プレスリリース 2010年

1.5GHz帯におけるLTEシステム実証実験において
下り最大約70Mbpsのスループットを達成

ソフトバンクモバイル株式会社は、「ユビキタス特区」プロジェクトとして、1.5GHz帯を用いたLTEシステムのフィールド実証実験を2009年12月より開始し、伝送帯域幅10MHzにおいて3GPP規格の最大伝送速度である下り最大約70Mbpsのスループットを達成しましたのでお知らせいたします。

今回の実験は、福岡県北九州市八幡東区内のエリアにおいて、北九州市や財団法人九州ヒューマンメディア創造センター様のご協力の下、実施したものです。実験のシステムは、3局の実験用基地局で構成され、LTE標準仕様に準拠しました。また、基地局送信および移動局受信にそれぞれ最大2本のアンテナを用いた下りMIMO※1伝送を使い、最大10MHzの伝送帯域幅を使用しました。その結果、屋外における実際の無線環境において、下り最大約70Mbpsのスループットを達成しました。これは、LTEの最大伝送帯域幅20MHzで、下り最大約150Mbpsのスループットに相当します。また、現行のHSDPA方式と比較して、3D映像やオンラインゲームのようなリッチコンテンツをリアルタイムに伝送できることや、伝送遅延を大幅に短縮できることが確認されました。

実証実験では、複数の基地局装置を一か所に集中して設置し、基地局アンテナだけをビルの屋上に配置する「光張出し基地局構成」や、隣接する基地局が協調制御して移動局と送受信を行う「複数基地局協調伝送方式(ECO-LTE※2)」の基礎実験も併せて実施しました。「光張出し基地局構成」は、設置時の施工性の向上および運用コストの低減が可能になることに加えて、光ファイバーで接続された基地局間の協調制御が容易になる利点があります。この「光張出し基地局構成」に「複数基地局協調伝送方式」を適用することにより、干渉を受けやすいセル境界において、スループットが大幅に向上することを確認しました。

LTEは、音楽や動画をはじめとするリッチなマルチメディアコンテンツの高速配信や、リアルタイムでのオンラインゲーム、オンラインサービスの提供などを可能とする無線通信方式です。ソフトバンクモバイルは、今回のフィールド実証実験の成功を踏まえ、商用サービスの実用化に向けた準備をさらに進めてまいります。

[注]
  • ※1Multiple Input Multiple Output。送受信に複数のアンテナを用いて伝送速度(スループット)や伝送品質を向上させる無線通信技術。
  • ※2Enhanced COoperative(ECO)-Long Term Evolution(LTE)。 当社での基礎実験システム名称。
  • *ECO-LTEはソフトバンクモバイル株式会社の商標です。
  • *SOFTBANKおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンク株式会社の登録商標または商標です。
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