2019年3月期 決算説明会 主な質疑応答

日時 2019年5月8日(水)午後4時~5時30分
登壇者 代表取締役社長執行役員 兼 CEO 宮内 謙、代表取締役副社長執行役員 兼 COO 榛葉 淳、代表取締役副社長執行役員 兼 COO 今井 康之、代表取締役副社長執行役員 兼 CTO 宮川 潤一、取締役専務執行役員 兼 CFO 藤原 和彦
  • 今期の業績予想について、ヤフー株式会社(以下、ヤフー)の連結を考慮しない場合、増益率があまり伸びないのはどのような理由によるものか。

    ソフトバンク株式会社(以下、当社またはソフトバンク)の営業利益は、ゆるやかながらも堅実に伸ばしていく見通し。通信料の値下げ、ドコモや楽天の発表の影響等、さまざまなものを考慮に入れている。また、2019年3月期は親会社へのブランド料支払いがなくなった年であり、2020年3月期はその分改善の影響が出ないが、前年対比としては堅調な数字であると受け止めていただきたい。

  • 「スマホデビュープラン」について、2年目、3年目以降の料金を教えてほしい。

    1年目980円(税抜)、2年目以降は1,980円(税抜)となる。

  • ドコモの新料金プランが6月から開始するが、どのように差別化していく予定か。

    「SoftBank」の大容量プランは最安値で提供している。今後、「Y!mobile」のプランとの比較になると思うが、差別化として「PayPay」ポイントプレゼントなどは検討していきたい。

  • 総務省の通信と端末分離の規制について、現状ソフトバンクとしては既に対応済みという認識でよいのか。

    「SoftBank」は昨年9月から分離プランを導入し、「Y!mobile」も上半期めどに分離プランを発表する予定。政府の方針にのっとって、ユーザーに満足を与えられる対応を今後も検討していく。

  • 端末分離プランによって端末の値段が上がったが、今後の対応の見通しは。

    今後の対応は現時点では未定。買いやすくするということをこれまでも追求してきたが、店頭での端末の利用方法に関するサービスや、端末分離での分割購入などの方法を今後も検討していきたい。戦略的なことなのでここでは具体的な発言を控えたい。

  • 「スマホデビュープラン」を「Y!mobile」ではなく「SoftBank」で出した理由は。

    お客さまの声をヒアリングする中で、ご家族で購入を検討する際など、「SoftBank」で導入することが喜ばれると考えた。

  • 対楽天という観点で、携帯電話事業やヤフーの分野をどのように考えているか。

    「Y!mobile」、「LINEモバイル」をMVNOの楽天と比較すれば、現状から大きく変える必要はないと考える。MNOとなった場合は、今後検討していく。

  • 端末分離の中で、今後の端末価格の見通しを教えてほしい。

    5Gの端末をさまざまなベンダーと検討しており、秋ごろに発表する予定。低価格帯から高価格帯のバラエティーに富んだ端末という点で、端末調達力も重要となる。5Gスマートフォンも含めて、端末のラインアップを広げていこうと考えている。

  • ヤフーの子会社化でどのような相乗効果があるのか。

    「Yahoo!プレミアム」無料提供や「Yahoo!ショッピング」でのTポイント10倍付与をはじめとし、相乗効果が多くあった。ヤフーを通じて当社のスマートフォンを獲得するなど、既存ビジネスへのリターンも多くあり、今後新規事業へのリターンも大きくなってくると考えている。本日発表の事業見通しにはヤフーとのシナジーの効果は含まれていない。

  • 今後ヤフー連結の後、ヤフーの社名を変えるなどの予定はあるか。

    ヤフーは公開企業であり、ここでお答えする内容ではない。

  • 今後の収益見通しについて、携帯料金の値下げなどといった通信業界の環境変化が収益に大きく響いているという理解でよいのか。

    通信業界の環境変化は確かにあるが、5Gによって環境はまた変わると考えている。2021年くらいから5Gのネットワークを使った展開を開始したいと考えており、そこからまたチャンスが生まれると考えている。

  • ヤフーの連結化や「PayPay」等の新領域が、いつ頃収益源となるのか。

    新領域の事業はわれわれのプラットフォームを作っていくものであり、投資コストは当然かかる。顧客やトラフィックを伸ばしていくために、投資を積極的に行っており、この先5年程度のタームで見ると、大変大きな収益の伸びを作ることができると考えている。初期の段階は投資先行になるが、堅実に投資を行っていく。

  • 携帯料金の市場や競合の料金プランによっては、大きな値下げを検討する可能性はあるか。

    当社は3年前から、格安スマホや大容量プランに取り組んできている。マーケットの状況によって料金の検討を適宜行うが、現在の状況を見れば微修正程度で対応できると考えている。3ブランドでのブランディングをきっちり進めていく。

  • ヤフーの株式追加取得について、どのようなスキームになっているのか。

    ヤフーが第三者割当増資をし、それを当社が引き受ける。ヤフーの昨日の終値の302円で当社が購入し、ヤフーの45%の株主となり、連結子会社化する。同時にヤフーは自己株式の公開買い付けを実施する。後者についてはヤフーにご質問を頂きたい。今回の件は、当社とヤフーで連携強化の議論をする中で、2社間で話し合いを行い合意に至った内容である。ヤフーはヤフーとしてソフトバンクグループ株式会社(以下、SBG)にTOBを相談したという経緯。

  • ヤフーの株式取得について、第三者のアドバイザーがついていたのか。

    それぞれ異なるフィナンシャルアドバイザーがついている。

  • SBGがヤフーを持っていたので、ヤフーとのシナジーはこれまでも実現できたと思うが、なぜソフトバンクが株式を取得しなければならなかったのか。

    兄弟と親子では関係性は全く異なる。親子になれば、ヤフーの利益が当社に入ってくるようになる。「PayPay」を開始し、それぞれの利益を考えたときにヤフーと当社で話し合いをし、このような座組になった。

  • 孫会長がそれぞれの会社の取締役になっていると思うが、どのような情報の隔壁を設けたのか。

    ヤフーと当社で話し合いをしてスキームを検討したあとに、SBGに相談をした。孫はヤフーと当社における役員会の討議・議決ともに出席していない。SBGの役員会での検討も適切に行っている。

  • WeWorkもSBGとソフトバンクが持っていると思うが、今回のヤフーのようにソフトバンクが子会社化する事例は今後も出てくる可能性があるか。

    新領域の分野では、世界で成功したユニコーンを日本に持ち込み、ヤフーや当社のリソースを使って、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」と共にまずはジョイントベンチャーを多く作っていく方針である。