プレスリリース 2018年

モバイルIPコアネットワークにおいて
「セグメントルーティング」を運用開始

~5G時代にネットワークの最適化を実現する新技術を導入~

2018年2月2日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社は、モバイルIPコアネットワークのパケット転送において、よりシンプルで柔軟な転送を実現し、ネットワーク運用の最適化を図る新技術「セグメントルーティング」を導入し、2018年1月から全国のモバイルIPコアネットワークで運用を開始しました。

従来のモバイルIPコアネットワークのパケット転送は、ラベルと呼ばれるタグと転送経路のパス情報を全てのルーターに配布し、それぞれのパケットにラベルを付けて転送しています。中継するルーターはラベルを見てパス情報に基づいて転送することを繰り返しながら、目的地までパケットを送っていました。これまでの方式では、ラベルとパス情報の配布がそれぞれ別々に処理されるため、経由する全てのルーターが多くの情報を保持する必要がありました。ルーターの追加など、ネットワーク構成が変わるたびに最適な転送経路パス情報に更新するための大掛かりなメンテナンスをしなければならず、設計の複雑化や拡張性の低さ、管理コストの増加などの課題がありました。

今回導入したセグメントルーティングは、ラベルはルーティングプロトコルの拡張で処理することができ、パス情報の配布は不要になります。入り口のルーターが転送経路のパス情報を持ったセグメントIDをパケットに付けることで、経由する全てのルーターがパス情報を持つ必要がなくなり、最適な経路でパケット転送をすることが可能となります。セグメントルーティングの導入により、IPコアネットワークの設計がシンプルになり、今後のサービス拡張や増大するトラフィックに柔軟かつ速やかに対応することが可能となるだけでなく、設計や管理に必要なリソースも大幅に削減することが可能となります。

セグメントルーティングは、第5世代移動通信システム(5G)で、次世代モバイルIPコアネットワーク構築時のシンプル化および最適化を実現する新技術として期待されています。

ソフトバンクは、セグメントルーティングを含め、最新技術の導入によるネットワークのさらなる効率化を図り、今後増大するトラフィックに対応する信頼性の高いモバイルネットワークの実現を目指し、来るべき5GやIoTの時代に向けてさまざまな取り組みを推進していきます。

セグメントルーティング構成図

セグメントルーティング構成図
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