マテリアリティ
(重要課題)
持続可能な社会への貢献と持続的な成長の両立を目指すコンセプト「すべてのモノ・情報・心がつながる世の中を」をテーマとして、6つの「マテリアリティ(重要課題)」を特定しました。この6つのマテリアリティは、経営理念の「情報革命で人々を幸せに」を具現化するとともに、成長戦略「Beyond Carrier」とをつなぐ重要な羅針盤であると考えています。当社は、マテリアリティの特定と対応を通じて経営戦略を加速させ持続可能な社会の実現に貢献します。
サステナビリティ戦略
6つのマテリアリティ
(重要課題)
6つの「マテリアリティ(重要課題)」は、事業活動で社会課題の解決を図っていく「DXによる社会・産業の構築」「人・情報をつなぎ新しい感動を創出」「オープンイノベーションによる新規ビジネスの創出」に加え、企業活動を通じて社会課題の解決を図る「テクノロジーのチカラで地球環境に貢献」「質の高い社会インフラの構築」「レジリエントな経営基盤の発展」により構成しています。
またマテリアリティは、当社の企業活動および事業活動上のリスクを軽減するだけでなく、当社の持続可能な成長を加速するための機会と捉えています。現在の社会や当社のビジネスだけではなく、未来の社会環境やその課題をとらえることにより、将来を見据えたビジョナリーな視点とソフトバンクとしてのオリジナリティーを持ち合わせたものとなっています。
目標KPI
各マテリアリティの代表的なKPIは以下のとおりです。
2024年度のマテリアリティKPIの目標および実績の一覧は「サステナビリティレポート 2024」をご覧ください。
マテリアリティ | 目標KPI |
---|---|
DXによる社会・産業の構築 |
|
人・情報をつなぎ新しい感動を創出 |
|
オープンイノベーションによる新規ビジネスの創出 |
|
テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献 |
|
質の高い社会インフラの構築 |
5G展開計画
|
レジリエントな経営基盤の発展 |
|
[注]
- ※1
当社グループで集計、CAGR:年平均成長率
- ※2
PayPay(株)のみが対象、中期目標
- ※3
大規模言語モデル
- ※4
当社のスコープ1(自らによる温室効果ガスの直接排出)およびスコープ2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)の合計が対象
- ※5
自社およびWireless City Planning(株)の合計
- ※
指標と目標KPIの範囲は、特に記載がない限り、ソフトバンク(株)のみが対象
マテリアリティの特定
GRIスタンダードやSDGsなどの国際ガイドラインや国際会議などでの議論、投資家の意見、外部ステークホルダーの代表である有識者の見解など、外部(ステークホルダー)の重要度、および各統括・部門、子会社での議論を踏まえた自社の重要度から課題を抽出するとともに、双方の観点に基づく評価を実施し、設定しています。また、外部ステークホルダーからの期待の変化、およびESG推進の実効性担保に対する社会の潮流を踏まえ、年度ごとにマテリアリティの再検証を行っています。
マテリアリティ特定・検証プロセスの実施にあたっては、各部門やグループ会社のESG推進責任者による短期・中期的および長期的な計画に基づいた重要性評価を基に、数回にわたるディスカッションの結果をESG推進委員会で協議し、取締役会の承認により決定しています。
背景と考え方
マテリアリティおよびその特定・検証のプロセスにおいて、社会・外部環境の変化※1に対する当社事業への影響に加え、当社事業の展望や状況・重要度※2とともに、ダブルマテリアリティの考え方に基づき、当社の社会や環境へのポジティブ・ネガティブな影響についても、マテリアリティおよび創出価値に反映しています。
これらの取り組みが経営戦略をさらに加速し、総合デジタルプラットフォーマーへのキードライバーとしての重要な位置付けであることを、取締役および経営幹部、社員を含めた全社で再認識し、持続可能な社会の実現と当社の持続的な成長の両立に向けて引き続き推進していきます。
[注]
-
※1
気候変動対応や自然資本(生物多様性含む)の重要度の高まり、情報セキュリティやデータ・個人情報の保護、人的資本などの重要性が向上
-
※2
デジタルの社会実装や企業や社会のDXのさらなる推進、新たなライフスタイル価値の創造や顧客価値の追求、グローバル規模でのビジネスの拡大、エネルギー領域の推進、AIガバナンスの高度化、さらにはグループ企業との連携やシナジーの強化などに対する重要度の向上
-
※
生物多様性条約締結国会議(COP15)における国際目標「ネイチャーポジティブ」の採択、TNFDの最終提言が公表されるなど国際的な重要性向上を評価し、2024年度から「生物多様性保全への貢献」を重要マテリアリティとして、創出価値を位置づけて管理します。
-
※
マテリアリティ特定プロセスについて、第三者による保証を取得(一般財団法人日本品質保証機構)
外部の重要度
国際ガイドライン(GRIやSASB、SDGsなど)、国際レポート(WBCSD Vision 2050など)、有識者(大学教授・業界著名人など)や投資家などのステークホルダー、ESG格付、外部イニシアチブなどからのさまざまなイシューに対する要請内容を基に、社会・環境の当社および当社グループへの影響と、当社および当社グループの社会・環境への影響の双方を把握した上で策定しています。
自社の重要度
当社および当社グループの短期・中期的な計画およびその重要性、長期的な将来における計画および重要性や、WBCSD Vision 2050(2020~2030年を形成する マクロトレンドと混乱)などの国際レポートや日本の内閣府が発行した将来予測レポートなどを基に、社会・環境の当社および当社グループへの影響を把握した上で重要度を検討し、ESG推進委員会における協議を行った上で策定しています。
マテリアリティMAP
- DXによる社会・産業の構築
-
人・情報をつなぎ新しい感動を
創出 -
オープンイノベーションによる
新規ビジネスの創出 -
テクノロジーのチカラで
地球環境へ貢献 -
質の高い
社会インフラの構築 -
レジリエントな
経営基盤の発展
[注]
-
※3
環境・社会が及ぼす自社への影響および自社が及ぼす環境・社会への影響
- 1最先端テクノロジーによる
産業基盤拡充と効率化 - 2DXによる
新しい産業の創出 - 3地域社会の活性化
(地方創生) - 4スマートデバイス普及を
通じた魅力的な顧客価値の実現 - 5誰もが情報へアクセス
できる
環境提供 - 6ICT活用による新たな
ライフスタイルと
生活基盤の
高度化 - 7最先端テクノロジー
による
新しい
ビジネスの開発 - 8海外最先端ビジネスの
インキュベートと
スパイラルアップ - 9成長を牽引する
人材採用・育成
と
事業創出のための
仕組みの構築 - 10テクノロジーや事業を
通じた気候変動対策への貢献 - 11
循環型社会の推進
(サーキュラーエコノミー) - 12生物多様性保全への貢献
- 13自然エネルギー普及を
通じた豊かな社会の実現 - 14持続的な生活
インフラの整備 - 15防災・減災に貢献する
盤石な通信インフラ構築 - 16データセキュリティと
プライバシー保護の
取り組み
推進 - 17コーポーレート・
ガバナンスの
高度化と
実効性の担保 - 18ステークホルダーとの
協働による持続的な発展 - 19人的資本の最大化に
向けた
社員幸福度向上と
DE&I推進 - 20先進的な職場環境
による
生産性の向上
ダブルマテリアリティへの対応
ダブルマテリアリティとは、社会・環境が企業に与える財務的な影響と、企業活動が社会・環境に与える影響という二つの側面から重要性を検討すべきとする考え方で、国際ガイドラインなどで提唱されています。
当社のマテリアリティは、このダブルマテリアリティの考え方に基づき、社会や環境が当社へ及ぼす影響だけでなく、当社の企業活動や事業活動が社会や環境へ及ぼす影響も考慮しています。また、当社が及ぼすこれらの影響は、各ステークホルダーへのポジティブ・ネガティブ双方の影響についても勘案しています。
マテリアリティ | 社会・環境に及ぼす影響 | 主なステークホルダー | |
---|---|---|---|
DXによる社会・産業の構築 | ポジティブ |
|
|
ネガティブ |
|
||
人・情報をつなぎ新しい感動を創出 | ポジティブ |
|
|
ネガティブ |
|
||
オープンイノベーションによる新規ビジネスの創出 | ポジティブ |
|
|
ネガティブ |
|
||
テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献 | ポジティブ |
|
|
ネガティブ |
|
||
質の高い社会インフラの構築 | ポジティブ |
|
|
ネガティブ |
|
||
レジリエントな経営基盤の発展 | ポジティブ |
|
|
ネガティブ |
|
サステナビリティ関連リスクの全社リスク管理への統合
特定したマテリアリティを考慮したサステナビリティに関するリスク(気候変動、人材の育成・確保など)については、全社的なリスクと統合し管理しています。半期ごとに、社長、副社長、CFOなどを委員とし、監査役や関係部門長などが参加するリスク管理委員会を開催し、リスクの評価とモニタリングおよびリスクの見直しを行っています。具体的なリスクの内容、管理体制は「リスクマネジメント」を参照ください。
社会に与える影響の算定・評価について
特定したマテリアリティに関連するアウトプットをマテリアリティKPIによりモニタリングするとともに、マテリアリティ関連事業のうち、一部において社会に与える影響(社会的インパクト)の算定・評価を行っています。
施策 | 外部ステークホルダーへの影響 | 金額 | 関連するマテリアリティ |
---|---|---|---|
スマホ教室 |
|
6,137百万円※1 | 「人・情報をつなぎ新しい感動を創出」 (2)誰もが情報へアクセスできる環境の提供 |
携帯電話 リサイクル |
|
1,584百万円※2 | 「テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献」 (2)循環型社会の推進(サーキュラーエコノミー) |
[注]
- ※1
スマホ利用方法の習得に関する社会的コストおよびスマホの利用者増加による経済効果
- ※2
携帯電話リサイクルによる産業廃棄物処理管理コストおよび有用金属の価値
2024年度のマテリアリティKPIの目標および実績は「サステナビリティレポート 2024」をご覧ください。