2020年3月期 決算説明会 要旨

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日時 2020年5月11日(月) 午後3時30分~5時
登壇者 ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内 謙
ソフトバンク株式会社 代表取締役 副社長執行役員 兼 COO 榛葉 淳
ソフトバンク株式会社 代表取締役 副社長執行役員 兼 COO 今井 康之
ソフトバンク株式会社 代表取締役 副社長執行役員 兼 CTO 宮川 潤一
ソフトバンク株式会社 取締役 専務執行役員 兼 CFO 藤原 和彦

はじめに

この度の新型コロナウイルス感染症の拡大で影響を受けられている方々に、心よりお見舞い申し上げます。当社は、感染拡大防止に向けた取り組みを全社で行うとともに、「情報革命で人々を幸せに」という理念に基づき、企業や教育現場向けに遠隔通信ソリューションを無償で提供するなどといった施策を積極的に行っています。今後も社会インフラを担う通信事業者としての責任をしっかりと果たしていきます。

要旨

決算説明会では、「SDGs経営に向けた重要課題の特定」「2020年3月期 連結実績」および「2021年3月期 連結業績予想」の3点について、社長の宮内より説明しました。

1. SDGs経営に向けた重要課題の特定

当社は2020年4月、中長期的な企業価値向上を実現するために当社が優先的に取り組むべき課題として、6つの重要課題(マテリアリティ)を特定しました。今後も、事業活動と企業活動の両面で社会課題の解決に継続的に取り組むことで、国連の定める「SDGs(持続可能な開発目標)」を追求し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

2. 2020年3月期 連結実績

2020年3月期の売上高は4兆8,612億円と、前期比30%増加しました。当社は2019年6月にZホールディングス株式会社を子会社としましたが、2019年3月期の期初からZホールディングスを子会社化していたとみなして、2019年3月期業績の遡及修正を行っています。遡及修正後の前年業績と比較した場合、売上高は前期比4%の増加となります。セグメント別売上高では、全てのセグメントが遡及修正後の前期比で増収となりました。

営業利益は9,117億円となり、前期比で27%増加しました。遡及修正後の前期比では11%の増加となります。セグメント別にみても、全てのセグメントが遡及修正後の前期比で増益となりました。コンシューマ事業はスマートフォン契約数の増加などにより前期比198億円の増益、法人事業はソリューションビジネスの伸びにより73億円の増益、流通事業はパソコンの買い替え需要の下支えにより20億円の増益、ヤフー事業はコマース領域の拡大により164億円の増益となっています。その他事業の営業利益が481億円増加していますが、これは第1四半期にPayPay株式会社が子会社から持分法適用会社に変更となった影響や子会社の株式評価益などによるものです。

持分法投資に関連する損益はPayPayなど新規事業において先行投資が増加し-424億円となりました。親会社の所有者に帰属する純利益は、特殊要因による押し下げがあったものの、前期比で10%増加し過去最高益の4,731億円となりました。遡及修正後の前期比では2%の増加となります。

一株当たり配当金は、前期比10円増配の年間85円を予定しています。

通信事業

2020年3月期のコンシューマ事業の売上高は、携帯端末売上の減少を、モバイル通信サービスおよびブロードバンドサービスの売上の伸びが上回り、前期比で増収となりました。特にモバイル通信サービスでは、“ソフトバンク” “ワイモバイル” 「LINEモバイル」という特徴の異なる3つのブランドを提供する「マルチブランド戦略」を推進しました。2020年3月期は電気通信事業法の改正や異業種からの参入など事業環境に変化があったものの、各ブランドにおいて料金プランの強化を行うと同時に、販売拡大に注力した結果、スマートフォンの累計契約数は前期末比で3ブランドとも増加し、全体で205万件増の2,413万件となりました。またユーザーの料金満足度では、3ブランドとも90%以上という高い評価をいただくことができました。さらに、子会社であるヤフーや「PayPay」と連携したサービスで差別化を図るとともに、増え続ける通信トラヒックに対応したネットワーク対策にも注力し、高い通信品質の維持に努めています。その結果、スマートフォン解約率は年度平均で0.70%と過去最低を更新しました。今後も、お客さまに選ばれ続けるブランドを目指して取り組んでいきます。

また当社は、2020年3月に次世代通信システム「5G」の商用サービスを開始しました。今後は、4Gで培った強みを最大限活用し、他社とも連携しながら、展開エリアの拡大を図ります。2020年度末に全国47都道府県での5G展開、2021年度末には人口カバー率90%超を目指します。

法人事業では、クラウド、デジタルマーケティング、IoT、セキュリティなどを含む「ソリューション等」の売上の伸びが業績をけん引し、前期比3%の増収となりました。足元ではテレワークの急速な浸透により、社外からのリモートアクセスサービスやウェブ会議サービスの需要が急増しています。当社は、今後もこのような企業の業務デジタル化ニーズを的確にとらえ、デジタルトランスフォーメーションで社会に貢献していきます。

ヤフー事業

2020年3月期に新たに加わったヤフー事業も、前期比10%の増収となりました。コマース領域では、特にソフトバンクの子会社となった2019年6月以降、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOの子会社化や、ヤマトホールディングス株式会社との連携など、ダイナミックな経営判断を次々と実行しました。その結果、eコマース取扱高は前期比で14%増加しました。メディア領域では、特に広告サービスにおいて、当社と営業面での連携を強化した結果、既存顧客の出稿額増や新規顧客の獲得により広告出稿額が増加しました。これらの取り組みにより、減少傾向だったZホールディングスの連結営業利益は2020年3月期に増加に転じました。さらに2021年3月期にはZホールディングスとLINE株式会社の経営統合を予定しており、統合完了後の当社グループは、通信から広告、決済、AI、コミュニケーションまで、テクノロジー領域に幅広い強みを持つ、他に類をみない企業グループとして企業価値のさらなる向上を目指します。

新領域

2020年3月期の新領域は、事業ポートフォリオの最適化に取り組みました。「PayPay」のように拡大期にあるビジネスに集中的に投資を行った一方、デジタルマーケティングやAIによる画像認証サービスなど、今後の成長が見込める市場に新たに参入しました。

スマートフォン決済サービス「PayPay」は、2020年4月末時点で累計登録者数2,800万人を超えており、スマートフォン決済サービスで国内No.1の地位を確立しています。2020年は金融サービスを本格化すると第3四半期決算発表時に申し上げましたが、すでにあと払いサービスと投資サービスの試験運用をスタートさせています。今後も「スーパーアプリ」を目指し、金融サービスをさらに強化していきます。

AIで需要予測を行うタクシー配車プラットフォーム「DiDi」は、2020年3月期に大きくサービスエリアを拡大し、2020年3月末時点で全国25の都道府県でサービスを提供しています。現在タクシー業界は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の影響を受けていますが、「DiDi」への業績影響は比較的軽微であり、今後も情勢の変化に合わせたサービスを追求することで、着実な成長を目指します。

最先端テクノロジーとデータ分析を活用して快適なワークスペースを提供する「WeWork」は、メンバー数が前期末比で1.8倍と順調に拡大しています。今後は、特に稼働率の高い東京エリアへ集中的に拠点を展開していきます。さらに現在、新型コロナウイルス感染症の流行により、企業のテレワーク化が急速に進んでおり、今後、オフィスの分散化などのニーズはさらに高まると考えられます。多様化するオフィス需要をとらえ、WeWork Japan 合同会社は2021年3月期中の単月黒字化を目指します。

世界的ホテルチェーンOYO Hotels & Homesとの合弁会社OYO Hotels Japanは、手頃な価格で地域に根ざしたホテルブランドの確立を目指し、成長戦略を再構築しています。新型コロナウイルス感染症の流行によりホテル業界は大きな影響を受けていますが、OYOホテルは業界平均に比べて稼働率を維持しています。 サイバー攻撃対策プラットフォーム「サイバーリーズン」は、エンドポイント・セキュリティ・ソリューションで国内シェアNo.1の地位を確立しています。さらにリモートワークを狙ったサイバー攻撃の増加を背景に、2020年3月以降、新規獲得数が急増しています。

3. 2021年3月期 連結業績予想

2021年3月期の売上高は4兆9,000億円、営業利益は9,200億円、親会社の所有者に帰属する純利益は4,850億円を予想しています。一株当たり配当金は年間86円を予想しており、成長と還元の両立という当社の配当方針に基づき、新型コロナウイルス感染症の影響下でも増益・増配を目指します。

2021年3月期 経営方針

通信事業では、5Gを積極的に展開するとともに、引き続きスマートフォン契約数の拡大を図ります。ヤフー事業では、eコマースや金融事業に注力します。新領域では、「PayPay」などのさらなる拡大を図るとともに、新規事業の創出にも取り組みます。同時に、全社横断でコスト効率化を推進し、成長戦略と構造改革の両方を徹底的に追及します。

新型コロナウイルス感染症の業績影響

現在、新型コロナウイルス感染症の流行が経済活動に大きな影響を与えていますが、当社の通信事業への影響は比較的軽微と考えています。外出自粛要請により店舗へ来店いただくお客さまは減少しており、それによる端末売上や新規獲得数の減少はありますが、同時に解約数も減っているため、累計の契約数は引き続き安定的な推移を見込んでいます。また、自宅での通信サービスの利用増加を背景に通信料収入も底堅く推移すると見込んでいます。法人向けサービスも、営業活動に影響が出ている一方で、テレワーク関連サービスの需要が急増しています。ヤフー事業に関しては、特定業種からの広告出稿の減少によりメディア領域の先行きが不透明な一方で、eコマースを中心としたオンラインサービスの利用が増加すると見込んでいます。

[注]
  1. ※1
    当社は2018年12月に上場したため、2019年3月期の配当は、半期分にあたる一株当たり37.5円の期末配当のみ実施しました。これを年間換算すると一株当たり75円相当となります。また2020年3月期の配当は、2020年5月21日に開催予定の当社取締役会に付議する予定です。
  2. ※2
    Zホールディングス株式会社とLINE株式会社の経営統合は、必要とされる各国における競争法、外為法その他法令上必要なクリアランス・許認可などの取得が完了していること、当社とNAVER Corporationを含む4社間で締結した経営統合契約書において定める前提条件が充足されることを条件として行われます。
  3. ※3
    2021年3月期連結業績予想は、Zホールディングス株式会社とLINE株式会社の経営統合の影響を考慮していません。また新型コロナウイルス感染症の拡大については、2020年4月時点において当社が想定しうる業績への影響を織り込んでいますが、今後の状況次第では変更する可能性があります。