トップメッセージ
持続可能な社会づくりへの
貢献に向けて
当社は、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、革新的な事業やサービスの提供を通じて社会へ大きく貢献してきました。そして今、企業も良き社会の一員という考え方の下、持続可能な社会づくりに貢献することを重要な経営課題と捉え、SDGsの達成に向けた取り組みを推進しています。当社では、「すべてのモノ・情報・心がつながる世の中を」というコンセプトの下、持続可能な社会の発展に向けて取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。マテリアリティの特定に当たっては、当社事業にとっての重要度だけではなく、SDGsや当社のステークホルダーが求める事柄と関連が深いものを基準にしています。これらに、「Beyond Carrier」戦略を通じて取り組むことで企業価値の向上と持続的な社会の実現を目指します。
通信インフラ企業としての
責任
今や通信サービスは、社会に必要不可欠なライフラインです。そのインフラを提供する通信事業者の責務として、信頼性の高い通信サービスを安定的に提供するとともに、通信インフラのあるべき姿も追求していきます。5Gのさらなる高度化とエリアの拡大を推進することはもちろん、成層圏通信プラットフォーム「HAPS」を活用してどこでもインターネットにつながるような世界を実現するプロジェクトも手掛けています。東日本大震災から10年以上たちましたが、発災直後から被災地に入り、ネットワーク復旧の陣頭指揮を執った際に感じた、当時のぜい弱な復旧体制への悔しさを忘れたことはありません。以来、サービスエリアの拡充と強靭化に向けて、工夫を重ねて全力で取り組んできました。これからも災害により強いインフラづくりと災害時の支援措置の強化に向けて継続的に取り組んでいきます。
地球環境問題への取り組み
地球環境問題への取り組みも重要な経営課題としています。2015年のパリ協定の合意によって世界各国の足並みがそろうなど、気候変動への対応の重要性がますます高まっています。当社は「気候財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に賛同して気候変動に関わる情報開示を積極的に進めています。さらに、日本政府は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラルを宣言していますが、当社も脱炭素社会の早期実現に貢献すべく、国際社会がSDGsの達成を目指す2030年までに、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル2030宣言」を発表しています。自社の使用電力を実質再生可能エネルギーに100%切り替えると同時に、AIやIoTなどの最先端テクノロジーを最大限に活用して自社の施設・設備の省電力化を図ります。さらに、2022年4月には「グリーンインフラ推進室」を新たな組織として立ち上げました。再生可能エネルギーのさらなる活用に向けて、引き続き取り組みを強化していきたいと思います。
ダイバーシティ、エクイティ&
インクルージョン
への取り組み
企業の発展の原動力は、やはり人材です。人材開発についてはこれまでもさまざまな取り組みを行ってきましたが、多様性への取り組みを欠かすことはできません。当社は「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」を掲げ、社員一人一人がお互いの違いを理解して強みを生かしながら、自由な発想で意見を出し合い、自ら革新を生み出せる組織づくりを目指しています。特に注力しているテーマの一つが、女性の活躍推進です。当社は昨年、管理職の女性比率を2035年度までに2021年度の3倍となる20%にするという目標を発表しました。この達成に向けて、まずは女性活躍推進委員会を新設し、私自ら委員長に就任しました。既存の事業モデルや働く環境を根本から刷新すべく、外部から有識者を招いて、具体的な議論を行っています。また昨年は、コーポレート・ガバナンスの強化の一環として、女性の社外取締役が2名就任しました。専門的な知見はもちろんのこと、多角的で活発な議論につながっていると実感しています。
最後に
当社のDNAは「挑戦」と「進化」です。当社の成長戦略である「Beyond Carrier」戦略をより一層強力に推進し、SDGsの達成および社会課題の解決に向けて貢献していきます。
2022年8月
ソフトバンク株式会社
代表取締役 社長執行役員 兼 CEO
宮川 潤一