事業等のリスク

当社グループの事業遂行にはさまざまなリスクを伴います。2018年11月12日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下の通りです。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうる全てのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、2018年11月12日現在において当社グループが判断したものです。

(1)経済情勢および市場環境の変化について

日本の人口は高齢化と少子化が進むなか減少に向かっており、国内の移動体通信市場およびブロードバンド市場は飽和状態に近づいています。また、近年日本の移動体通信市場においては、MVNOがシェアを拡大し、MNOとの競争が激化しています。さらに、多様な収益機会の創出と他社との差別化を目的として、MNOによる他の業種への参入が進展しています。

上記の市場環境に対応するため、当社グループは消費者の志向に合ったサービス・製品・販売方法を導入していますが、当社グループが料金プランや通話・データ通信の品質等の面で消費者の期待に沿えない場合、既存の契約者数を維持できる保証はありません。また、予期せぬ市場環境の変化によりコストが増大する、または想定しているコスト効率化が実現できない可能性があります。

当社グループは多様な収益機会を求めて新規の事業・製品・サービス等の開発および販売促進活動を実施することがありますが、想定した結果が得られない場合には、これらに対する投資に見合った収益を上げることができず、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、ソフトバンクグループ(株)が「群戦略」として運用する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の投資先との連携等、さまざまな新規の事業を検討していますが、これらの事業が当社グループの想定通り成長する保証はありません。

国内外における電気通信業界の再編や景気の悪化を始めとする市場環境の変化は、当社グループの事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、それらが消費者の消費能力および意欲を減退させることで、国内通信事業の契約者数やARPUが減少し、当社グループのコンシューマ事業の事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性や、ICT投資に対する企業の意欲を減退させ、当社グループの法人事業や、流通事業の事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、当業界においては、設立間もない企業による新興サービスがユーザーの支持を集め急速に広まることがあります。そのような場合、当社グループでは、ユーザーの意見や動向を適時適切に捉え、ユーザーの支持を集めることができる保証はなく、また、競争優位性を発揮するための新興サービスの開発に費用がかかり、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を与える可能性があります。

[注]
  • ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入

(2)技術・ビジネスモデルへの対応について

当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報産業を主な事業領域としています。例えば、第5世代移動通信システム(5G)を始めとする新たな技術やビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化に当社グループが適時かつ適切に対応できず、または迅速かつ効率的に設備を配備できないことにより、市場変化に適した優れたサービス、技術やビジネスモデルを創出または導入できない場合、当社グループのサービスが市場での競争力を失い、当社グループが維持・獲得できる契約数が抑制される、またはARPUが低下していく可能性があります。なお、新たな技術が想定通りの時間軸に沿って開発が進むこと、想定通りの効果を上げること、共通の基準や仕様が確立すること、および商用性を持つようになることについては、何らの保証もありません。

これらの事情は、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)他社との競合について

当社グループの競合他社(例えば、MNOやMVNOを含みますが、これらに限りません。)は、その資本力、サービス・商品、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、または顧客を維持・獲得できないことも考えられます。その結果として、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが競合他社に先駆けて導入した、または高い優位性を有するサービス、商品または販売手法に関して、競合他社がこれらと同等またはより優れたものを導入した場合のように、当社グループが講じた施策が期待した効果を上げることができない場合、当社グループの優位性が低下し、事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、他の業界からの通信業界への新規参入により当社グループの競争力および通信市場の収益性が低下し、その結果当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)通信ネットワークの増強について

当社グループは、競争力の維持および顧客基盤の維持・拡大を目的として通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていきますが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強(例えば、必要な周波数の確保を含みますが、これに限りません。)を適時に行えなかった場合、サービスの品質および信頼性や企業イメージの低下を招き顧客の維持・獲得に影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの通信サービスの提供はネットワークシステムのパフォーマンスおよび十分な周波数帯の確保に依存しています。将来において、必要な周波数帯を確保できなかった場合、競合他社と比べてサービスの品質が低下し、または計画通りにネットワークを拡大することができなくなり、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。

さらに、周波数帯の割当てにオークション制度が導入されたり、割当ての要件として一定の費用負担を行うことが求められるようになったりするなど、多額の資金拠出が必要になる可能性があり、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があるとともに、新規事業者の参入が容易になる可能性があります。

(5)他社経営資源への依存について

a. 他社設備などの利用

当社グループは、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。今後、何らかの事由により、当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられるなど利用契約が当社グループにとって不利な内容に変更された場合、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

b. 各種機器の調達

当社グループは、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や携帯電話基地局の無線機を含みますが、これらに限りません。)をApple Japan合同会社、シャープ(株)、ソニーモバイルコミュニケーションズ(株)、華為技術日本(株)、ノキアソリューションズ&ネットワークス(株)、エリクソン・ジャパン(株)等から調達しています。特定の会社への依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生し調達先や機器の切り替えが適時に多額のコストを要さずに行うことができない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、当社グループのサービスの提供に支障を来し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が減少する可能性があります。その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

c. 業務の委託

当社グループは、主に通信サービスに係る販売、顧客の維持・獲得、ネットワークの構築およびメンテナンス、ならびにそれらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しています。何らかの事由により業務委託先が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

また、業務委託先は当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、当該業務委託先の信頼性やイメージが低下した場合には、当社グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の維持・獲得に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、当社グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

d. 「Yahoo!」「LINEモバイル」ブランドの使用

当社グループは、「Y!mobile」や「Yahoo!ケータイ」、「Yahoo! BB」など、サービス名称の一部に米国のVerizon Communications Inc.の子会社が保有する「Yahoo!」ブランドを、ヤフー(株)を通じて提供を受け使用しています。

同様に、当社グループの子会社であるLINEモバイル(株)で展開する「LINEモバイル」のサービス名称に、LINE(株)が保有する「LINEモバイル」ブランドを使用しています。

これらの会社との関係に大きな変化が生じるなどしてこれらのブランドが使用できなくなった場合や、これらの会社の信頼性や企業イメージが低下した場合、当社グループの期待通りに事業を展開できなくなり、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)他社の買収、業務提携、合弁会社設立等について

当社グループは合弁企業の設立や子会社化を行うなど、他社の買収やその他の株式投資を行う可能性があります。

その他にも、当社グループの事業、財務、業績にとって戦略的に重要と思われる他の資産を買収する可能性があります。

当社グループの投資先会社が見込み通りの業績を上げることができない場合、当社グループが投資時の企業価値算定を過大に見積もっていた場合、または既存事業への新規事業の統合や統合後の内部管理体制の構築が奏功しない場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループが将来的な買収や投資のために資金を借り入れた場合、または買収した企業に未払いの負債があることが判明した場合、当社グループの債務負担が増加し、キャッシュフローを悪化させ、事業運営資金の不足に陥る可能性があります。これらのリスクの顕在化は当社グループの事業、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの業務提携先や合弁先と共同事業を行う場合には、当局の許認可が必要となったり、当該業務提携先や合弁先と共同事業の内容について合意できることが前提となります。また、当社グループの業務提携先や合弁先に対して当社グループが支配権を有するとは限らず、これらの会社が、当社グループの意向にかかわらず、事業戦略を大幅に変更する可能性があります。さらに、第三者割当や当社グループ以外の株主がコールオプションを行使したことにより当社グループの持株比率が低下したり、その経営成績や財政状態が大幅に悪化する可能性もあります。これらの場合、その業務提携、合弁事業などが期待通りの成果を生まない可能性や、継続が困難となる可能性があります。また、特定の第三者との業務提携や合弁事業などを実施したことにより、他の者との業務提携や合弁事業などが制約される可能性もあります。その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに将来的に当社グループにおいて事業の再編を行う可能性もありますが、この再編が当社グループに好影響を与える保証はありません。

(7)情報の流出および当社グループの提供する製品や
サービスの不適切な利用について

当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。当社グループ(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者によるサイバー攻撃、ハッキング、その他不正アクセスなどにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。

また、当社グループの提供する製品やサービスが不適切に使用された場合、携帯電話を使用した犯罪や携帯電話使用中の事故、コンテンツの過剰な利用による高額課金等の社会的問題を助長することとなる可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)人為的なミスなどによるサービスの中断・品質低下について

当社グループが提供する通信をはじめとする各種サービスにおいて、人為的なミス、設備・システム上の問題、または第三者によるサイバー攻撃、ハッキングその他不正アクセスなどが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)自然災害など予測困難な事情について

当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。地震・台風・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染などにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。これらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループ各社の本社を含む拠点は、首都圏に集中しています。大規模な地震など不可避の事態が首都圏で発生し、これらの拠点が機能不全に陥った場合、当社グループの事業の継続が困難になる可能性があります。

(10)資金調達およびリースについて

当社グループは、銀行借入や端末の割賦債権流動化等による資金調達を行っています。また、設備投資の実施にあたってはリースを活用しています。よって、金利が上昇した場合、または当社および子会社の信用力が低下した場合、これらの調達コストが増加し、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、金融市場の環境によっては、資金調達(銀行借入や端末の割賦債権流動化による借入を含みますが、これらに限りません。)やリース組成が当社グループの想定通り行えず、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの金融機関からの借入に際しては財務制限条項が付帯されています。主な内容は以下の通りです。

  • 連結会計年度末および第2四半期末において、当社グループの連結財政状態計算書における資本の額が、前年同期比75%を下回らないこと。
  • 事業年度末および第2四半期末において、当社の貸借対照表における純資産の額が、前年同期比75%を下回らないこと。
  • 連結会計年度において、当社グループの連結損益計算書における営業損益または純損益が2期連続損失とならないこと。
  • 事業年度において、当社の損益計算書における営業損益または当期純損益が2期連続損失とならないこと。
  • 連結会計年度末および第2四半期末において、当社グループのネットレバレッジ・レシオ(a)が一定の数値を上回らないこと。
    1. (a)
      ネットレバレッジ・レシオ=ネットデット(b)÷調整後EBITDA(c)
    2. (b)
      当社グループの連結財政状態計算書に示される有利子負債から現金及び現金同等物に一定の調整を加えたものを控除した額。なお、ここでいう有利子負債には資産流動化(証券化)の手法による資金調達取引から生じた有利子負債を含めないなど一定の調整あり。
    3. (c)
      EBITDAに金融機関との契約で定められた一定の調整を加えたもの。

これを遵守することができない場合、当社グループは期限の利益を失い、借入金の一部または全額の返済を求められ、または新規借入が制限される可能性があります。

(11)法令・規制・制度などについて

当社グループは、電気通信事業法や電波法などの事業固有の法令はもとより、企業活動に関わる各種法令・規制・制度(環境、公正な競争、消費者保護、個人情報・プライバシー保護、贈収賄禁止、労務、知的財産権、租税、為替、輸出入に関するものを含みますが、これらに限りません。)の規制を受けています。また、電気通信事業を営むために必要な許認可等の多くには、さまざまな条件が付されることがあり、その遵守が求められます。

当社グループ(役職員を含みます。)がこれらの法令・規制・制度などに違反する行為を行った場合、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導(登録・免許の取消や罰金を含みますが、これらに限りません。)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、事業展開に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、2018年11月12日現在において、これらの免許および登録の取消事由および更新拒否事由は存在していません。

また、将来、当社グループの事業に不利な影響を与え得る法令・規制・制度の導入や改革が実施される可能性があります。当社グループの展開する移動通信事業は、無線周波数の割当てを政府機関より受けており、政府の意向による直接的・間接的な影響を受けやすい事業です。今後、当社グループの事業に不利な影響を与え得る法令・規制・制度が導入されるかどうか、及び、その導入による当社事業への影響を正確に予測することは困難ですが、仮に導入された場合には、これらの法令・規制・制度などの制定、改正または解釈・適用の変更等により、当社グループが顧客に提供できる商品・サービスおよび料金プラン等が実質的な制約を受け、収入の減少や金銭的負担の発生・増加により、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)会計制度・税制の変更などについて

会計基準や税制が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(13)電波の健康への影響に関する規制について

携帯端末および携帯電話基地局が発する電波は、がんの発症率を高めるなどの健康上の悪影響を引き起こす可能性があるとの研究結果が一部で出ています。その電波の強さについては、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)がガイドラインを定めています。世界保健機関(WHO)は、ICNIRPのガイドラインの基準値を超えない強さの電波であれば健康上の悪影響を引き起こすという説得力のある証拠はないとの見解を示しており、本ガイドラインの採用を各国に推奨しています。

当社グループは、ICNIRPのガイドラインに基づく電波防護指針にしたがっています。ただし、引き続きWHOなどで研究や調査が行われており、その調査結果によっては、将来、規制が変更されたり、新たな規制が導入されたりする可能性があり、かかる変更や導入に対応するためのコストの発生や当社グループの事業運営に対する制約などにより、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、こうした規制の有無にかかわらず、携帯端末の利用に伴う健康への悪影響に関する懸念は、当社グループの顧客の維持・獲得、顧客のネットワーク利用量および移動通信事業業界の資金調達に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)知的財産権について

当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求を受ける可能性があります。その結果、商品・サービスおよび事業上の慣行について変更を余儀なくされ、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、ソフトバンクグループ(株)が保有している「ソフトバンク」ブランドなどの知的財産権が第三者により侵害され、当社グループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があります。

(15)訴訟等について

当社グループは、顧客、取引先、株主(子会社・関連会社・投資先の株主を含みます。)、従業員を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされ、または行政機関による調査等の対象となる可能性があります。その結果、当社グループの企業イメージが低下する可能性があるほか、金銭を含む経営資源に係る負担の発生等により、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(16)行政処分等について

当社グループは、行政機関から行政処分や行政指導を受ける可能性があります。こうした処分や指導を受けた場合、当社グループの企業イメージが低下する可能性があるほか、金銭を含む経営資源に係る負担の発生等により、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(17)経営陣について

当社グループの重要な経営陣に不測の事態が発生した場合、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があります。

(18)人材の確保・育成について

当社グループは、技術革新に即応すべく全社をあげて人材育成に注力していますが、期待通りの効果が出るまで一定の期間を要することがあります。また、将来的に人材投資コストが増加する可能性があります。
さらに、事業運営に必要な技術者等の人材を予定通り確保できない場合、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(19)親会社との関係について

a. 親会社が株主総会の決議事項に関する支配権
または重大な影響力を有することについて

当社の親会社であるソフトバンクグループ(株)は、当社発行済株式総数の63.14%以上をソフトバンクグループジャパン(株)を介して実質保有する見込みです。したがって、ソフトバンクグループ(株)は、株主総会の特別決議を要する事項(例えば、吸収合併、事業譲渡、定款変更等を含みますが、これらに限りません。)に関する重大な影響力を有するとともに、株主総会の普通決議を必要とする事項(例えば、取締役の選解任、剰余金の処分や配当等を含みますが、これらに限りません。)に関する決定権および拒否権を有することになります。したがって、株主総会の承認を必要とする事項に関し、ソフトバンクグループ(株)が影響を及ぼす可能性があります。なお、事前承認事項等はありません。

また、ソフトバンクグループ(株)との良好な関係は当社グループの事業の核であり、何らかの理由により関係が現実に悪化した場合または悪化したと受け取られた場合には、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社とソフトバンクグループ(株)との間の主な関係等についての詳細は、下記「b. 役員の兼任について」から「f. ソフトバンクグループとの取引関係について」に記載の通りです。

b. 役員の兼任について

当社の取締役のうち、孫 正義氏、宮内 謙氏、川邊 健太郎氏の3名がソフトバンクグループ(株)およびその主要な子会社の役員を兼任しています。孫氏は、親会社であるソフトバンクグループ(株)の代表取締役会長兼社長、ヤフー(株)の取締役を兼任しています。これは、孫氏がソフトバンクグループおよびヤフー(株)を率いてきた豊富な実績と経験が、当社取締役会の機能強化に資すると考えているためです。宮内氏は、ソフトバンクグループ(株)の取締役、ヤフー(株)の取締役を兼任しており、これは、当社の既存事業および新規事業と親和性が高いこれらの会社における知見を当社の経営に活かすことを目的としています。川邊氏は、ヤフー(株)の代表取締役社長を兼任しており、当社が同社との事業上のシナジーを追求するうえで、同氏の知見と同社における指導力を当社の経営に生かすことを目的としています。

また、当社の監査役のうち、君和田 和子氏はソフトバンクグループ(株)の常務執行役員を兼任しています。これは当社の監査体制強化を目的とするものです。

c. 従業員の出向および兼任について

ソフトバンクグループでは、業務の効率性、事業上の必要性、人材育成および各職員の将来像を踏まえたキャリアパス形成の観点から、積極的なグループ内での人材交流が行われており、当社においてもソフトバンクグループ(株)を含めたグループ内他社から出向社員を受け入れています。2018年10月1日時点でソフトバンクグループ内の他社から当社へ出向している社員は、約240名、当社からソフトバンクグループ内の他社へ出向している社員は約640名います。

なお、この場合でも業務分掌を受けた組織体の責任者であるライン長(各組織体における組織長)以上の人事については、親会社からの独立性および経営の安定性の観点から、出向関係を解消し転籍した者としており、今後も、継続的に出向関係のモニタリングを行い、出向期間は当社主導で決定できるようにする方針です。また、受入出向の社員について、昇格にてライン長以上になる場合には、出向関係を解消することとします。当社からソフトバンクグループ内の他社への出向については、当社の事業上必要と判断するもののみ実施しており、その範囲において、今後も継続する方針です。

d. ブランド使用料およびその他知的財産の利用について

当社は、2017年度まで、親会社であるソフトバンクグループ(株)に対し、各会計年度における一定の算定基準に基づき、「ソフトバンク」ブランドのブランド使用料を支払っていました。(金額は「f. ソフトバンクグループとの取引関係について」をご参照ください。)

ただし、2018年3月に、当社はソフトバンクグループ(株)との間で、ライセンス料一括支払いにより、同年3月31日から原則無期限のブランド使用権および再許諾権が付与される旨の契約を締結しました。当該契約に基づき、当社は、社名、社標、商標およびドメインネームとして「ソフトバンク」ブランドを使用(移動体通信における通信サービスおよび携帯電話端末などに関する商標使用は専用的使用)することができ、また当社の子会社に対して当該使用を再許諾(サブライセンス)することができます。

しかし、当社が第三者に対して株式を発行すること等、当社の意思決定に基づきソフトバンクグループ(株)の当社に対する議決権比率が50%以下となる事由が生じた場合などには、ソフトバンクグループ(株)は、当該契約を解約することができます。これにより当社は「ソフトバンク」ブランドの使用および再許諾を継続できなくなり、関連して資産計上している商標利用権の減損損失が発生する可能性があります。

e. ソフトバンクグループ内の他社との競合について

現在当社グループの方針決定および事業展開の決定については、当社グループ独自に決定しており、また、ソフトバンクグループ内の他社との競合関係はありません。しかし、ソフトバンクグループ(株)およびその子会社は世界中でさまざまな事業の運営に関わっており、また、新たな事業や投資の検討を日々行っていることから、今後、当社グループは投資機会の追求にあたりグループ内他社と競合する可能性があります。当社グループとしては、それらの会社との連携を検討するなどの対応を行っていきますが、当社グループの事業に何らかの影響を及ぼす可能性があります。

f. ソフトバンクグループとの取引関係について

当社グループは、ソフトバンクグループ内の各社と取引を行っています。2018年3月31日に終了した1年間における主な取引は次の通りです。親会社からの独立性および経営の安定性の観点から、資金借入取引等については、2019年3月期において取引を解消しています。

なお、2018年4月1日以降当社グループに加わった子会社および関連会社は下記表内の取引金額に含まれていません。

取引の内容 取引先 取引金額
(百万円)
取引条件等の決定方法
利息の支払※2 ソフトバンクグループ(株) 13,198 資金借入の利率は、市場金利を勘案して合理的に決定しています。なお、同取引は2018年9月に解消しています。
ブランド使用料の支払 ソフトバンクグループ(株) 43,700 ブランド使用料の支払については、当社および子会社の売上総利益の一定割合によっており、その料率は協議の上、合理的に決定しています。なお、同取引は2018年3月に解消しています。
賃借料の支払 ソフトバンクグループ(株) 12,958 賃借料は、近隣相場等を参考にして同等の価格によっています。なお、同取引は2018年8月に解消しています。
物販等売上 Brightstar Corp. 21,043 市場での取引価格を勘案し、交渉の上決定しています。
[注]
  1. ※1
    ソフトバンクグループ(株)の金融機関等からの借入金等に対して債務保証を行っており、2018年3月31日現在の保証残高は、6,405,175百万円でしたが、同取引は、上場承認日から10営業日後(2018年11月27日)までに解消されます。
  2. ※2
    ソフトバンクグループ(株)から借入を行っており、2018年3月31日現在の借入残高は1,392,714百万円でしたが、同貸借取引は2018年9月に解消しています。
  3. ※3
    2017年5月15日付で、当社は、ソフトバンクグループ(株)よりSB C&Sホールディングス合同会社(現SB C&Sホールディングス(株))の持分の100%を106,692百万円の現金により取得しました。
  4. ※4
    2018年3月31日付で、当社はソフトバンクグループ(株)の100%子会社であるソフトバンクグループジャパン(株)よりWireless City Planning(株)の株式の32.2%を316,469百万円相当の507,976千株の当社の新株発行により取得しました。
  5. ※5
    当社はソフトバンクグループ(株)と期限のないライセンス契約を締結し、2018年3月31日付で、350,000百万円(取引コスト除く)を支払うことで「ソフトバンク」の商標を使用する権利を取得しました。取得価格については、独立した第三者機関により算定された価格を基礎として協議の上、合理的に決定しています。

当社グループの独立性の観点を踏まえ、関連当事者との取引については、当該取引の事業上の必要性と取引条件の妥当性等取引内容について審議し、社内規程に定められた承認を得ることとし、取引の健全性および適正性を確保する体制を築いています。

(20)減損損失について

当社グループは、事業を遂行する過程で、資金をさまざまな資産に投資します。その結果、例えば、通信ネットワークの構築に必要な無線設備、交換機、鉄塔、アンテナ、その他ネットワーク機器、建物、備品などの有形固定資産や、ソフトウエア、商標利用権、周波数移行費用、のれんなどの無形資産、他社との業務提携や合弁会社設立にあたり出資した関連会社株式等の金融資産を含む資産を保有しています。

これらの資産につき、IFRSに基づき、適切に減損の判定を実施していますが、その結果、投資金額を回収するのに十分な将来の経済的便益が見込めないと判断した場合には、減損損失が発生し、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を与える可能性があります。当該判断には当社グループによる見積りの要素が大きく、また減損損失の発生時期および金額を正確に予測することはできません。

(21)流通事業について

当社グループの流通事業は、IT流通市場に関連する以下のようなリスクを負っています。
流通事業は、取扱い商品を販売業者や製造業者からの供給に依存しており、これらの業者による供給がなんらかの理由により停止または制限された場合、商品不足に陥り営業活動に支障が生じる可能性があります。また、急速な技術の進歩または顧客志向の変化に速やかに対応できなかった場合、販売機会を失ったり、保有在庫の処分損が発生する可能性があります。さらに、販売先や仕入先の経営状態が悪化した場合に、当該販売先に対する営業債権の貸倒損失や、当該仕入先から仕入れた在庫に係る処分損が発生する可能性があります。加えて、コンシューマ事業および法人事業と関連する部分があり、したがって、それらの事業に係るリスクを間接的に負っています。その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(22)内部統制について

当社グループは財務報告に係る内部統制を構築していますが、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものです。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止または発見することができない可能性があります。当社グループが適正な財務報告に係る内部統制を維持できなかった場合、適時適切な財務報告の実施ができず、当社の財務報告に対する投資家の信頼性が低下し、当社の株式価格に影響を及ぼす可能性があります。