来、自分でスマホを管理できるようになるための準備として、今のうちからスマホとの付き合い方を徐々に身に付けることが必要だと思います」

子どもが自ら学習するためのサポートを

保護者は、お子さんの勉強へのスマホ利用に対して、どのようなサポートができるのでしょうか?

島田さん

「スマホに限らず、サポートの仕方としては大きく3つあります。まずはお子さんの学習目的を探究するためのサポートです。分かりやすい例でいうと志望校合格や成績アップなど、あるいはもっと大きな将来の目標といった、学習への目的意識や課題意識が高まると自発的に学ぶ姿勢ができます。次にPDCAを回すための学習記録をつける習慣を促すこと。進捗管理はもちろん、振り返りやモチベーション維持にもつながるためです。

そして3つ目は、自身がITリテラシーを高めること。学習ツールの種類や、SNSの有効的な使い方について理解を深めておくことが大切です。お子さんが小学校から中学校、高校へと学年が上がり、勉強への意欲を見せた時に、その年齢や習熟度に応じてより良いツールを選ぶためにも役立ちます」

ICTツールが登場したことによって、通信教育や学習系アプリなど、教材にどれだけお金をかけるかといった悩みも生まれそうですね。

島田さん

「どんな学習方法が子どもに合っているかによって、選択肢は変わってくると思います。塾で先生に教わるほうが合っている子もいれば、アプリで自主的に勉強して成績を伸ばす子もいます。塾もアプリも通信教育も… というように全てに課金するのではなく、子どもが集中しやすく、モチベーションが上がりやすいサービスを選んでいくのがいいのではないでしょうか」

「勉強は本来、苦しいことやつらいことではなく、自分の可能性を広げてくれるものです。学習ツールをうまく利用して、面白いと思えるような学習体験が習慣化し、社会人になっても自ら学び、成長し続ける人が増えていくと良いなと思っています」と話す島田さん。

新たな学習ツールや勉強方法が次々と生み出され、それを自分で選べるようになった今。学生だけでなく、大人も自分に合った勉強法を見つけ、取り入れてみてはいかがでしょうか。新たな気づきや面白い発見があるかもしれません。

(掲載日:2024年2月16日)
文:佐藤由衣
編集:エクスライト

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