プレスリリース 2008年

次世代移動通信方式対応
「時間・空間電波伝搬推定法」の国際標準化について

2008年2月1日
ソフトバンクテレコム株式会社
ソフトバンクモバイル株式会社

ソフトバンクテレコム株式会社(本社:東京都港区、社長:孫 正義、以下、ソフトバンクテレコム)とソフトバンクモバイル株式会社(本社:東京都港区、社長:孫 正義、以下、ソフトバンクモバイル)は、次世代移動通信方式対応である「時間・空間電波伝搬推定法」の開発に成功し、この度、ITU-Rで標準化※1され、ITU-R勧告「P.1816」※2として発行されましたのでお知らせいたします。

「時間・空間電波伝搬推定法」(以下、「推定法」)とは、無線通信における電波伝搬の基本特性である電波の到来角度(一般に「空間特性」と呼ばれています)と、電波の到来遅延時間(一般に「時間特性」と呼ばれています)を推定する方法です。
通信事業者が移動通信サービスを効率良く提供するためには、都市構造が異なる様々な環境(市街地、郊外地)下において、電波の「空間特性」と「時間特性」を把握することが非常に重要ですが、今回勧告化された「推定法」は、様々な環境においてより精度の高い電波伝搬特性(空間・時間特性)を推定することができるものです。

将来的には、この「推定法」に準拠した次世代移動通信対応電波伝搬推定システムおよびセル設計システムが実用化されることで、多くの通信事業者は、より効率的な移動通信ネットワークシステムの構築が可能となるため、本「推定法」は、今後の通信業界の発展に大いに貢献できるものとなります。

なお、本件の一部は総務省「2003年度戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)」の助成により実施いたしました。また、ITU-Rにおける標準化活動は、総務省情報通信審議会ITU-R部会電波伝搬委員会のもとで行いました。

移動通信システムと電波伝搬推定法の関係図と用語の解説は下記をご覧ください。

移動通信システムと電波伝搬推定法の関係図

移動通信システムと電波伝搬推定法の関係図
[注]
  • ※1 MIMO(Multi-Input Multi-Output) 空間信号処理技術の一つ
  • ※2 AAA(Adaptive Array Antenna) 空間信号処理技術の一つ
  • ※3 OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiple Access) 時間信号処理技術の一つ
  • ※4 LTE(Long Term Evolution)、IMT-Advanced 次世代通信方式の一つ

ITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)について(※1)

国際電気通信連合 無線通信部門(International Telecommunication Union Radio communications Sector)は、国際電気通信連合(ITU)の部門の一つ。
無線通信に関する標準化や勧告を行う機関であり、衛星通信のような国をまたがる電波の平等で経済的な割当てや、異なる方式の無線電波による相互干渉を防ぐための基準の制定など、電気通信の標準化と促進活動を行っており、対象となるシステムは、テレビ放送、移動体通信、無線通信や衛星放送などがある。
傘下に数々のStudy Group(SG)を持ち、Recommendation(勧告)を策定する。
勧告とは、ITU-Rが電気通信システム、ネットワーク、サービスに関する技術、運用、性能および保守等に関した国際規格を指す。
数年に一度世界無線通信会議(WRC)を開催し、無線通信規則(RR)を改定する。RRには法的な拘束力があり、ほぼそのまま電波法に反映される。

ITU-R勧告「P.1816」について(※2)

ITU-R で「時間・空間電波伝搬推定法」に対して発行された勧告番号。“P”は伝搬をあらわすPropagationの頭文字であり、1816は勧告の識別番号である。ITU-Rのホームページでは、P.1816 「The prediction of the time and spatial profile for broadband land mobile services using UHF and SHF band」として掲載されている。

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