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D&Iを「自分ごと化」し、主体的に推進する人を育む「D&I検定」をソフトバンクが導入

D&Iを「自分ごと化」し、主体的に推進する人を育む検定制度「D&I検定」をソフトバンクが導入

ソフトバンクは年齢、性別、国籍、障がいの有無などに関わらず、「誰もが活躍できる職場に」というダイバーシティの考え方のもとダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(以下「DE&I」)を推進しています。その取り組みの一つとして検定制度「D&I検定 3級」を導入。どのような検定なのか、検定を提供する株式会社JobRainbowの担当者にインタビューしました。

D&Iを自分ごと化して実践していくために

ソフトバンクは「誰もが活躍できる職場に」というダイバーシティの考え方のもとDE&Iを推進しています。人事の担当者はこう語ります。

ソフトバンク担当者

会社としてのDE&Iへの姿勢は社員に伝わってきたものの、漠然とした認識にとどまり、どこかひとごとだと思っている人が多いと感じており、もう一歩理解を深めたいと思っていました。また、社員から「ジェンダーについての知識や社会課題などを知る機会がもっと欲しい」「ダイバーシティに対する知識が少ない人が多い」といった声もあがっていました。 そんなときに「D&Iを自分ごと化し、主体的に推進する人を育む第一歩」としてリリースされた「D&I検定3級」を見つけました。

基礎知識から構造的な問題までを網羅

そうした背景から、ソフトバンクの社員がD&Iへの理解を促進できるよう、株式会社JobRainbowが提供する「D&I検定 3級」を導入しました。検定の目的や制作にかけた思いを、株式会社JobRainbowの担当者に話を聞きました。

星 賢人(ほし・けんと)さん

株式会社JobRainbow 代表取締役CEO

星 賢人(ほし・けんと)さん

2016年に株式会社JobRainbowを設立。これまでに上場企業を中心とし、500社以上のダイバーシティコンサルティングなどを実施。Forbes 30 Under 30 Asia / JAPAN 選出。NBC OUT PRIDE 30に日本人として初めて選出。米Gaingelsが選ぶ世界のLGBTQ+100人。

鈴木 美帆(すずき・みほ)さん

株式会社JobRainbow D&I検定事務局 共同開発責任者

鈴木 美帆(すずき・みほ)さん

2021年に株式会社JobRainbowに入社し、同年に企業のダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを評価する認定表彰制度 「D&I AWARD」を立ち上げ、D&Iアワード運営事務局事務局長を務める。2023年より「D&I検定」の開発に携わり、共同開発責任者を兼務。

「D&I検定」はどのような検定なのか教えてください

星さん 「一言で言うとD&Iを自分ごと化して主体的に推進する人を育んでいくという検定です。D&Iって、抽象的なものだと捉えられがちなのですが、それを体系的にかつ網羅的に学んでいただけるような新しい教育プログラムになっています」

どのようなことが学べるのでしょうか?

鈴木さん 「8月9日にリリースした3級の構成についてまずご紹介をすると、3つの教材で構成されています。1つ目が検定のオリジナルの映像教材。2つ目が復習用補助教材。3つ目に、理解を確認するテストという構成になっています。テストに合格すると認定書をお渡しする流れです。

映像教材では、そもそもD&Iとは何かというD&Iの基礎知識や、D&Iに取り組む意義、社会の構造的な差別、それらにビジネスの視点を入れてお話をしています。D&I検定では『D&I』をジェンダー、LGBTQ+、障がい、外国にルーツのある人、育児・介護と仕事の両立という5つのカテゴリで考えていて、実際の職場で起きる課題やマイノリティ当事者のライフヒストリーを盛り込んでいます」

基礎知識から構造的な問題までを網羅

1つの検定でそこまで幅広く学べるのはすごいですね。検定の目的は何なのでしょう?

鈴木さん 「まずはD&Iを自分ごと化してもらうということが第一の目的なのですが、自分ごと化して終わりではなく、D&Iについて体系的に学んでもらい、インクルージョンを実践していく『D&Iプレーヤー』を組織の中に増やしていきたいです。言葉だけで『D&Iが重要ですよ』と言っても、実際に理解して行動に移す流れを作るのは難しいのですが、一人一人の行動が変わっていくことによって視点の切り替えにもなります。

そうした『D&Iを学ぶ』社会の流れをつくっていくことをD&I検定のミッションとして掲げています」

星さん 「2016年に会社を立ち上げた当初、さまざまな企業でダイバーシティ推進室ができ始めており、企業担当者からお話を伺う機会が多くありました。すると、女性活躍推進だけ、障がい者雇用だけというように限定的な取り組みであることが多かったんです。ダイバーシティとは、個々のマイノリティや属性に関係なく会社が組織の中で活躍できる人を増やしていく取り組みだと思っているので、ダイバーシティが何かの属性と固定化されている点に課題を感じていました。その課題を解決するために、本質的なD&Iを広げていく検定を作りました」

受けることによってどのようなメリットがあるのですか?

鈴木さん 「人事やD&Iのご担当者にとっては、業務に必要な知識をカバーする範囲が広いことが課題です。しかし、このD&I検定を受けていただくことで、ジェンダーやLGBTQ+、障がいやマイクロアグレッション、アンコンシャスバイアスなども含めてD&Iについて網羅的かつ体系的に知識をつけていただき、部署内でもメンバーで共通認識を持っていただくことができます。

また、管理職層や、経営層が検定を受けてチームのマネジメントでD&Iへのコミットメントの重要性を理解していただいたことによって、社内制度の改善をスムーズに進められたという事例もあります。D&Iに取り組む意義を理解してもらうことによって会社全体にとってプラスに働くのです」

基礎知識から構造的な問題までを網羅

検定を制作する上で工夫した点はありますか?

鈴木さん 「制作には、多様なバックグラウンドの方に携わってもらうようにしました。映像教材のコンテンツにも含まれているライフヒストリーでは、実際のジェンダーやLGBTQ+、障がい、外国のルーツ、育児・介護と仕事の両立の当事者に登壇してもらい、実際の職場での課題を話してもらっています。著名人などではなく、実際に受講者に近い職場で働かれた経験のある方に登壇していただくことで、D&Iを身近に感じられるように意識しました。

映像教材の内容には、『社会の構造的な課題』を盛り込むようにしています。『この言葉は差別用語だから使ってはいけない』と表面的な知識だけお伝えするのではなく、なぜそれが差別につながるのか、その裏にはどのような社会のメカニズムがあるのかを理解していただき、納得感を持ってD&Iを学び行動に移していただけるように丁寧に内容を考えました」

星さん 「映像教材の内容も工夫しています。多くの講習では1人の講師が一方的に視聴者に話すことが多いのですが、それだと飽きてしまいます。このD&I検定は、MCを2人にし、それぞれの視点やエピソードも交えながら会話形式で話を進めていくスタイルにしました。

私自身も映像教材の中でMCとしてお話しました。MCの私たちも学んでいる、というように教え手と学び手が一体になるように意識しました。映像の中で私の『D&Iは、自分がまだ間違えてしまうところがある』という発言に対して受験者の方から『D&Iに取り組む上で完璧にしないといけないと思っていたので気持ちが軽くなった』という感想が寄せられ、制作時の工夫が学ぶことへの姿勢に良い影響を与えていることを実感しました」

基礎知識から構造的な問題までを網羅

映像教材内でMCを務める星さん

目的としてあげていた一人一人の意識改革が行われ始めているのですね。今後の展望はありますか?

星さん 「日本の企業がD&Iを理解しているという状態がスタンダードになっていく必要があると思っています。

また、現在は企業に向けて展開していますが、個人でも受験できるよう広げていきたいです。オンラインで受けることができるので場所を気にせず受けていただけますし、受検料がネックで受けることを諦めてしまう方たちには無料で学んでいただける機会を作っていきたいです。同時に、1・2級をリリースしてD&Iについての専門的な知識を持っている人をどんどん増やしていければと思っています」

D&Iの本質的な理解と自分ごと化を加速させる日本初の検定制度「D&I検定」

D&Iの本質的な理解と自分ごと化を加速させる日本初の検定制度「D&I検定」

D&Iに関して本質的な理解を深め、「自分ごと」として実践できる人を増やしていくことを目的に、株式会社JobRainbowが企業向けに運用を開始した検定。動画コンテンツを視聴後に、テストに合格した人には認定証が送られます。

D&I検定について
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ソフトバンク担当者

まずは、誰もが持っている無意識のバイアスに気付き、自分の行動を意識する人が1人でも 増えたらいいなと思います。そこから職場での同僚との対話、働く環境・体制の見直しなどを通し身近なところから本質的なDE&Iを体現する人材が増えることで、全社員が生き生きと働き続けられる、また自由な発想で意見を出し合い革新を生み出せる、そんな組織をつくっていけたらと思います。

(掲載日:2023年12月25日)
文:ソフトバンクニュース編集部

ソフトバンクのダイバーシティ推進への取り組み

ソフトバンクはダイバーシティを重要な経営課題と位置づけ、多様な人材が活躍できる企業風土実現のため積極的にダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。

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