2022年3月期 第3四半期
投資家向け説明会
主な質疑応答

< 戻る

日時 2022年2月3日(木)午後6時~午後7時
登壇者 ソフトバンク株式会社 取締役 専務執行役員 兼CFO 藤原 和彦
ソフトバンク株式会社 執行役員 財務経理本部 本部長 内藤 隆志
ソフトバンク株式会社 財務戦略本部 本部長 秋山 修
  • モバイルについて、解約率が高い市場環境の中で、今後どのような販売戦略を展開するのか。今後も“ワイモバイル”を主戦力のブランドとして注力していくか。

    厳しい競争環境の中でも当社は競争力をつけており、販売の基調は悪くないと捉えている。“ワイモバイル”が強調されているが、“ソフトバンク”も他社ブランドからの移行が好調。“ソフトバンク”の強みである大容量プラン(「メリハリ無制限」)を訴求することや、“ワイモバイル”からのアップグレードの流れを作ること、「PayPay」や「Yahoo! JAPAN」「LINE」などスマホと親和性の強い当社関連サービスと合わせて利便性を磨くことで、マルチブランドの展開をしていきたい。

  • 通信業界全体の顧客流動性が高い中、スマホ解約率は今後下がるとみているか。グループサービスをバンドルしていくことで解約率を下げていくことができると考えているか。

    第1四半期以降、当社は徐々に現在の市場環境に慣れ、競争力を付けてきているものの、スマホ解約率の見通しについては、現状がベースと考え、過度な期待はしていない。通信料金値下げ影響前と比較すると解約率は依然高いが、流動性の高い市場環境を経営的に冷静に見ながら、サービスの魅力向上に挑戦していきたい。

  • ARPUは今期第4四半期で更にやや低下するとのことだが、変動要因は。

    ブランド移行の勢いは第2四半期以前よりは落ち着いてきているものの、新料金プランの浸透が進み、ブランド移行影響を含む通信料金値下げによるマイナス影響は継続している。一方で、単価が低い「スマホデビュープラン」の対前年での伸びの鈍化や、「おトク割」会計処理による前期比プラス影響などがある。これらを原資に新たなキャンペーンの実施を検討している。

  • 5Gの人口カバー率が85%達成とのことだが、ユーザーの獲得にどのように貢献しているのか。

    5Gによるユーザー獲得への直接的な効果については、モバイルではまだ生かし切れておらず、今後の課題であると認識している。一方で、ブロードバンドや法人事業での新規事業創出に期待している。

  • 5GのARPUの戦略について、データ容量無制限プランの割合を増やしてARPUを上げることよりも、端末値引きなどの端末販売促進によって契約数を増やすことを重視する考えか。

    端末値引きによる販売促進も行っているが、当社は元々データ消費量の多いお客さまが多く、大容量プランに注力していることは変わっていない。現在は「YouTube」とタイアップしたキャンペーンを行うなど、大容量プランへの注力は継続していく。今後は、現状中小容量がメインの“ワイモバイル”のお客さまをどう大容量に誘導していくかが課題と認識している。

  • ARPU低下などの厳しい状況下においても積極的に設備投資をしているが、コスト削減と成長のバランスをどう捉えているか。コスト削減にはどのように取り組んでいるか。

    コスト管理はもう一段厳しくしていくが、連結全体で利益とのバランスを見ながら、非通信領域へのシフトや、当社の法人事業だけでなく社会的にも重要な5Gのネットワーク基盤構築に注力していきたい。5Gの設備投資は前倒しで行っているため、単年ではなく複数年の単位でコストコントロールしていく。コスト削減の具体策としては、非通信領域に人員をシフトする人事施策やデジタル化を活用した業務効率化、販促費のコントロールなど、多岐にわたり取り組んでいる。

  • 来年度の販売促進費は横ばいか、あるいは下げる方針か。

    競争環境次第だが、販売促進費含むコストの使い方に関しては引き締めて取り組んでいく。

  • 決算説明会で、コンシューマ事業の利益を2022年度に底打ちさせたいと社長の宮川が言及していたが、2023年度まで通信料金値下げ影響が見込まれる中で底打ちをどのように実現させる考えなのか。

    通信料金値下げのプレッシャーがあるなかで、まずはコンシューマ事業の減益を同じく通信領域である法人事業でカバーできる体制を構築し、その上でコンシューマ事業として増益につながる領域を見出していきたい。

  • 新たな収益源としてポテンシャルのある事業は。

    約330あるグループ会社各社は、成長途上だが、個々に強みがある。これらの会社とシナジー強化に向けて取り組んでいる。例えば法人事業に関しては、これまで主な顧客層であった大企業に加えて、今後は中小企業へのアプローチも一層強化していきたい。アスクル(株)が持つ300万以上の企業の口座やLINE(株)の商材など、関連会社のサービスや顧客基盤を生かす余地があると見ている。

  • 来期の業績目標1兆円達成に貢献する事業や要素は何か。

    詳細は今年5月の年度決算説明会で発表する予定だが、当社は掲げた目標にこだわり抜く意思がある。