2026年3月期
投資家向け説明会
主な質疑応答

日時 2026年5月11日(月)午後6時~7時
登壇者 ソフトバンク株式会社 常務執行役員 兼 CFO 秋山 修
ソフトバンク株式会社 財務統括 経営企画本部 本部長 遊木 宏一
ソフトバンク株式会社 財務統括 経営企画本部 FP&Aヘッド 佐々木 雄大
ソフトバンク株式会社 財務統括 財務経理本部 本部長 小野口 亘
ソフトバンク株式会社 財務統括 財務経理本部 本部長 川村 英二
  • 中期経営計画について、2030年度に営業利益1兆7,000億円を達成するとのことだが、各事業がどのように増益に貢献するのか教えてほしい。

    エンタープライズ事業がけん引役となる。既存事業の規模拡大に加え、利益率が高いAI関連ビジネスが大きく貢献する想定である。コンシューマ事業は、料金改定の影響により売上高は上昇傾向となる。一方で、コストの増加も見込まれているため、全体としては比較的安定した成長を描いている。LINEヤフー(株)およびPayPay(株)は上場企業であるため、詳細は申し上げられないが、メディア・EC事業は継続的な成長を見込んでおり、ファイナンス事業では、決済が非常に順調であり、金融領域についても成長を期待している。

  • 2026年度の営業利益6%増益は中期経営計画の増益の平均ライン(年平均成長率10%)と比較すると低めに見えるが、その要因を教えてほしい。

    エンタープライズ事業のAI関連ビジネスが今後の成長ドライバーとなる見通しであるが、本格的に拡大するのは2027年度以降と想定している。

  • 2026年度においてエンタープライズ事業が約20%増益と力強いのはセグメント変更が関係しているのか。その影響額についても教えてほしい。

    AI関連ビジネスが商用化され、エンタープライズ事業で利益計上される点は増益要因と捉えて差し支えない。

  • エンタープライズ事業のクラウド・AI売上を倍増させていくということだが、AIデータセンター、ソブリンクラウド、「Crystal intelligence」など各サービスの立ち上がり時期と寄与の時間軸はどのように見ているか。

    これまで準備してきたGPUの活用や「Crystal intelligence」などが構成要素となる。2026年度から順次立ち上げていくものの、本格的な業績寄与は2027年度以降を想定しており、以降は成長曲線を描く前提で計画している。「Crystal intelligence」は一要素として織り込んでいるが、今回の計画では比較的保守的に見ている。

  • 2026年度および中期経営計画において、営業利益と親会社に帰属する純利益の成長率に乖離がある要因は何か。

    LINEヤフー(株)やPayPay(株)、SB OAI Japan合同会社など非支配持分割合が大きい子会社における営業利益成長を見込む構造が乖離の一因。また、金利上昇に伴う金融費用の増加も織り込んでいる。加えて、2025年度には税効果による一時的な押し上げ要因が含まれており、2026年度の営業利益と純利益の成長率の差の要因となる。一定の仮定を置いて計画を策定しているが、純利益の拡大は重要な経営課題と認識しており、取り組んでいきたい。

  • 2026年度上期の減益要因である一過性利益の剥落の内容を教えてほしい。

    2025年度上期にメディア・EC事業で計上された企業結合に伴う再測定による利益である。

  • コンシューマ事業の販売関連費の増加の背景と金額規模を教えてほしい。

    販売関連費増加の主な要因は、資産化している販売手数料の償却費と端末購入サポートプログラムの引当費用である。前者については、過年度に支払った販売手数料の償却費が当面増加する一方、2025年度下期から顧客獲得方針を変更したため、以降新たに支払った販売手数料の総額が減っている。そのため、今後の償却費は減少していく構造となる見込み。後者についても、上期が重く、その後は少し緩和していくと想定している。金額については、両者それぞれで数百億円の下の方とみている。

  • 他社では契約コストの減損を実施したが、ソフトバンクではそのような減損を含んでいるのか?

    契約コストは、毎期、データに基づいて減損判定を実施している。2025年度においては減損すべき要因はないと判断した。

  • 2026年度でモバイルARPUが160円上がる場合、年間約800億円の増収があると思うが、コンシューマ事業のセグメント利益の増益が90億円程度にとどまるのはなぜか。また、2027年度は販売関連費の悪化も落ち着き、料金改定影響が通期で寄与するため増益する理解であっているか。

    販売関連費の増加が主な理由となる。2024年度、2025年度上期は獲得を強めていた時期だったため、販売手数料の償却費が落ち着いてくるのは2027年度からとみている。端末購入サポートプログラムの行使率は上昇傾向にあるが、昨年、特典利用料を入れるプログラムの見直しをしており、2027年度以降は少し落ち着いてくると見ている。一方で、この2つの要因以外でも、さまざまなコストの増加要因が出ており、2027年度においてもコンシューマ事業の利益は安定した成長を見込んでいる。

  • セグメントの変更でAI関連ビジネスを「その他」からエンタープライズ事業に移すとのことだが、2026年度も1,000億円の損失が「その他」で計上される要因は。革新型バッテリーの開発費が多額に計上されているわけではない理解でよいか。

    AIの商用化に伴いエンタープライズ事業へ移管される部分はある一方、研究開発として継続するAI関連の費用は引き続き「その他」の区分に残る。また、HAPSなどAI以外の研究開発も継続しており、これらの費用が織り込まれている。全ての使用用途が確定しているわけではなく、事業を進めながら使う、もしくは結果として未使用となる場合もあり得る。1,000億円の中身はある程度積上げをしているが、将来の成長に向けて使用可能な枠を確保しておきたいという会社の姿勢を基にした設計となっている。革新型バッテリーの開発費は多くはない。

  • 中期経営計画期間における増配計画について、各期の純利益に対する1株当たり配当金の目線の算出の考え方および配当性向の目線について教えてほしい。

    中期経営計画の中でお示しした1株当たり配当金の目線では、配当性向は逓減することになる。これは、キャピタル・アロケーションの方針に基づき、成長投資と株主還元の両立を図る観点から、社内での議論を踏まえて決めている。最終的な配当性向の水準について明確な目標値は定めていないが、両立のバランスの観点からは2030年度ではお示しした水準がよいと考えている。

  • 1株当たり配当金の目線について、キャッシュフロー次第ではこの水準以上の配当を実施する可能性はあるのか。それとも固定的な水準と捉えるべきか。

    一般論として、投資機会が限定的で余剰資金が発生する場合には、追加の株主還元を行う考え方はある。1株当たり配当金の目線は考え方として示したものであり、固定的なものとしては考えていない。