プレスリリース 2011年

ソフトバンクモバイル 基地局復旧の取り組みについて

2011年4月28日
ソフトバンクモバイル株式会社

東日本大震災に伴い、ソフトバンクモバイル株式会社(以下、当社)が提供する通信サービスにおいて、つながりにくい、またはご利用できない状況が発生しました。現在、完全復旧に向けて取り組んでおりますが、震災前と同等の通信品質をご提供できるように継続して実施している、携帯電話基地局の復旧作業について、本日、当社側の作業が完了しましたことをご報告いたします。

当社では、震災直後の2011年3月12日の午前中には3,786局の基地局が影響を受けましたが、衛星回線とIP携帯電話基地局の機器を組み合わせた臨時基地局等の対策により、2011年4月14日に、携帯電話サービスのエリアカバーが震災前とほぼ同等の状態に回復しています。その時点でほとんどの基地局が復旧しておりましたが、残りの203局においては、被害が甚大なために復旧に時間がかかる状況でした。

これらの基地局について、(1)再度建築可能な基地局は全て建て直し、その他(2)衛星回線、(3)発電機・蓄電池による電力供給、(4)臨時回線などの手当てを行いました。4月28日現在、99局の基地局について復旧対応作業が完了し、うち15局について、電力会社等による復電等の工事待ちの状態です。

(1)基地局の建て直し
基地局全体および通信機器の流出などで使用できなくなったが、当該基地局を利用するユーザーが確認され、地盤・土台の安全性が確保されている場所には、同じ場所に新しい基地局を建て直しています。
(2)衛星回線
伝送路に障害があり、基地局が機能していないものに対して、衛星通信用の設備を利用して復旧しています。
(3)発電機・蓄電池
電力が回復していない地域の基地局に対し、発電機や蓄電池による電力供給を実施しています。
(4)臨時回線
マイクロエントランス、臨時専用線等を利用して、中継伝送路を復旧しています。

復旧の推移は、以下のとおりです。

復旧の推移

4月14日現在で未復旧だった基地局203局の処置・対処方法および内訳は、以下のとおりです。

処置・対処方法 ※1
復旧対応作業済局
※2
1.5GHz帯
※3
トンネル協会局
※4
原発20km圏内局
※5
廃局
岩手県 24 7 1 0 14
宮城県 66 20 1 0 20
福島県 9 1 0 38 2
基地局数 99 28 2 38 36
[注]
  • ※1復旧対応作業済局
    15局の復電等工事待ちの基地局が含まれます。電力会社等により連休明けに工事される予定です。
  • ※21.5GHz帯基地局
    現時点で1.5GHz帯に特化した携帯電話機はなく、2GHz帯の基地局を復旧させることで問題なく利用できるため、衛星回線への負荷を避け、1.5GHz帯併用局では1.5GHz帯の電波発射を行いません。
  • ※3トンネル協会(移動通信基盤整備協会)設置基地局
    当該協会が管理する基地局であり、個々の通信事業者が復旧作業をすることができません。
  • ※4福島原発の制限エリア内の基地局
    原発20km圏外はエリア復旧しております。今後も国の規制等を考慮し、適宜対応をしていきます。
  • ※5廃局
    津波等における被害が甚大かつ浸水エリアのため、4月26日に一旦廃局の手続きをとりました。今後の街の復興にあわせ、必要な基地局を適宜設置する予定です。

ソフトバンクモバイルでは、引き続き被災地での復旧・復興活動に全力で取り組んでまいります。

参考資料

(1)基地局の建て直し

基地局の建て直し

(2)衛星回線を利用して復旧させた基地局

衛星回線を利用して復旧させた基地局

(3)発電機の利用

発電機の利用
発電機の利用

(4)臨時回線(マイクロエントランス)を利用した基地局

臨時回線(マイクロエントランス)を利用した基地局

各地での復旧活動の様子

岩手県花巻市

迅速に復旧活動が行うことができるよう、被災地に近い場所にホテルを確保し、岩手チームのベースキャンプとしました。早朝ここに集まり、その日のミッションを確認し、各ユニットが数名のチームとなり復旧作業を行いました。

岩手県花巻市
岩手県花巻市

岩手県上閉伊郡大槌町

小規模避難所での臨時基地局設置作業を実施しました。

岩手県上閉伊郡大槌町
岩手県上閉伊郡大槌町

宮城県石巻市

石巻専修大学では衛星移動基地局車を設置しました。

宮城県石巻市
宮城県石巻市

宮城県仙台市

迅速に復旧活動を行うことができるよう、被災地に近い場所にホテルを確保し、宮城・福島チームの拠点を設置しました。復旧を行う「技術部門」、被災地に入ったメンバーからの問い合わせを受ける「CS部門」、メンバー向けの情報を整理する「情報システム部門」、メンバーの配置などの管理を行う「受付部門」が組織化され、合理的に活動を行いました。また、情報システム本部から参加した社員が、「出発前にやること」「現地でやること」「帰還後にやること」を簡単に確認できる、当プロジェクト専用のサイトを4時間で構築し、復旧作業の効率が一気に上りました。当サイトは、SNS機能だけでなく、IDとパスワードによるセキュリティも実装し、作業現場でiPhoneやiPadで状況の確認をすることもできました。

宮城県仙台市

以上

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