2022年3月期 第2四半期
投資家向け説明会
主な質疑応答

日時 2021年11月4日(木)午後6時~午後7時
登壇者 ソフトバンク株式会社 取締役 専務執行役員 兼CFO 藤原 和彦
ソフトバンク株式会社 執行役員 財務経理本部 本部長 内藤 隆志
ソフトバンク株式会社 財務戦略本部 本部長 秋山 修
  • 第2四半期の月別純増数の状況、および今後の見通しは。また、通信料金の水準についての見解は。

    第1四半期においては4月の純増数が弱く、6月にかけて回復していた。7月~9月は月別で大きな動きはない。第2四半期の純増は第1四半期と比較して改善した一方、緊急事態宣言継続の中で、量販店への来客数やイベント開催に制限があり、当社の強みを生かしきれない環境だった。緊急事態宣言解除後の10月は現場の活気が戻りつつあり、このまま情勢が落ち着けば当社の強みを生かせると期待している。通信料金については、ユーザー獲得に向けて、現状の価格設定を維持していく。

  • 2021年度第2四半期のARPUは前年同期比約210円低下し、年間平均ARPUも同様に前年比約210円の低下を見込むが、第3四半期以降の動きは。

    通信料金値下げによるARPUの低下は四半期ごとに拡大する。一方で、第3四半期以降は、「スマホデビュープラン」の対前年での伸びの鈍化、「おトク割」会計処理による前期比プラス影響、ARPUの低いiPadの供給不足による販売減少など、通信料金値下げの影響を相殺する要素があるため、通信料金値下げ以外のARPUの減少幅は小さくなると見込んでいる。

  • ブランド構成比の変化による悪化影響は、通信料金値下げの影響約260億円に含まれるのか。構成比変化による悪化のトレンドは今後も継続するか。

    従来からあった低料金ブランドへの移行は通信料金値下げの影響に含んでいない。通信料金値下げによる構成比の変化を通信料金値下げ影響に反映している。機種変更のタイミングで新料金プランに変更されるユーザーが多いため、2、3年は悪化トレンドが継続すると見込んでいる。ただし5Gを展開していく中でアップセルのチャンスは探していきたい。

  • 5G端末の販売状況は。また、人口カバー率や基地局整備の状況は。

    端末は5Gを中心に販売しており、契約数と共に順調に伸びている。基地局の整備もおおむね順調であり、5Gの人口カバー率は80%程度となっている。2022年春に人口カバー率90%という目標は変わっていない。

  • 第2四半期における法人事業の増益率が6.6%と、期待より低かったと感じたが要因と今後の方針は。

    モバイルとソリューションが若干物足りなかったが、下期はこれらの売上増に期待したい。法人事業では企業や自治体から多くの問い合わせをいただいており、人手が不足している。上期はコスト面などでブレーキを掛けることなく、成長重視で多くの案件に取り組んだ。

  • 法人事業において増収率が1桁台であれば、オーガニックな増益率もやはり1桁台になるのか。

    法人事業はクロスセルが主体であり、商材によって利益率が異なるが、基本的に売上が伸びるとマージンも改善する。デジタルマーケティングなどの期待できる領域を含め、効率的に利益を伸ばせるように検討していく。

  • 法人事業では、iPadの供給不足による、端末販売減少以外の派生的な影響はあったか。

    第1四半期に比べて、第2四半期の法人事業のモバイル売上の伸びの鈍化のうち約半分は、iPadの供給不足を含む端末販売の減少によるもの。現時点で他の影響はない。

  • 販促費について、2021年度上期は増えているが、通期の見通しは。

    第1四半期は前年に新型コロナウイルスの影響で営業活動を控えており、反動で今年は販促費が増えている。一方で、第4四半期は前年に多くの販促費を投下したため、今年は販促費が減る。コンシューマが減益となる中、純増にこだわりつつ、コストコントロールはシビアに臨んでいく。

  • 下期の営業利益計画について、セグメントごとに教えてほしい。2021年度第3四半期はコンシューマ事業の減益を法人事業とヤフー事業で補った結果の微減益という理解でよいか。また、2021年度第4四半期は大幅増益の計画だが、コンシューマ事業における販促費抑制が主因か。

    コンシューマ事業については、引き続き通信料金値下げによるプレッシャーも大きいが、「半額サポート」の影響がなくなるなど、第2四半期よりも第3四半期の方が減益幅は小さくなる。第4四半期はコンシューマ事業における販促費抑制に加え、前年のZホールディングス(株)の減損損失の反動がある。Zホールディングス(株)はブランド使用料の削減などもあり好調な一方でコマース等投資をしたい分野もあり、見通しについては経営判断によるので明言は避けたい。法人事業については、今期の営業利益予想1,280億円を必達目標として取り組んでいく。

  • PayPay(株)のIPOや連結化の考え方に変化は。

    PayPay(株)による決済手数料有料化を実行できたことは、黒字化に向けた大きな前進となった。当初は2022年くらいからの黒字化も視野に入れていたが、圧倒的No.1のポジションを得るべく成長を重視したオペレーションに舵を切ったため、黒字化の時期はマーケティング費用の投下をいつまで続けるかによる。成長との兼ね合いを見ながら費用投下を検討し、機会があればさらなる投下もあり得る。IPOおよび連結化について、具体的なものは決まっていない。2022年4月以降に連結化が可能となる。

  • PayPay(株)の黒字化時期を延期し、規模拡大に注力するとのことだが、最重視する指標は何か。また、赤字の規模は今後縮小していくか。

    最重視している指標は決済回数だが、ユーザー数や加盟店数などを含め複合的に成長を判断している。今期は成長促進を重視し、マーケティング費用を投下していく方針。来期以降も、成長機会があればこの方針を継続する可能性がある。