社外取締役
スモールミーティング
主な質疑応答

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日時 2022年4月4日(月) 午後3時~午後4時
出席者

ソフトバンク株式会社
社外取締役 独立役員 上釜 健宏(略歴
指名委員会・報酬委員会・特別委員会委員

社外取締役 独立役員 植村 京子(略歴
指名委員会・報酬委員会・特別委員会委員

モデレーター
一般社団法人 日本IR協議会 専務理事 佐藤 淑子氏

  • それぞれ上場会社であるソフトバンク(株)(以下、「ソフトバンク」)とZホールディングス(株)(以下、「Zホールディングス」)の関係についてはどう考えているか。ガバナンス、シナジー、これからのグループ形態・事業組織、株主還元などについてどのような議論がされているか。

    大きな組織で複雑な状態であることは認識しており、統廃合・整理する過程にあると考えている。Zホールディングスが今後ソフトバンクの成長戦略の要になっていくだろうと思っている。中立性を保ちながらガバナンスも効かせる必要があり、社外取締役としても一番注視しなければいけない。
    ヤフー(株)(現Zホールディングス)(以下「ヤフー」)は、パソコンを中心としたインターネットで発展してきたが、スマホに移行するにあたっては、ソフトバンクのスマホユーザーとの連携は非常に意味があった。LINE(株)との統合や「PayPay」は、ソフトバンクとヤフーが一緒にならなければできなかった事業であり、ソフトバンクのスマホユーザーによりヤフーのショッピングのユーザーも広げることができた。ソフトバンクにとってもヤフーは、料金問題もある中、通信の差別化という意味でも重要なパートナーであり、両社ともにシナジーはかなり出ていると考えている。
    また、株主還元・内部留保のバランスについては、両社の考え方に相違があるのは事実だが、上場会社として自立的な判断をしているのだと思う。ソフトバンクの今後については、内部でも議論を重ねていきたい。

  • 宮川社長が会社から200億円を借り入れて自社の株式を取得した件について、取締役会ではどういった意見、結論が出たか教えてほしい。

    かなり大きな金額であることは驚いた。趣旨は、株価に対して責任を持つというのが一番の理由。あまり日本的ではないかもしれないが、良い経営というのは、その会社のオーナーの立場を考えることであるというのは、アメリカではかなり言われていることではないかと思う。孫取締役もそのような観点から、オーナーとして会社の経営を考えろと強くおっしゃっていた。ソフトバンクを経営するにあたっては一般的なサラリーマン経営者ではだめだということだろうと思う。
    目先の株価が下がることを恐れて、間違った経営をするのではといった議論もあったが、そのようなことはなく株価を上げて株主に貢献する、株価に対して責任を取るということを明言されていて、宮川社長だったら大丈夫だろうと納得し賛成した。
    株式の購入資金については、購入した株式が担保になっていて、孫取締役は個人資産を担保にした保証人という立場を取っており、それだけ信頼されているということかと思う。

  • ソフトバンクとZホールディングスの傘下に、PayPay(株)やLINE(株)、銀行関連などで重複する分野がある。お互いに上場しているので、どちらの株主も自分が所有している株式の方に付加価値が集約するようにしたいと考えるが、公正に議論する際、どの観点から議論しているか。また、立場の違いなどはどう捉えているか。

    Zホールディングスの社外取締役との意見交換の際にも、その話は議論している。お互いに独立性を担保し、Win-Winな関係にならないといけないが、このままでその関係を築けるのかという議論が重要。Zホールディングスとソフトバンクの事業の重複は多少あるが、ZホールディングスとLINE(株)の事業統合は必須の条件だと考えている。銀行やその他についても統合はまだ始まったばかりで、個人情報の管理体制の問題などもあり少し遅れが出ていることも承知している。会社の統合には、最初混乱する場面もあるが、1~2年して新たな事業、発想、シナジーが生まれてくるとみている。「PayPay」の約4,500万ユーザーや「LINE」の約8,900万ユーザーをうまく活用して、Zホールディングスとして大きく成長するにあたり、ソフトバンクもショッピングを含めて下支えをしている。Zホールディングスが大きくなったのは、ソフトバンクが影で協力し奮闘した成果でもあり、それをZホールディングスの利益として享受している。ソフトバンクもZホールディングス以外の「Beyond Carrier」戦略やPayPay(株)など利益を享受する関係になるとみており、キャリアを中心とした長期戦略も検討している。

  • ソフトバンクグループ(株)(以下、「ソフトバンクグループ」)が4.5兆円の資産売却を発表した際、ソフトバンクの株式も売却対象になった。その際にどのような議論があったかを教えてほしい。また、今後もしまた売却があった場合など、ソフトバンクの株式価値を守る観点から社外取締役としてのお考えを聞かせてほしい。

    かなり議論になった。株価が大暴落する可能性と、今後も同様の売却がありうるのかという2点が議論の中心だった。社外取締役として、どこまで協力するべきことなのかと議論する中で、株価が下がるリスクをどの程度検討しているか、多くの質問をした。結論としては、これだけの株式をソフトバンクグループが市場で少しずつ売却した場合の方が、価格が下落するリスクがあるため、ソフトバンクとしてはPO(株式売出)を実施すると同時に自己株式を買い取ることとし、長期にソフトバンクの株式を持って下さる方を上場時と同じくらいの規模で総力を挙げて探すことで、株価が下がらないよう手当てをした。料金問題も同時に発生したため、想定していたより株価の戻りは遅くなったが、半年後には従前の価格には戻った。また、孫取締役とも協議を行い、今後は売らないという回答をいただき、その約束は守られると思っている。

  • 役員報酬体系の変更について。株主総利回り(以下、「TSR」)連動させるなど、大変良い方向だと思うが、この方式を導入された背景、これで決まる報酬の割合や株主利益とのアラインメントが進んだのかなどの評価について教えてほしい。

    報酬委員会でも議論した。役員報酬は、今後すべての業績連動報酬が株式によるものになるため、株式報酬の割合が最大で約8割となる。業績に対して責任を持つ、株式で受け取ることで株価に対しての責任も持つということだと思っている。TSRは、主観的な判断が入りづらく、かなり客観的に算出される設計になっている。現金部分は少なく、純利益が上がらないと報酬も上がらない、かなり厳しい報酬体系だと思っている。

  • 社外取締役として、問題点を自ら見つけてプロアクティブに議論して何かを決められたことはあるのか教えてほしい。

    複数ある。例えば、過去減損問題について社外取締役から指摘した。なぜそうなったのかの理由、今後の改善について説明をしていただいたことが何度かある。また、例えば子会社や関連会社の経営状況、グリップ状況については、四半期報告をさせている。上釜さんからの指摘で、ソフトバンクにとって影響のある全ての会社について、随時報告してもらうようにした。また、Zホールディングスの子会社である(株)出前館やLINE(株)の情報管理体制の問題など、リスク管理がきちんとされているのかという観点で、今後の管理体制などを確認し、ソフトバンクの持っているしっかりしたリスクマネジメントがあるので、Zホールディングスでも同様の体制にするようかなり厳しく指導した。

  • ソフトバンクは動きの激しい業界に属しているが、適切に経営を監督するために、日本電信電話(株)やKDDI(株)、楽天グループ(株)などの同業他社も把握する必要があるかと思うが、膨大な知識量が必要かと思う。そのあたりは、ご自身でみているのか、それともソフトバンクからサポートがあるのか。

    同業他社について、一般的な報道は注視しているが、ソフトバンクの執行部門にて非常によく調査していて、いろいろと分析結果を聞いている。
    取締役会および戦略会議を月1回行っており、今後の成長戦略について議論している。月次報告でコンシューマ事業や法人事業の営業成績などの説明があり、他社状況も話に出ることもある。一方でソフトバンクは独自に進化し続けないといけないというスタンスでやっており、宮川社長も新たな戦略を練っているところなので、しかるべきタイミングで執行側から発表があると思う。