2026年3月期
決算説明会 主な質疑応答
| 日時 | 2026年5月11日(月) 午後4時~5時23分 |
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| 登壇者 | ソフトバンク株式会社 取締役会長 榛葉 淳 ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川 潤一 ソフトバンク株式会社 副社長執行役員 兼 COO 高島 謙一 ソフトバンク株式会社 副社長執行役員 兼 COO 桜井 勇人 ソフトバンク株式会社 常務執行役員 兼 CFO 秋山 修 |
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新中期経営計画で掲げた営業利益1兆7,000億円を前提とすると、親会社の所有者に帰属する当期利益(以下、純利益)は8,000億円くらいの目線にならないか。7,000億円の目線は低く見える。
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純利益は配当金と連動するため、純利益7,000億円は必ず達成したいという思いで策定している。さらに上振れるように取り組んでいきたい。純利益が8,000億円に到達した場合の一株当たり配当金の目線は11円で検討したい。
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新中期経営計画において、コンシューマ事業全体の売上高や契約数の目標を示していない理由は。
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人口減少や昨今の競争環境に加え、短期解約の可能性が高い顧客層(以下、ホッピングユーザー)への対応などを考えると、5年先まで予想することは非常に困難であるため、契約数の目標は出していない。ホッピングユーザーへの対策は先手を打って取り組んでいると考えている。不透明な環境下であっても、モバイルサービス売上高の増収と増益は継続していきたい。
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携帯料金の改定による増収効果はどのくらいか。
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2026年度に数百億円半ばの水準を見込む。上半期は、獲得費の繰延影響と相殺されるため、下半期から効果が顕在化する。
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2026年度の「その他・成長投資」としてマイナス1,000億円を見込んでいるが、どのような考え方か。
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1,000億円の使途が全額決まっている訳ではない。不測の事態に備えたバッファー、将来の企業価値向上に向けた先行投資の枠として活用したい。
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今後5年間の大規模なAI関連投資に向けて、財務規律をどのように担保するのか。
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AI関連投資は、オンバランス(当社単独ですべて投資し、自社のバランスシートに抱えること)だけを前提とせず、オフバランス(パートナーとの連携や外部資本の活用など)も含め、最適なスキームを柔軟に選択し、財務規律を担保していきたい。
AIデータセンターの需要は非常に旺盛であり、今後立ち上げていく大阪堺AIデータセンターは110エクサFLOPS(「NVIDIA H200 GPU」換算で10万枚相当)、北海道苫小牧AIデータセンターはさらにその数倍の計算能力を持つAIデータセンターにしていきたい。世界水準から見れば過大な規模ではないが、日本ではAIインフラの立ち上がりがやや遅れているため、どのタイミングで本格的に投資を加速させるか、慎重に見極めていきたい。
当社が目指す方向性は、いわゆる「ネオクラウド」と呼ばれる事業である。従来のデータセンター事業は、土地を取得し、建物を整備したうえで、ハイパースケーラーなどに貸し出し、ハイパースケーラー自身がチップやシステムを持ち込む方式である。しかし、このモデルは粗利率が低くなるため、当社自身がチップやシステムをデータセンター内に構築し、それをクラウドサービスとして提供することで、より高い付加価値と収益性を追求していきたい。
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2026年度から2028年度における戦略投資枠1兆円のうち、0.3兆円はすでに計画に織り込まれているとのことだが、残りの0.7兆円の使途は。
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大阪堺AIデータセンターにおける「AXファクトリー」「GXファクトリー」でさまざまな事業を検討しており、短期的にはそれに投じる可能性がある。複数の事業の候補があるが、すべて足しても1,000億円に満たない投資規模だと考えている。投資効率を意識し、取締役会で議論しながら決めていきたい。M&Aも今後の成長戦略の選択肢としてあるため、この枠の中で検討していきたい。
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前中期経営計画では設備投資を年平均3,300億円以下に抑えてきたが、新中期経営計画では年平均4,100億円に増加する。その主な要因は。
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需要が非常に旺盛な海底ケーブルへの投資を増やすほか、強靭なネットワークに向けた基地局設備の補強などが主な要因である。「AI-RAN」は準備段階であり、本格的な展開はもう少し先であるため、投資額として大きなものは含まれていない。
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国産バッテリー事業に参入する理由を教えてほしい。自社で製造するより外部から調達した方が有利なのではないか。
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日本全体でエネルギー需給の最適化を進めていくためには、今後膨大な量のバッテリーが必要となる。現在の主流であるリチウムイオンバッテリーは原材料を海外に依存しているため、サプライチェーンに大きな変化があればリスクとなってしまう。当社が取り組む革新型バッテリーは、国内で調達可能な材料を用いて製造できる点に意義がある。当社が取り組める範囲の投資規模で、将来の成長につながる事業として進めていきたい。
当社はこれまで内需を中心に成長してきたが、将来的にはこの革新型バッテリーを国内で製造し、外貨を稼げる事業にしていきたい。
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国産バッテリー事業をなぜ大阪堺AIデータセンターで行うのか。
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従来から、AIデータセンターを「産業集積地」にし、AIという頭脳の周りに様々な産業が集まる構造にしたいという構想の下、さまざまな検討を進めてきた。大阪堺AIデータセンターは、広大な土地があり、今回の革新型バッテリーの製造を第一弾の取り組みとして始めることにした。今後も複数の取り組みを予定している。AIで産業を進化させることができると考えており、機会を追求していきたい。
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KDDI(株)やNTT(株)も分散型AIインフラ構想を掲げているが、ソフトバンク(株)の優位性はどこにあるのか。
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「分散型AIインフラ」という構想は、通信キャリアであれば当然思いつくことであると考えている。当社は、5年以上前から取り組んでおり、AIデータセンター向けのソフトウエアスタック「Infrinia AI Cloud OS」を開発してきた点が優位性につながる。単なるデータセンター事業としてではなく、高付加価値なクラウドサービスとして提供していきたい。
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日本マイクロソフト(株)と、国内AIインフラの選択肢拡大に向けた協業を発表した経緯は。
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AIの需要が企業向けを中心に増加する中で、データの越境に対する懸念から「ソブリン性」に対するニーズが高まっている。当社は、国内ですぐに提供可能なAI計算基盤を所有していたため、同社との協業に繋がった。
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AIサーバーの製造は検討しているのか。
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検討はしているが、現時点で決まったことはない。
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「LINEMO」の値上げは考えているのか。今後の展開は。
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現時点では考えていない。オンライン専用ブランドとして、他社サービスを牽制する役割がある。ユーザーが急激に増えているブランドではないので、「ソフトバンク」「ワイモバイル」との棲み分けも含め、どう進めていくのか議論していきたい。
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