プレスリリース(旧ソフトバンクBB) 2011年

「ICTを用いた『切れ目のない医療支援体制』の確立」で
第9回産学官連携功労者表彰、文部科学大臣賞を連名受賞

2011年9月16日
国立大学法人旭川医科大学
ソフトバンクBB株式会社

この度、第9回産学官連携功労者表彰において、国立大学法人旭川医科大学(北海道旭川市、以下、旭川医大)学長 吉田 晃敏と、ソフトバンクBB株式会社(本社:東京都港区、以下、ソフトバンクBB)社長 孫 正義は、ICT(Information and Communications Technology)を用いて「切れ目のない医療支援体制」を確立した功績が認められ、文部科学大臣賞を受賞いたしました。

本表彰は、大学、公的研究機関、企業等の産学官連携活動において、大きな成果を収め、また、先導的な取組を行う等、多大な貢献をした成功事例を表彰するものです。

旭川医科大学とソフトバンクBBは産学協同で検査映像等をリアルタイムに伝送できる遠隔医療ネットワーク構築技術を開発するとともに、携帯電話を「鍵」とする本人認証技術を活用した医療情報持ち運びシステムを開発・推進いたしました。本システムは「いつでも」、「どこでも」、高度な医療が受けられ且つ切れ目のない医療支援が行える社会づくりをビジョンに構築され、北海道内での利用が拡大し、離島・過疎地の医療格差の解消(医療の均てん化)に貢献しています。旭川医大遠隔医療センターを中心に医療機関をネットワークで結ぶ世界最大の遠隔医療支援体制の確立は、医師不足や医師の偏在化に伴う医療格差を解消する可能性によって、高く評価されています。

旭川医大の吉田 晃敏学長は、著書「格差なき医療」でも記しているように、医師不足や医師の偏在化に伴う地域間の医療格差を解消するため、ICTを活用して遠隔地の医療従事者及び患者を支援する遠隔医療を、インターネットが普及する以前の1994年から開始しました。また、1999年に国内唯一の遠隔医療センターを設立し、国内49医療機関、国外4医療機関で構成する世界最大の遠隔医療支援体制を確立しました。

ブロードバンド回線が整備されていない離島・過疎地に対しては、衛星回線とインターネット網を併用する衛星インターネットを用いて遠隔医療を実施してきました。しかしながら、衛星回線や遠隔医療システムは、セキュリティ面に大きな課題、すなわち、第三者による「なりすまし」やデータの盗聴を防止するための対策が必須でした。そこで、ソフトバンクBBは、独自に開発した携帯電話を利用した認証システム「SyncLock(シンクロック)」※1を提案し、利用者が所有する携帯電話を認証用の「鍵」とする本人認証技術を旭川医大の遠隔医療システムに融合させました。

この本人認証技術により、遠隔医療ネットワークは拡充し、医療情報の安全かつ効率的な管理が可能となり、旭川医大遠隔医療センターでは通院中から退院後(在宅療養中)まで、患者さんにとって「切れ目のない医療支援」が行える体制を確立することができました。また、同技術は、個人の健康・医療情報をインターネット上で自己管理するための旭川医大版Personal Health Record(PHR)システム「ウェルネットリンク」※2でも活用しており、地域住民のQOL(Quality of Life)向上や健康増進に貢献しています。

今後、「切れ目のない医療支援」を目指す旭川医大と、「モバイル通信から高速ネットワークまで」を有するソフトバンクグループは、遠隔医療の普及・推進や、ICTと医療を融合させた「新しい医療サービス」の実現に向けて連携を強化し、被災者や高齢者を含めた「国民が安心して生活できる社会づくり」を目指していきます。また、両者の取り組みは、同様な課題を抱える他の国々に対しても、有効となることが期待されます。

以上

[注]
  • ※1SyncLock
    偽造やコピーがされず、所有者本人との結びつきの強い携帯電話を本人認証の「鍵」としてパソコンなどの端末認証に利用するソフトバンクBB独自開発の認証基盤システム。
    「SyncLock」については、現在、ソフトバンクグループのソフトバンクテレコム株式会社が事業主幹としてサービスを提供しています。
  • ※2ウェルネットリンク
    旭川医大が開発したPHRシステム。インターネットに接続できるPCや携帯電話があれば、健康・医療に関する自分自身の情報を、どこからでも登録・閲覧することができる。さらに、自分の情報を、医師や保健師などに開示することで、健康づくりに役立つアドバイスを受けることもできる。
  • *SOFTBANKおよびソフトバンクの名称、ロゴは日本国およびその他の国におけるソフトバンク株式会社の登録商標または商標です。
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