トップメッセージ
持続可能な
社会の実現に向けて
「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、持続可能な社会の実現と企業価値の向上の両立を目指すことを重要な経営テーマと捉えています。
当社は、AIインフラやAIサービスの提供を中核として、AIとの共存社会を支える次世代社会インフラを提供する企業への進化を目指しています。2026年5月には、新たな成長戦略および中期経営計画を発表しました。成長戦略「Activate AI for Society」を掲げ、全事業領域においてAIの可能性を起動し、社会実装を推進していきます。基盤となる通信事業の持続的な成長を図りつつ、AIインフラやAIサービスの収益化を進めるとともに、ファイナンスやメディア・ECなどの伸長や、AXやGXといった新たな取り組みの推進を通して、企業価値の最大化を目指します。
今回の成長戦略および中期経営計画の策定にあわせて、マテリアリティ(重要課題)を、AIの急速な進化をはじめとする社会環境の変化などを踏まえたものに改訂しました。改訂したマテリアリティは、当社の経営理念と成長戦略「Activate AI for Society」をつなぐものと位置付けています。
AI共存社会を支える
次世代社会インフラの構築
当社は、AI共存社会を支える次世代社会インフラの実現に向けて、苫小牧(北海道)や堺(大阪府)でAIデータセンターの構築を進めるとともに、モバイルネットワークとAIを融合した「AI-RAN」の開発・展開や、量子コンピューターとスーパーコンピューターの連携利用など、さまざまな技術の開発・実装に取り組んでいます。さらに、国産生成AIや「クリスタル・インテリジェンス」などの開発・展開を進めることに加え、企業の規模や機密レベルに応じて多様な需要に応えるソブリン性を備えたクラウド・AIサービスの提供を行っています。
あわせて、GX領域での取り組みも加速します。AIの普及に伴い急増する電力需要を賄う次世代電力インフラの構築に向け、国産バッテリー事業を開始しました。大阪堺AIデータセンターの敷地内に工場を構築し、非発火という高い安全性と優れたエネルギー効率を備えた革新型バッテリーセルや、蓄電システムの開発・製造を一気通貫で推進します。
この国産バッテリーは、自社設備への導入にとどまらず、国内の電力系統や工場などの産業、一般家庭など幅広く展開し、「事業成長」と「持続可能な社会」の双方を推進していきます。
このようなAI共存社会を支える重要なインフラの構築に取り組み成長を目指すだけでなく、新たに生じるリスクへの対応も不可欠です。AIは社会に大きな価値をもたらす一方、不適切な活用により、倫理や安全性などの観点からさまざまなリスクが生じる可能性があります。当社はこうした課題を重要な経営課題の一つと捉え、社外の有識者も参画してAIの倫理に係る課題の議論や提言を行う「AIガバナンス委員会」を設立するなど、客観性と実効性を備えたAIガバナンスの強化に取り組んでいます。
地球環境への取り組み
当社は、企業活動を通じて脱炭素社会の実現に貢献することを責務と捉え、自社の事業活動に伴う温室効果ガス排出量(スコープ1・2)を2030年度までに実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指しています。
AIの普及が進むことによって、膨大なデータの処理が必要となり、そのための電力需要の急増が見込まれる中、都市圏に集中しているデータセンターを全国に分散して配置することで、データ処理と電力消費の平準化を図っていきます。あわせて、テクノロジーの利活用による省エネルギー化や、再生可能エネルギーを含めたカーボンニュートラル電力の活用を推進しています。
また、バリューチェーン全体で排出される温室効果ガス(スコープ3)の削減にも取り組み、自社の事業活動に伴う全ての温室効果ガス排出量(スコープ1・2・3)を、2050年度までに実質ゼロにする「ネットゼロ」の実現に向けて、グループ一体となって取り組んでいます。
最後に
当社は、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指して、ESG経営を推進しています。その取り組みの成果として、世界的なESG指標である「Dow Jones Best-in-Class World Index」の構成銘柄に4年連続で選定されるなど、国内外から高い評価を獲得しています。こうした評価を励みとして、ESG経営をさらに深化させるとともに、AIをはじめとするテクノロジーの力を活用した新たな価値創造に挑戦していきます。そして、事業を通じた社会課題の解決と企業価値の持続的な向上を実現し、ステークホルダーの皆さまから信頼される企業であり続けることを目指します。
2026年9月
ソフトバンク株式会社
代表取締役 社長執行役員 兼 CEO
ESG最高推進責任者
宮川 潤一