JAXAが打ち上げた準天頂衛星「みちびき」と
屋内で位置情報を送信可能な機器を連携させた、
日本初の実証実験の実施について~屋内外シームレス測位の実現~
2011年9月13日ソフトバンクモバイル株式会社
北海道は、オホーツク管内の市町村、ソフトバンクモバイル株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社、北海道旅客鉄道株式会社(以下、JR北海道)、東京農業大学オホーツクキャンパス、財団法人網走監獄保存財団、財団法人衛星測位利用推進センター(以下、SPAC)、社団法人北海道観光振興機構、IMES(アイムス)コンソーシアムと協力し、準天頂衛星「みちびき」と屋内で位置測位が可能な機器の位置測位情報を連携させた日本初の大規模な実証実験を、平成23年10月14日(金)から17日(月)まで、博物館「網走監獄」(北海道網走市)で実施します。
スマートフォンなどのモバイル端末が急速に普及し、衛星による位置情報を活用した各種サービスが広がる中、道においても、民間企業との協働や市町村との連携により、スマートフォンと位置情報を活用した観光情報の発信を進めているところです。
こうした取り組みの一環として、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が昨年9月に打ち上げた日本初の測位衛星である準天頂衛星「みちびき」を活用した実証実験を本道で実施するため、道を含む産学官が主体となり、今年8月末、「みちびき」の民間利用実証を推進するSPACに申請を行い、9月13日(火)、実施が正式に承認されました。
この実証実験は、明治期の監獄施設の全容がそのままの姿で残っている全国唯一の施設である博物館網走監獄をフィールドとし、ソフトバンクモバイルが提供する周辺情報配信サービス「ふらっと案内」、「みちびき」の位置測位情報、さらに屋内でも位置情報を送信することができる「地上補完信号送信機」を利用し、産学官が協力して屋内外のシームレスな測位と観光への活用を図る日本初の大規模な実証実験です。
博物館「網走監獄」での実験は10月14日(金)から17日(月)の4日間を予定しており、これと合わせて、管内の市町村、JR北海道の協力などにより、広域エリアを対象にスマートフォンを活用した観光関連の取り組みを同時期に実施することで、観光客の誘致と地域内での回遊を図り、地域の活性化に結びつけます。
1. 実証実験の概要
博物館「網走監獄」は、東京ドーム3.5個分の空間に、明治期の主要な監獄施設がほぼ完全な形で残されている野外博物館であり、各建物内には、体験・学習が可能な各種展示が行われています。
実証実験の参加者は、これら建物の位置情報を「みちびき」の信号により、また、屋内展示物の位置情報を「地上補完信号送信機」が発する信号により受信することで、施設や展示と自らの位置関係を把握します。
GPS衛星の位置情報の測位精度は一般に10m以上の誤差がありますが、「みちびき」を活用することにより1m前後の誤差での測位が可能となり、正確な位置情報に基づくサービスの活用が可能となります。
また、「ふらっと案内」のスタンプラリー機能を活用し、参加者に対して次に向かうべき施設のヒントを与えることにより、自ら「探し」、「発見」しながら各建物及び屋内展示物に誘導するとともに、施設に関する詳細な解説を同一アプリケーション上で提供し、監獄や北海道の歴史をより効果的かつ楽しく学ぶことを目指します。
2. 実施時期
平成23年10月14日(金)~10月17日(月)
3. 参加者
東京農業大学オホーツクキャンパスの協力による学生の参加などを予定しています。
4. 関連企画
北海道オホーツク総合振興局、管内市町村及びJR北海道の連携により、「ふらっと案内」を活用したオホーツク管内全域と札幌・オホーツク地域を結んだJRでのデジタルスタンプラリー企画なども実施予定です。
- ※「ふらっと案内」は、スマートフォンから専用のアプリケーションをダウンロードすることで利用いただけます。
5. 実施主体
主催 | 北海道(総合政策部科学IT振興局情報政策課、オホーツク総合振興局、経済部観光局)、オホーツク管内18市町村(オホーツクAI推進協議会) |
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協力 | 財団法人網走監獄保存財団、ソフトバンクモバイル株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社、北海道旅客鉄道株式会社(JR北海道)、東京農業大学オホーツクキャンパス、社団法人北海道観光振興機構、財団法人衛星測位利用推進センター(SPAC)、IMESコンソーシアム |
準天頂衛星「みちびき」とは

JAXAが平成22年9月に打ち上げた日本初の位置測位衛星です。現在のGPS衛星に比べて正確な測位(1m程度の測位精度)が可能であり、3機以上の運用により常に天頂付近(準天頂)に衛星が存在することから、測位可能な場所や効率性が向上します。
ただし、準天頂衛星1機が天頂付近に滞在するのは8時間程度であるため、24時間運用には3機が必要です。
地上補完信号送信機とは

GPSや「みちびき」と同等の信号を用いる屋内測位方式IMES(Indoor Messaging System)を利用し、電波の届きにくい屋内においても正確に位置を求め、位置情報をメッセージとして送信する機器です。
「ふらっと案内」とは

ソフトバンクモバイルが提供する「ふらっと案内」は、“手の中に街を”をコンセプトに、携帯電話の位置情報を利用した周辺情報配信サービスで、スマートフォン向けのアプリケーションをダウンロードすることで利用できます。位置情報をもとに近くの観光スポットやおすすめの散策コースの情報を入手することが可能で、平成23年9月時点で全国約110以上のエリアの情報を掲載しています。情報を掲載するエリアは今後も順次拡大していく予定です。

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