2024年3月期
投資家向け説明会
主な質疑応答
日時 | 2024年5月9日(木)午後6時~7時 |
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登壇者 | ソフトバンク株式会社 取締役 専務執行役員 兼 CFO 藤原 和彦 ソフトバンク株式会社 執行役員 財務統括 財務戦略本部 本部長 秋山 修 ソフトバンク株式会社 財務統括 財務経理本部 本部長 小野口 亘 ソフトバンク株式会社 財務統括 経営企画本部 副本部長 佐々木 雄大 |
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2023年度第4四半期のコンシューマ事業において、営業利益が大きく改善しているように見えるが要因は何か。また2024年度の見通しは。
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前年同期比では端末粗利や獲得関連費用が利益改善に貢献した。第4四半期は年度末の商戦期であり、顧客獲得施策の影響などが大きめに出るタイミング。2024年度においても、端末粗利や獲得関連費用の改善が見込めることに加え、モバイル売上高の増収も見込まれることから、コンシューマ事業で300億円以上の営業利益の改善ができると期待している。
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2024年度も、前期と同様の規模の顧客獲得施策による影響(モバイル売上高から控除)を見込んでいるのか。
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今後の獲得施策にもよるが、過去2年間同様の施策を実施してきたので、同様の傾向というのがベースの考え方。モバイル売上高の増収もあるので、345億円の増益を組み立てる中で、取り組んでいきたい。
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コンシューマ事業の2023年度の増益に減価償却費の減少が大きく影響していたと思うが、2024年度の増益要素は何か。
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モバイルのARPU推移が横ばいになると見込んでおり、契約数の純増が成長をけん引していく構造になると考えている。また、過年度の獲得関連費用の繰延計上によるマイナス影響がなくなり、少しプラスに転じると見ていることとに加えて、端末粗利改善を見込んでいる。この3つの要素で、2024年度のコンシューマ事業の営業利益は前期比345億の増益を見込んでいる。一方で、獲得は順調だが少し伸びが鈍化している状況であるため、獲得費の絶対額の増加は見込んでいない。
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2023年度第4四半期は、電気通信事業法改正の影響で積極的な販売ができなくなったが、顧客獲得施策によるモバイル売上控除の金額が大きいのはなぜか。何か特殊な会計処理で対応しているのか。
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特別な会計処理はしていない。電気通信事業法の改正による影響で、物販等売上から控除する顧客獲得施策の影響が改善している。この点も合わせて考えると、顧客獲得施策による影響は減少するとみている。
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2024年度の営業利益予想について、生成AI等への成長投資が300億円の押し下げ要因とあるが、セグメント別の営業利益予想を確認すると、「その他」で前期比550億円の減益要因となっている、この関係性は。
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生成AI等への成長投資は300億円程度。これに加えて、従来から「その他」に含まれていたHAPSなど、将来のためのさまざまな研究開発への投資などが200億円程度含まれる。また、「その他」には研究開発費以外にも、期中の新規投資のほか、若干のバッファも考慮しており、それらを合算して550億円の減益要因となっている。
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2024年度のセグメント別営業利益予想の「その他」-610億円の考え方について、成長投資の枠が大きいように感じるが、バッファは大きいのか。
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不確実性があるためこのような形としているが、後から振り返ってバッファが大きかったと評価できるのが良い形だと考えている。今は生成AIに関して国内No.1のポジションをとりたいということで注力している。営業利益やフリー・キャッシュ・フローを含め上振れできるように取り組んでいきたい。
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生成AI関連への投資は、どのセグメントの損益に影響するのか。
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現在は研究開発段階での先行投資のため、セグメント別営業利益「その他」に計上。具体的な商品やビジネスモデルが整理された段階で、計上セグメントを見直す必要があると考えている。コンシューマ事業でもチャンスを探していくが、現時点ではエンタープライズ事業に売上と原価が計上されるような案件が多く出てくるとみており、それを期待している。
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生成AI関連への投資について2024年度・2025年度にかけて300億円ずつ費用を見込んでいるとのことだが、投資の収益性は。また、黒字化のタイミングや費用の内訳は。
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現在、日本語ベースの大規模言語モデルを構築中であり、2024年度は技術者の採用コストなどさまざまな初期費用がかかる段階。2025年度から、少しずつ収入が期待できるようになってくる。まずは構築したAI計算基盤を貸し出すことによる収入が見込まれるが、そこに付加的なサービスをのせていく想定。2025年度までは先行投資の時期であり、事業全体の黒字化は次期中期経営計画の期間となる2026年度から2028年度の間になると思う。費用の内訳については、もう少し内容が固まった時点でお伝えしたい。
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通信関連の設備投資とその外数の生成AI関連の設備投資の整理を教えてほしい。通信関連の設備投資について、生駒・苫小牧のデータセンターや、エッジデータセンターに導入するNVIDIAの「GH200 Grace Hopper Superchip」への投資などを含めると1,000億円近い投資額になるのではないか。
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2024年度の通信関連の設備投資計画に、生駒のデータセンターは含まれている。苫小牧のデータセンターやエッジデータセンターへの投資については、通信プラスアルファの収入が見込める場合には、3,300億円水準(コンシューマ・エンタープライズの設備投資計画)の外数であってもよいと考えている。主に2026年度以降の次期中期経営計画にて整理する予定。これらの設備投資は、資金回収までに相当時間が必要になるため、社債型種類株式などの資本性の資金調達手法が適していると考えている。
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NVIDIAのAI計算基盤(NVIDIA H100/B200)への約1,500億円の投資は、2024年度にすべて実施されるのか。
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すべて2024年度に実施するにはハードルが高い。資金については社債型種類株式で既に調達できているので、ビジネスの状況によっては前倒しも可能。
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NAVER Corporationが保有するAホールディングス(株)の株式をソフトバンク(株)が買い取る場合、ソフトバンク(株)のバランスシートにはどの程度影響を与えるか。また、配当や設備投資などのキャピタルアロケーションへの影響をどう考えればよいか。
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現在協議中のため詳細なコメントはできないが、配当や生成AI等への設備投資を含め、事業に影響を与えるようなことは考えていない。ネットレバレッジ・レシオが改善し、EBITDAも堅調なので、調達余力は十分にある。社債型種類株式も含め、さまざまな選択肢がある状況。
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