2023年3月期 第1四半期
投資家向け説明会
主な質疑応答

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日時 2022年8月4日(木)午後6時~7時
登壇者 ソフトバンク株式会社 取締役 専務執行役員 兼 CFO 藤原 和彦
ソフトバンク株式会社 執行役員 財務経理本部 本部長 内藤 隆志
ソフトバンク株式会社 財務戦略本部 本部長 秋山 修
  • 総合ARPUは2021年度第4四半期に前年同期比280円低下、一方で2022年度通期は前期比270円低下の見通し。今後のARPUの対前年の減少幅について、2022年度第2四半期以降はどのような見通しか。また、どのような要因で対前年の減少幅のピークを越えたのか。

    2022年度第2四半期はあまり大きな変化はないが、第3、第4四半期にかけて通信料の値下げ影響は減少していくと期待している。ブランド変更の動きは少しずつ収束しており、通信料の値下げ影響は減少していく見通し。ただ、通信料の値下げ影響以外にも、“ソフトバンク”でのスマホデビュープランや、“ワイモバイル”獲得によるARPUの減少影響もあるので、通信料値下げの影響の収束がそのままARPUの下落の収束になる訳ではない。獲得件数とARPUの両面から、収益拡大に努めていきたい。

  • 中期的にARPUを引き上げていくための取り組みは。

    現在獲得をけん引している“ワイモバイル”のARPU向上に加えて、“ワイモバイル”のお客さまに、いかに“ソフトバンク”に移っていただけるかがテーマと捉えている。また、“ソフトバンク”ブランドの価値を向上させるために付加価値サービスの検討などを行っている。グループ各社とも連携し、お客さまに“ソフトバンク”ブランドでよかったと感じていただける体験を提供していきたい。

  • コンシューマ事業の物販が前年同期比74億円の減益となっているが、要因は。

    機種変更数が前年同期比で減少し、それが端末販売台数にも影響したことが主な要因。市場環境によって端末のプロダクトやサービスなどさまざまな動きが想定されるため、今回の物販の減益のみを捉えて悲観するような話ではないと考えている。

  • コンシューマ事業について、契約コストは今後減っていくのか。また、2023年度の獲得関連費用の見通しは。

    獲得関連費用の繰延影響について、3年で繰り延べているとすると、2022年度第1四半期実績では、2018年度の第1四半期の費用が無くなり2022年度の第1四半期の獲得関連費用が追加されるという構造にある。2018年度から2020年度は、事業法の改正、消費税引き上げ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより獲得関連費用(繰り延べ前の支払いベース)が少なかった。しかし、2021年度からは流動性が高まり、獲得関連費用(繰り延べ前の支払いベース)が増加した。2022年度も、繰り延べ前の獲得関連費用につき、2021年度と同じ水準または若干の増加を見込んでいる。従って、2023年度の獲得関連費用(繰り延べ後)も、獲得関連費用(繰り延べ前の支払いベース)が増加した2021年度以降の影響を大きく受けるため、前年対比で増加傾向となる。ただし、今後の販売施策や販売商品の構成によっても変わってくる。

  • コンシューマ事業について、2022年度第1四半期は獲得関連費用の増加を広告宣伝費や販促費などの削減で相殺できているが、今後も削減の余地はあるのか。

    2022年度第1四半期の広告宣伝費は、前年同期比で大きな削減だった。他の四半期ではここまで大きな削減は見込んでいない。今後の広告宣伝費や販促費の削減については意思決定次第。通期ガイダンスを見極めながら、費用対効果を見て経営判断をしたい。

  • 2022年度第1四半期のスマートフォンの純増数34万件について、“楽天モバイル”からの流入はどの程度貢献したか。第2四半期以降のスマートフォンの純増の見通しは。

    2022年度第1四半期の純増数への個別の影響についての言及は控える。これまでは、“楽天モバイル”に流出していたが、プラスに転じている。第2四半期以降については楽観視していないが、営業の自信も回復しているので、今の勢いを大切に取り組んでいきたい。

  • モバイルのブランド間のアップグレードの状況について。

    “ワイモバイル”から“ソフトバンク”にブランド変更する数は若干増加傾向にある。

  • 機種変更の割合や端末の販売構成などが粗利率に影響しているのか。もしくは、粗利率はあまり変わらないか。

    単価ではなく数量が大きな影響となっている。端末の販売構成による粗利率への影響はあまり大きくない。現在端末価格が値上がりしているため、単価が2022年度第2四半期以降は改善し、全体でも改善していくと予測。

  • コンシューマ向けのSA(スタンドアローン)方式の5Gサービスを本格展開するのはいつ頃か。

    SA対応の端末の販売などはまだ限定的であり、本格展開はもう少し先になる。

  • コンシューマ事業のブロードバンドの売上は、前年同期比で18億円減少しているが、今後の見通しは。

    「SoftBank Air」の販売機種を4Gから5Gに切り替えており、4Gのみ対応の機種を中心に通信料の値引き施策を行っていることが影響している。「SoftBank Air」自体の売上は前年同期比で増加しているが、ADSLの減少によるマイナス影響などを吸収できなくなったことが、今回の数字の背景とご理解いただきたい。なお、「SoftBank Air」の通信料の値引きは期間が限定されているので、儲からないビジネスをしているということではない。

  • 電力の原価が高騰する状況下で、どのような取り組みを検討しているか。

    今後の電気料金については、業界の動向を見定めた上で意思決定したいが、利益にとってのマイナス要素は増えてくるだろう。でんき事業は前年同期比で仮に減益になったとしても、黒字は維持できる見込み。

  • 法人事業の営業利益は、前年同期に一過性要因があったとはいえ、利益の成長が低いのでは。通期の計画に対しては順調な進捗か。

    法人は計画対比で若干弱含み。営業のモメンタムに何か極端な変化があるわけではないが、専門領域を強めていくために、採用など人件費を相当増やしている。新しい取り組みに時間がかかっているところもある。中堅・中小企業へのビジネスの拡大は下期以降になる見通し。上期全体では前年同期比で増益となる見通し。

  • どのようにしてフリー・キャッシュ・フロー6,000億円水準を維持するのか。

    割賦債権の流動化やワーキングキャピタルの改善に向けてさまざまな努力を重ねる予定。2021年度にはPayPay(株)に大規模な投資を行ったが2022年度にはそこまで大きな投資をするとは見込んでいない。M&Aなどの投資については、チャンスがあれば踏み込むが、少し慎重なスタンスである。6,000億円の水準にはこだわりたい。6,000億円のフリー・キャッシュ・フローから、約1,250億円のIFRS16影響を除くと約4,750億円となる。配当総額が約4,000億円規模のため、損益が前年比で最も厳しくなる今の局面でも、この程度のマージンは維持したい。

  • 以前、フリー・キャッシュ・フローが6,000億円を維持できることを前提に、配当は維持するという説明をしていたが、フリー・キャッシュ・フローと配当はリンクしているのか。

    フリー・キャッシュ・フローを創出できていることを前提に、配当をお支払いするのが健全な経営だと考えている。2023年度以降の配当方針については、2023年5月の決算発表時にコミュニケーションをさせて頂きたい。

  • 2023年度のフリー・キャッシュ・フローを維持されるということは、2023年度の配当も維持されると現時点では考えてよいか。

    最終的な結論は2023年5月の決算発表時にお出ししたいと思うが、その方向で考えている。

  • PayPay(株)の連結子会社化に伴い、ネットレバレッジ・レシオがどのように変わるか。

    新しく開示したネットレバレッジ・レシオの定義では、Zホールディングス(株)を除いており、PayPay(株)も除く予定のため、PayPay(株)連結による影響は出ない。連結全体のネットレバレッジ・レシオにおいては、PayPay(株)がうまくキャッシュを回しているため、同社の連結は短期的なプラス要素になると期待している。今後に向けて定義を明確化し議論していきたい。

  • 配当を考える際に、新定義でのネットレバレッジ・レシオを基に検討を行うのか。また、どの程度の悪化まで許容できると考えているか。

    新定義のネットレバレッジ・レシオが当社の実力値を表しており、重要な指標と考えている。ネットレバレッジ・レシオの水準としては2倍台にはこだわっており、出来れば2倍台半ばという目線を持っている。何か特別な成長機会があれば、また違った議論が必要になるが、通常はそのような考え方である。

  • Zホールディングス(株)の業績は広告中心のため、不景気になれば連結全体のレバレッジが悪くなる可能性がある。しかし、ソフトバンク(株)としては、Zホールディングス(株)を除いた新定義のネットレバレッジ・レシオを基に格付け機関とコミュニケーションを取り、配当を考えるということでよいか。

    Zホールディングス(株)は公開会社であり、キャッシュ・フローはソフトバンク(株)とは独立してハンドリングしている。よって、新定義でのネットレバレッジ・レシオを見ながら格付け機関と話すことになると思う。また、当社は上場当時と比べると、借入期間なども延びており、色々な意味でファイナンスの安定性は増してきている。新定義のネットレバレッジ・レシオは我々のポジションをよく表している。

  • 新設予定の金融事業(仮称)にはどの会社が含まれるのか。

    金融事業(仮称)の範囲については、決まり次第お伝えする予定。PayPay(株)とSBペイメントサービス(株)を中核にした金融事業(仮称)によって、「Beyond Carrier」戦略をさらに加速させていきたい。