市場の変化に対応しながら
持続的な成長と
高い株主還元の両立を目指します。

市場環境

スマートフォンの普及により、
日本のモバイル通信市場は
今後も拡大が見込まれます。

2019年3月現在、日本の携帯電話契約数は総人口を超える1億7,780万契約となっています。1人で複数のモバイル端末を持つ人が増えたことなどにより普及率は100%を上回り、今や携帯電話は私たちの生活必需品になりました。

日本の携帯電話加入契約数と人口普及率

一方、個人でスマートフォンを保有する割合を見ると、2018年9月末時点で65%にとどまっていることが分かります。
従来型の携帯電話からスマートフォンに乗り換える人などが増えることで、スマートフォンの契約数は今後もさらなる成長が見込まれます。

スマートフォン保有率

さらに、スマートフォンが高性能・多機能化してきたことで、通話やメッセージだけでなく、動画やゲームといったコンテンツをスマートフォンで楽しむユーザーが増えており、その結果、モバイルデータ通信量も年を追って増加しています。

1加入者当たり月間延べデータトラフィック

このように拡大する市場環境において、通信ネットワークを自社で保有し通信サービスを提供する大手通信キャリア3社に加え、2000年代後半からは、大手通信キャリアから通信ネットワークを借り受けて通信サービスを提供するMVNO の参入が相次ぎました。直近のデータではモバイル通信市場におけるMVNOのシェアはおよそ11.6%とみられています。大手通信キャリアやMVNO各社から多種多様なデータ通信プラン、料金プランが提供され、お客さまの選択肢が広がっています。

移動系通信の契約数に占めるMVNOサービスの契約数比率

[注]

MVNOは Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)。自社でネットワークを保有・運用せず、他社のネットワークを借り受けて通信サービスを提供する事業者を指します。

成長戦略

「通信事業のさらなる成長」と「ヤフーの成長」、
および「新領域の拡大」の3つを柱とした
Beyondビヨンド Carrierキャリア」戦略を推進しています。

Beyond Carrie

コア事業である通信事業のさらなる成長を図ると同時に、5G、AI、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータを駆使した新規事業の創出を目指す「Beyond Carrier」戦略を推進しています。
2019年6月に国内最大級のインターネットカンパニーであるヤフー を連結子会社化したことで、「Beyond Carrier」戦略は加速しています。さらに、親会社であるソフトバンクグループ株式会社(以下「ソフトバンクグループ」)が投資している世界中の有力なAI企業や、国内外のさまざまな企業との連携を通じて、新領域のビジネスが次々と生まれています。

[注]

2019年10月1日よりヤフー株式会社の商号はZホールディングス株式会社に変更しました。以下、便宜上「ヤフー」といいます。

通信事業のさらなる成長

スマートフォンが生活の中心となる世の中へ

当社は、スマートフォンを通信事業の成長のけん引役とすべく、スマートフォン戦略に特に注力しています。
スマートフォンの登場によって、電話やメール、インターネットだけでなく、動画やゲーム、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を楽しむ人が増えてきましたが、スマートフォンはこれからさらに人々の生活に密着したものになっていきます。

当社は2018年にスマートフォン決済サービス「PayPay」を始めましたが、これによりスマートフォンは人々の財布になりました。
スマートフォンを使ってタクシーを呼び、ホテルを予約し、決済までスマートフォン上で完結する、といったように、スマートフォンによって生活はより便利に、シームレスになっていきます。また、あらゆるモノとモノをつなぐIoT サービスが本格的に普及すれば、それらを操作・管理するためのインターフェースとなるスマートフォンの重要性はさらに高まります。

このように当社はスマートフォンを使ったサービスを積極的に展開し、生活のあらゆるシーンをスマートフォンで再定義していきます。

生活のあらゆるシーンをスマホで再定義

マルチブランド戦略による
スマートフォンユーザーの拡大

アクティブにスマートフォンを活用するユーザー向けの“ソフトバンク”、ライトユーザー向けの“ワイモバイル”、そして学生など若年層向けの「LINEモバイル」の3ブランドを展開しています。ユーザーのニーズは年々多様化していますが、当社は2014年に“ワイモバイル”、2018年に「LINEモバイル」の提供を開始し、それぞれのカテゴリーでシェアNo.1を目指す戦略を推し進めています。

SoftBank データ容量 Ymobile ライトユーザー LINE Mobile オンライン中心
3ブランドの詳細

業界唯一の個人向け50GBデータプランに動画SNS放題を加えた“ソフトバンク”の料金プラン「ウルトラギガモンスター+(プラス)」、携帯電話にブロードバンドサービスや電気サービスをセットにした割引サービスである「おうち割」、“ソフトバンク”なら金曜日にいろいろなクーポンがもらえる「SUPER FRIDAY(スーパーフライデー)」などを提供しています。今後も顧客満足度の向上を目指し、革新的なサービスを提供していきます。

おうち割 携帯電話と固定通信などのセット割引サービス ウルトラギガモンスター+ 大容量データプラン SUPER FRIDAY クーポン特典

“ソフトバンク”や“ワイモバイル”に加入いただいたお客さまには、ヤフーのeコマースサービスをとてもおトクにご利用いただけます。会員制サービス「Yahoo!プレミアム」の全特典の無料提供や「Yahoo!ショッピング」での購入額の最大10%を「PayPay」などのポイントで還元することにより、既存のお客さまとの結びつきを強化しつつ、顧客基盤の拡大を図っています。

[注]

2019年12月時点。

5G時代の到来

2020年は、従来の4Gに比べて通信速度が10倍超となる「高速大容量」「超低遅延」「多接続」などの特長をもつ5Gの商用サービス開始の年となります。5Gにより、新しいサービス・デバイスが生まれるだけでなく、既存の産業のプロセスが根本的に変わり、新しい産業が生まれる基盤となります。5Gの実用化による通信のさらなる成長を目指しています。

次世代通信技術への取り組み

ヤフーの成長

ヤフーの強みは、国内最大級の利用者基盤、ユーザーアクションを一気通貫で押さえる多様なサービス群、質の高いマルチビッグデータを有していることです。ヤフーはこれらの強みを生かし、サービス間連携による利用者体験の向上、相互送客によるサービスの成長、および領域を超えたデータの横断利活用を図ることで、成長を目指している会社です。
2019年6月にヤフーを連結子会社化し、今後は両社のヒト・モノ・カネ・情報という経営資源をより戦略的に配置・活用し、互いの事業を成長させると同時に、両社で最大限のシナジーを創出し新事業を加速度的に成長させていくことを目指します。

ヤフーのコマース事業については、ソフトバンクユーザーであればヤフーのeコマースサービスをおトクに利用できるという従来の連携の効果もあり、2019年度第2四半期のeコマース取扱高が前年同期比で約12%増加するなど順調に拡大しています。eコマース普及率は、米国の約10%、中国の約20%に対して、日本ではわずか6%と低位にとどまっています。また、5Gによって、ARやVR、ドローン配達など買い物体験の進化が期待されます。これらにより、eコマースは今後大幅に伸びる機会があります。ヤフーのメディア事業については、当社の営業力を活用し、ヤフーの広告収入やコンテンツ収入をさらに引き上げるための取り組みを推進し、今後大きなシナジーを生み出すことを目指します。「PayPay」を中心としたモバイルペイメント事業も、両社のリソースをうまく活用し、急拡大しています。

ソフトバンクの持つ通信インフラ・技術と、ヤフーの持つビッグデータ、そしてソフトバンクグループが投資するAI企業群の最先端テクノロジーを活用することで、他社にはまねできない未来を創っていきます。

ソフトバンクグループが投資するAI企業群の最先端テクノロジー

[注]

出典:経済産業省 2019年5月発表 「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」

新領域の拡大

ソフトバンクには、通信事業で培った顧客基盤、営業力、技術力、店舗網、通信インフラなど、新しいビジネスを育て上げるために必要なリソースがそろっています。

ソフトバンクの強み

これらの強みを生かし、ソフトバンクグループ内の企業や、ソフトバンクグループが投資する有力企業、国内外のさまざまな事業パートナーと協働し、合弁会社の設立などを通じて、世界最先端のビジネスモデルやテクノロジーを日本に導入・展開します。これは、ソフトバンクグループの一員であり、通信事業の強固なプラットフォームを持つ当社だからこそ描ける成長ストーリーです。
スマートフォン決済サービスの「PayPay」、AIを活用したタクシー配車プラットフォームの「DiDi」、最先端のコミュニティ型コワーキングスペース「WeWork」などがその代表例ですが、どれも日本でのビジネスの垂直立ち上げに成功し、サービス開始1年程度でユーザー数を大きく伸ばしています。

新領域の取り組み事例

QRコードを使った
新たなスマートフォン
決済サービス

インドのスマートフォン決済サービス
におけるリーディング企業 Paytm

利用者4億
加盟店 950万

2018年8月時点の数値です。

PayPay株式会社は、当社とヤフーが共同で設立し、ソフトバンクグループの投資先であるPaytmの技術を利用し、2018年10月にバーコードやQRコードを使って決済ができるスマートフォン決済サービス「PayPay」の提供を開始しました。同年12月に行った「100億円あげちゃうキャンペーン」で大きく認知度を上げ、ユーザー数を爆発的に増やしました。2019年10月にはヤフーが「PayPay」の名を冠した新eコマースサービス「PayPayモール」、「PayPayフリマ」の提供を開始しました。2019年11月には、累計登録ユーザー数 ※1が2,000万人を突破しました。「PayPay」が利用できる加盟店数は170万カ所以上※2を突破し、登録ユーザーと加盟店の増加に比例して決済回数が増加したことで、サービス開始からの累計決済回数は3億回 ※3を突破しました。

現金で支払う習慣が根強い日本では、キャッシュレス決済比率が約20%※4にとどまっています。日本政府は2025年までにキャッシュレス決済比率40%、将来的には世界最高水準の80%を目指すという方針を掲げています。「PayPay」は、日本国内のキャッシュレス決済の普及を促進するため、日々サービスを進化させています。現在すでに、「オフライン決済」だけでなく「オンライン決済」「公共料金決済」「個人間の取引」へもサービスの幅を広げていますが、今後は「金融サービス」などにも領域を広げ ※5、日常のあらゆる場面で利用できる多機能な“スーパーアプリ”を目指します。

「PayPay」は決済アプリから"スーパーアプリ"へ

[注]

※1アカウント登録を行ったユーザー数です。

※2店舗やタクシーなど、PayPayへの加盟契約申込数です。

※3ユーザー間でのPayPay残高の「送る・受け取る」機能の利用回数や、Alipayアプリを利用しての決済回数は含みません。

※4出典:キャッシュレスの現状と推進(経済産業省資料)

※52019年10月時点の情報です。

日本のワークスタイルを
変革する
オフィス環境
提供サービス

世界最大手のシェアオフィス

2010年創業
32ヵ国122都市で展開

2019年9月時点の数値です。

最先端のワークスペースを提供するWeWork Japan合同会社(以下「WeWork Japan」)は、当社、ソフトバンクグループ、そしてWeWorkが共同で2017年7月に設立しました。WeWorkは世界最大手のコミュニティ型ワークスペース運営企業です。最大の特長は、コミュニティの存在です。WeWorkの入居者同士が企業の垣根を越えて知り合い、相互に刺激し合えるコラボレーション環境を提供しています。また、最先端のデータ技術による空間設計で、よりよいワークスペースの構築を行っています。

WeWork Japanは2018年2月のサービス開始から、わずか1年7カ月で会員数1万7,000人※1を超え、2019年11月の拠点数は全国6都市23拠点に達するなど、WeWorkの他国での展開例と比較しても、最速のスピードでビジネスを拡大しています。スタートアップ企業のみでなく、自治体や有名企業のイノベーション部門なども相次いで入居し、時には入居者が共同でプロジェクトを立ち上げるなど、コミュニティを活用した交流を深めています。WeWorkが行った調査では、東京拠点のメンバーの8割以上が「WeWorkのおかげで自社が成長した」 ※2と回答しており、調査を行った世界62都市の中で最高評価を獲得しています。

[注]

※12019年9月時点の数字です。

※22019年6月発表WeWork「グローバルインパクトに関する報告書」

次世代のタクシー
配車サービス

世界最大級の交通プラットフォーマー

2012年創業
5億5,000万万人以上
アプリケーションの登録者
3,100万人のドライバーが登録

滴滴出行の2018年7月時点のグローバル数値に基づきます。

待ち時間短縮・自動翻訳機能搭載・ワンタッチで支払い完了

AIを活用したタクシー配車プラットフォームを提供するDiDiモビリティジャパン株式会社(以下「DiDiモビリティジャパン」)は、当社と滴滴出行の合弁会社として2018年6月に設立されました。滴滴出行は、タクシー配車やライドシェア、バイクシェア、フードデリバリーなどといった、世界最大級の交通プラットフォームを運営するグローバル企業です。「DiDi」のサービスは、専用のアプリを使いタクシー配車を行うサービスで、AIとデータ分析技術を活用した、乗車客の需要予測マップを運転手に提供していることが特長です。これにより、今タクシーに乗りたい客と空車タクシーを効率的にマッチングすることができます。

日本でのビジネス展開を行うDiDiモビリティジャパンは、2018年9月に大阪、2019年4月以降には東京・愛知・福岡と、全国18都市※1で相次いでサービスを開始し、急速にビジネスを拡大しています。先行してサービスを開始した大阪では、アプリで配車を依頼してから平均5分以内にタクシーが到着※2しており、快適な移動体験をご提供しています。また「DiDi」を導入したことで、外国人旅行者の利用も増え、実車率や1台当たりの売上高が改善するなど、タクシー会社側にも効果を実感いただいています。2019年7月には、サービス開始からわずか10カ月で、タクシー配車アプリの月間ダウンロード数で全国1位となり、以降4カ月連続で1位を獲得しています。2019年中には、サービスエリアを20都市に拡大予定 ※1です。

[注]

※12019年11月時点の数字です。

※2DiDi調べによる、大阪における2018年12月サービス実績です。

革新的ホテルサービス

MONET TECHNOLOGIES INC.

急成長するホテルブランド

2013年創業
日本を含む 80ヵ国800以上の都市
6年でホテル客室数世界2

2019年10月時点の数値です。

日本での快適で便利な宿泊施設とおもてなしの体験の提供を目指して、OYO Hotels & Homesと当社およびソフトバンクグループは、2019年4月に共同でOYO Hotels Japan合同会社(以下「OYO Hotels Japan」)を設立しました。

「OYO」の特長は、ホテルのトータルコンサルティングと、AIを活用した価格調整システムです。AI分析を活用したインテリアデザインで内装や外観を改装し、従業員の研修、運営システムの導入までトータルにサポートします。さらに、AIで宿泊客の需要を分析し、リアルタイムで客室単価を変化させるダイナミックプライシングにより、経営の効率化と収益性の向上に貢献します。

OYO Hotels Japanは、設立からわずか7カ月で、東京・大阪・京都をはじめとした100以上のホテルに5,200室超の客室をオープンしました。「OYO」に加盟したホテルは、加盟後3カ月程度で、稼働率が平均8割を超えたという調査結果も出ています。「OYO」アプリからの予約に加え、「Yahoo!トラベル」や「じゃらん」、「楽天トラベル」といった旅行サイトから予約可能で、今後さらなる利用者の拡大を目指しています。

次世代モビリティサービス

当社とトヨタ自動車株式会社は、モビリティサービスの構築に向けて戦略的提携に合意し、新会社MONET Technologies株式会社(以下「MONET」)を設立して、2019年2月に共同で事業を開始しました。
当社が開発した、スマートフォンやセンサーデバイスなどからのデータを収集・分析して新しい価値を生み出す「IoTプラットフォーム」と、トヨタ自動車が構築したコネクテッドカーの情報基盤である「モビリティサービスプラットフォーム」を連携させ、車や人の移動などに関するさまざまなデータを活用することで、移動に関する社会課題の解決や新たな価値創造を可能にする未来のモビリティ事業を開始します。

2019年6月、同社は、いすゞ自動車株式会社、スズキ株式会社、株式会社SUBARU、ダイハツ工業株式会社、マツダ株式会社とそれぞれ資本・業務提携を行うことになりました。また、MONETは2019年9月に北海道と次世代モビリティサービスの活用に向けた連携協定を締結しています。さらに、MONETは、MaaSオープンプラットフォームの構築、およびMaaS普及促進、移動における社会課題の解決や新たな価値創造を目指すMONETコンソーシアムを立ち上げ、2019年9月末時点で400社の企業が加入しています。
自動車メーカー各社との資本・業務提携およびMONETコンソーシアムの活動を通して、日本の社会課題の解決や新たな価値創造を可能にする革新的なモビリティサービスの実現と普及に取り組んでいきます。

[注]

Autono-MaaSとは、Autonomous Vehicle(自動運転車)とMaaS(Mobility-as-a-Serviceモビリティサービス)を融合させた、トヨタによる自動運転車を利用したモビリティサービスを示す造語です。

共同記者会見 速報レポート

株主還元

継続的な成長投資と
安定した株主還元により、
株主価値の最大化を図ります。

成長 増収総益⇔株主還元 配当性向85%程度

当社では、中長期的に企業価値を高めると共に、株主の皆さまに利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置付けています。
当社は、連結配当性向85%程度という高い水準の配当方針を示しています。一般的に、成長を目指す企業であれば株主還元を抑えて成長投資へ資金を振り向け、成熟企業であれば逆に投資を抑えて株主還元へ資金を振り向けます。しかしソフトバンクは、成長戦略を進めながら、同時に高い株主還元を行うことができると考えています。ソフトバンクグループやソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先やビジネスパートナーとの協働が可能であることから、少ない投資資金で新たな事業展開を行えるため、高い株主還元と成長投資の両立が可能です。
2021年3月期の1株当たり年間配当金は、前年対比で1円増配の86円を予定しています。これからも増収・増益を続けながら、企業価値の向上に努め、株主の皆さまへ安定的な利益還元を行うことを目指します。

配当情報について、以下でもご覧いただけます。

株主還元・配当