2026年3月期 第3四半期
決算説明会 主な質疑応答

日時 2026年2月9日(月)午後4時~5時19分
登壇者 ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川 潤一
ソフトバンク株式会社 取締役 専務執行役員 兼 CFO 藤原 和彦
  • 現状のモバイル事業の競争環境の受け止めは。

    競争環境に大きな変化はないと受け止めている。当社は短期解約の可能性が高い顧客層(ホッピングユーザー)への獲得費の投下を制限するなど、獲得方針を見直した。これにより短期的に純増数は減るが、将来的な解約率の改善につながると見込んでいる。

  • 今後、通信料金の値上げを行う可能性について教えてほしい。

    人件費や外注費の上昇といった外部環境を鑑みると、どこかで値上げを実施せざるを得ないと考えている。今後さまざまな検討を進める方針である。

  • モバイルの純増数として、今後どの程度を目指しているのか。

    「純増数にはこだわらない」ということは営業幹部とも共有しており、強い意思である。来期は、純増がゼロでも良いという感覚であり、一度膿を出し切りたいと考えている。その効果としての解約率の改善は、来期に入って以降、徐々に見えてくると考えている。競合他社と比べて解約率がまだ高い水準にあるが、収益基盤がしっかりとしているうちに改善に向けた取り組みをやり切りたいという考えだ。

  • ARPUが改善傾向にあるが、今後の見通しは。

    「ワイモバイル」ブランドから「ソフトバンク」ブランドへの移行がうまく機能しており、「ソフトバンク」ブランドの移行収支はプラスが続いている。また、「ペイトク」プランの浸透も、ARPUの上昇に寄与している。加えて、ARPUの低いホッピングユーザーが減少していくため、ARPUにもプラス方向で寄与していくと見ており、この効果は来期も継続すると見込んでいる。

  • 契約事務手数料を改定した背景は。(ウェブでの手続きのうち、SIM再発行および端末購入を伴わない機種変更に係る事務手数料を改定。eSIMは無料に、USIMはカードの発行や配送などにかかる費用を踏まえて1,100円とした)

    カードの発行・配送等の実コストの有無に加え、顧客の要望を考慮した結果である。

  • ソニーネットワークコミュニケーションズ(株)との光回線サービスにおける提携の狙いは。また、携帯電話基地局も含め、ネットワーク全体の投資効率向上にもつながるのか。

    (株)5G JAPANを通じて進めている、KDDI(株)との取り組みと同様、設備を共通化することで投資効率を大幅に改善することが狙いである。サービス提供の視点では、これまで通り、両社は競争関係となる。光回線はAIの普及によるトラフィック増を支える重要インフラである。5Gと光回線が両輪となって通信インフラを支えるという考え方の下、光回線への投資は引き続き積極的に進めていく。光回線の設備利用の効率化により、携帯電話基地局向け回線の設備投資効率化にも寄与すると考えている。

  • 楽天モバイル(株)が1,000万契約を突破したことへの受け止めは。

    創業者が主導する粘り強い取り組みの結果として敬意を表したい。一方で、4キャリア目が存在することの意味に、日本のモバイルネットワークがより強靭化できることを期待されてのことがあることを考えると、楽天モバイル(株)がKDDI(株)のローミングに依存し続ける姿勢を残念に思う。

  • (株)NTTドコモが衛星通信サービスを来期初頭から開始すると発表したが、ソフトバンクの提供時期は。また、衛星通信サービスはキャリア間の差別化になるのか。

    当社も来期から提供予定。衛星通信サービスだけで差別化することは難しいのではないかと考えている。個人的な考えとして、日本製のサービスがあるのが理想であるが、現状は追いついていない。中長期的な視点でさまざまな取り組みを続けていきたい。

  • (株)NTTドコモが基地局の整備を加速しているが、来期に向けたネットワーク品質の強化に向けた考え方は。

    5G SA(5G スタンドアローン)の展開を加速させ、ネットワーク品質を強化していきたい。今後は、基地局のパラメータ調整や周波数ごとの活用方法など、各社の運用判断の積み重ねが品質の差になっていくと考えているので、負けないように対応していきたい。

  • (株)NTTドコモが2026年3月末に3Gサービスを終了する。ソフトバンク(株)は、このような顧客層に向けて、携帯端末の値引きなどを積極的に行っている。顧客獲得の方針を変えたという説明だったが、考え方を改めて教えてほしい。

    (株)NTTドコモの3G回線利用者はホッピングユーザーではなく、積極的に獲得するのは理にかなった戦略であると考えている。

  • 国内の通信事業は成熟傾向にあるのではないか。まだ成長段階にあると捉えているか。

    成熟し終わってしまう業界ではなく、まだまだやり残していることがあると考えている。例えば、5G SAでできるサービスやローカル5Gの展開など、通信とAIのコラボレーションを追求していきたい。かつてはPayPay(株)を育てる立場だったが、当社の通信事業の成長にも寄与し始めており、相乗効果がある。さまざまな業界とコラボレーションを考えていきたい。

  • 携帯端末割引の制度を料金プランと連動させ、高い料金を払う人ほど高い割引を受けられる仕組みにした方が良いのではないかという議論があるが、どのように受け止めているか。

    そのような議論を反対する立場ではない。これまでの知見を踏まえ、制度や運用の不備がないかを検討し、意見を申し上げていきたい。長期割も一つの考え方である。

  • 2026年2月8日に行われた衆議院選挙で与党が大勝したことについての受け止めは。

    高市政権の人気の高さが評価された選挙結果だと受け止めている。強い日本を目指す経済政策に共感している。高市政権は重点投資対象として17分野を公表しているが、情報通信は「一丁目一番地」だと捉え、一生懸命取り組みたい。AIの領域においても先陣を切って貢献したい。当社は日本国内でビジネスを行っているので、国の発展や国民の富を拡大することこそ当社の持続的な成長を実現するために必要な戦略だと考えている。

  • 政府が推進しようとしている国産AI基盤モデルの開発について、ソフトバンク(株)の関わりをどのように考えているか。

    国産AI基盤モデルを作る必要性については以前から再三申し上げていることであり、方針については非常に賛成している。いま存在している国産のAI基盤モデルは、海外のものと比較して競争力があまりないので、取り戻す必要がある。日本国内にはウェブ上に出ていない重要なデータがたくさんあるので、競争力がある国産AI基盤モデルを作るには、これを活用できる環境が重要である。政府と連携する機会があれば積極的に進める考えである。

  • AI計算基盤の用途として「学習」から「推論」へシフトする時期についての見込みを教えてほしい。

    海外では用途の比重はすでに推論へと移っている。日本には大規模なAIの学習を完遂できる企業が少なかったが、当社は4,600億パラメータ規模でのLLM(大規模言語モデル)の開発を通じて知見を得た。今後は、企業が個社のAIを利用する「推論」の時代が到来すると考えている。「フィジカルAI」の時代が目前に迫っているので、設備投資のピッチを上げて取り組んでいきたい。

  • AIデータセンターの投資計画と進捗について、整理して教えてほしい。

    次期中期経営計画の中で細かく説明したいと考えているため、現時点ではコメントを控えたい。

  • PayPay(株)の上場審査の状況は。

    上場準備は順調だが、詳細についてはコメントを控える。

  • ファイナンス事業の利益が2倍に増えているが、今後の目標は。

    PayPay(株)が上場準備を開始しており、事前勧誘になるといけないので、将来についてはコメントを控える。オンライン店舗との連携を含め、グループ全体で企業価値の向上を図っていきたい。

  • 2026年4月からの経営体制の変更を発表したが、交代までに時間を要したとも言える。このタイミングでの変更となった理由は。

    次世代の経営陣への継承を準備する時期が来たと判断したため。これまで、長年ブロードバンドサービス「Yahoo! BB」を立ち上げたメンバーが経営をリードしてきた。もう少し早いタイミングでの経営体制の変更を考えていたが、2021年春の通信料値下げという事業環境の変化があったため、当面は知見のある現経営体制で臨むこととした。その後、増収増益を継続できる体制が整ってきたため、より若いメンバーに経営を継承していくことを決断した。

  • グループガバナンスの確保に向けた考え方は。

    どの企業でもリスクをゼロにすることは難しい。その前提で内部統制システムを整備しており、社長である私自身が管理監督していかなければならないと気を引き締めたところである。仕組みとチェックが厳格に機能しているかを精査し、グループガバナンスの確保を徹底したい。

  • クラウド事業の今後の展望は。

    来期中のサービス開始を目指している。現状では、日本企業のほとんどが海外のクラウドサービスを使っている。今後、クラウドサービスの中心がCPUベースからGPUベースに切り替わっていく中で、我々も選択肢の1つとなることを目指し、ソフトウエアを2年前から構築してきた。日本のクラウド事業者としての存在感を示していきたい。

  • クラウド事業の競争優位性の考え方は。

    ハイパースケーラーと同じビジネスモデルではなく、特色のある形で展開することを想定している。通信事業者としての強みを生かし、基地局を小型データセンター化する「AI-RAN」のようなユニークな取り組みを行っているので、特長を生かしていきたい。

  • ソフトバンク(株)が目指すクラウド事業と、米OpenAIと取り組むSB OAI Japan合同会社はどう連携していくのか。

    それぞれの取り組みは、位置付けが異なる。ソフトバンク(株)が目指すソブリンクラウド・ソブリンデータセンターは、日本の重要な情報を守るために開発しており、日本の中長期戦略の中で必要になるものという考え方で取り組んでいる。グローバル企業である米OpenAIは、AGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)、ASI(Artificial Super Intelligence:人工超知能)の世界観を目指して取り組んでおり、ソブリンクラウド・ソブリンデータセンターという文脈においては位置付けが異なる。

  • 業績予想を上方修正した。以前、業績に余裕があれば株主還元の強化を行いたいというコメントがあったように思うが、仮にアスクルにおけるランサムウェアによるシステム障害の影響がなかったとした場合、株主還元の強化の可能性はあったのか。

    第2四半期の時点で、売上高が7兆円を超えると見込んでおり、純利益がもう少し上振れるだろうと思っていた。そのため、株主還元の方法を社内では議論しかけていたので、可能性はあったと回答するのが妥当だろうと考えている。

  • ソフトバンクグループ(株)が米デジタルブリッジの買収を発表した。同社はデータセンターや携帯電話基地局を保有しているが、ソフトバンク(株)の事業への影響をどのように考えているか。

    親会社の案件であり、現在は規制当局の承認前であるため、現時点でのコメントは控える。クロージング後に、将来的な協業の可能性について協議したいと考えている。

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