社外取締役
スモールミーティング
パネルディスカッション
要旨

< 戻る

日時 2022年4月4日(月) 午後3時~午後4時
出席者

ソフトバンク株式会社
社外取締役 独立役員 上釜 健宏(略歴
指名委員会・報酬委員会・特別委員会委員

社外取締役 独立役員 植村 京子(略歴
指名委員会・報酬委員会・特別委員会委員

モデレーター
一般社団法人 日本IR協議会 専務理事 佐藤 淑子氏

  • ソフトバンク(株)(以下、「ソフトバンク」)の社外取締役として、それぞれどのような役割を担っているとお考えでしょうか。

    <上釜>

    • 経営者としての経験を生かした監督機能を発揮すること、特に技術やものづくり、M&Aについて貢献できればと考えている。

    <植村>

    • 社内とは異なる視点でものを見る、意見を言うことが大事だと思っている。また、弁護士として、リスクマネジメント、ガバナンス、コンプライアンスのチェックをしっかり行うこと、企業価値向上に向けて市場の意見に耳を傾けることが大事だと考えている。

テーマ1:取締役会の実効性

  • ソフトバンクの取締役会などにおいて、どのような内容が議論されているか。特に印象的だった議論についてご紹介ください。

    <上釜>

    • 一番印象的なのは、LINE(株)の大型M&Aの発表。ヤフー(株)(現Zホールディングス(株))(以下「ヤフー」)の後でもあり、矢継ぎ早にいろいろな案件が提案され、取締役会で何度も議論した。ガバナンスに関する議論も当然あったが、特にシナジーについての議論など、すごいことになるなと鳥肌が立ったのを覚えている。やはりスピード重視、即決する会社であり、間違いなく「Beyond Carrier」戦略になると確信した。
    • もう1点は、宮川社長の逆算経営に関する考え方。長期ビジョン、長期経営計画、10年後のソフトバンクについての話を聞く機会があり、15年先をみて逆算して10年後こうでなければいけない、あるいは10年後のために今こうしなければならない、と説明された。ここまで先をみて考えられる経営者はなかなかいないと感じた。

    <植村>

    • 一番印象的だったのは、ソフトバンクがヤフー株式を取得して、持分比率を45%にしたときのことです。なぜ親子関係になる必要があるのか、ソフトバンクグループ(株)がヤフー株式を手放したので、この必要性について何度も議論した。ソフトバンクにとって、ヤフーが今後の「Beyond Carrier」戦略において重要なパートナーになり得るので、太いパイプを築くために親子関係の方がよいと説明を受けた。会計上もヤフーを連結することで、ともにWin-Winの関係になりやすい。また、ヤフーから見ても、ショッピングの成長戦略にとってソフトバンクのユーザーは貴重な存在となる。ヤフーは情報プラットフォームであり、中立な立場が必要だが、ソフトバンクはその立場を最大限尊重し、両社ともに上場維持するとのことだった。いろいろと議論を重ねた結果、あり得る選択肢であろうということで、最終的には満場一致で可決した。
    • 取締役会の雰囲気は、議論も活発にしているが非常に明るい。執行役員以下も非常に優秀で人材が豊富だと感じている。
  • ソフトバンクはその親会社、子会社ともに上場会社ですが、これらの会社との利益相反に関して、社外取締役としてどのようにお考えになり、またどのような点に留意して対処されていますか。

    <上釜>

    • 利益相反の問題は一番大事なことであり、少数株主保護の観点からも、親子上場しているので親子間取引を含めて手続きの透明性、情報開示を重点的にチェックすることが重要だと思っている。取締役会の事前説明で、かなり細かく説明を受けて議論した後、取締役会で決議をする流れになっている。また、今年の2月に特別委員会も設置され、利益相反についてさらにガバナンスの強化がされると考えている。

    <植村>

    • ソフトバンクグループ(株)との利益相反取引については、社外取締役も大変気を使っている。もちろん是々非々で検討しているが、グループ企業の中でも、全体利益ではなくソフトバンク単体にとってどれだけ利益があるかという点を重視して議論している。重視しているのは、取引の目的だけでなく価格の妥当性で、強く裏付けを求めている。執行側もその点は十分に気を付けているようで、追加資料の要求にも速やかに応じている。これまで、ソフトバンクとソフトバンクグループ(株)との取引において、金額が折り合わず破談になったものもある。社外取締役一丸となって、手続きの透明性や情報開示をチェックしている。
  • 孫取締役はソフトバンクの取締役会などにおいてどういう役割を果たしているのか。孫取締役と社内取締役の関係について外部の目から見た評価を教えてほしい。

    <上釜>

    • 皆さんが思われているのとは少し異なると思う。確かに孫取締役は非常に厳しいことをおっしゃいますが、ソフトバンクの企業価値を上げるために苦言を呈してくれていると認識している。社内の取締役も黙っているだけではなく反論し、非常に熱い活発な議論ができている。

    <植村>

    • 毎回熱い議論をされている。孫取締役は、ソフトバンクの取締役会と戦略会議にほぼすべて出席されている。孫取締役の視点は一言でいうとグローバル。世界の情勢を見ながらあるべき方向性についての議論をしている。時には厳しいお叱りを受けることもあるが、執行側も黙っているわけではなく、反論している。現状に満足せずその先の未来を考えろ、常識にとらわれるな、といった発言も多く聞かれる。スティーブ・ジョブズ氏の「Stay hungry, stay foolish」という有名な言葉があるが、孫取締役は本当に心底そう思って発言しており、私見だが似ているのではないかと思うことがある。これはいろいろな事業に共通する言葉だと思い、私自身が弁護士業務にあたる上でも勉強になっている。
  • 取締役会等の実効性の観点から、議論のあり方、内容、社外取締役のフォロー体制などについて、感じられている課題について教えてほしい。

    <上釜>

    • 子会社や関連会社などが約330社あり、M&A等で一気に膨らんでいる。グリップが効いたところ、効いていないところとあるが、管理体制は組めたと聞いている。監査役とも意見交換をしており、監査役も含めこのポイントは重要視している。改善はしてきているものの、情報漏洩などが起こっていることもあり、常に注視しているポイントである。

    <植村>

    • 子会社や関連会社が多く、実効性の管理はまだ十分ではないと思っている。ソフトバンク側はソフトバンクの子会社、関連会社をしっかり管理し、Zホールディングス(株)側では、Zホールディングス(株)傘下の子会社、関連会社をしっかり管理するという役割で分担している。役員派遣や月次での報告をしており、リスク管理体制は整っていると聞いている。四半期に一度、内情について聞き取りを行っている。
    • 取締役会の議案について、事前説明には社内の取締役、執行役員や法務本部長などの複数メンバーも参加し、かなり手厚く実施している。社外取締役から毎回多数質問しており、追加の資料要求にも応じてもらっている。取締役会は、全員PCR検査を受けて陰性確認した上で、なるべくリアルで開催する方向で運営されており、リアルな生の議論の場を重視している。

テーマ2:
サクセッションプラン

  • 2021年4月に社長が交代されましたが、宮川社長が選ばれた経緯等、指名委員会での議論について教えてほしい。

    <上釜>

    • 経営の経験者として、一番大事なのは決断力だと思う。スピード感も必要だが、フェアな人格も大事。ソフトバンクの体質や「Beyond Carrier」「Beyond Japan」などの成長戦略を踏まえると技術的にも明るくないといけない、逆算の経営ができる、論理的である、M&Aの経験も豊富であるなど最適だと思った。もう一つ、孫取締役にも反論することができるというのもポイントだった。満場一致で採決した。

    <植村>

    • かなり長い時間かけて何回も議論した。まず、誰を選ぶかではなく、ソフトバンクの社長の必須条件は何かという議論を始めた。トップの条件は、ソフトバンクの今後の成長戦略をきちんと描けること、AIなど最先端のテクノロジーにできる限り精通していること、何より孫取締役にNOといえる人物であることという条件が必要ではないか、と話し合った。最終的には候補者全員に、ソフトバンクの今後10年間の成長戦略について30分間プレゼンをしていただき、その内容を踏まえて議論した結果、宮川さんを全員一致で推挙した。宮川社長自身は、おとなしいイメージがあるかもしれないが、新しい事業を企画したり考えたりするのが好きで、常に進化し続けなければならないという気概をお持ちのアイデアマン。HAPSモバイル(株)やMONET Technologies(株)の事業を立ち上げ、各大学との協働、連携を今でも主催してやっている。人柄の良さも感じられ、人が自然に集まってくる雰囲気があると思う。コミュニケーション力が非常に高く、社内の方々も自然についていく、自然に支えていけるという雰囲気を持っている。