2025年度
個人投資家向け説明会
主な質疑応答
| 日時 | 2025年12月15日(月) 午後6時30分~7時15分 |
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| 登壇者 | ソフトバンク株式会社 執行役員 財務統括 秋山 修 |
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来年度の株主還元はどう考えているのか? 増配などは予定していないのか?
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社長の宮川は、就任から5年間増配できていないことについて忸怩(じくじ)たる思いがある。株主還元は、次期中期経営計画における非常に重要なテーマであると捉えており、取締役会においても、真剣に議論を重ねている。現時点で決定している事はないが、高水準の株主還元に対して株主・投資家の皆さまから強い期待をいただいていることは十分に理解している。一方で、現在はAI分野などの成長領域における投資機会が非常に多いため、それらの成長投資と株主還元のバランスを慎重に考慮しながら議論し、結論を出していきたい。
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(株)NTTドコモやKDDI(株)と比較した際の、ソフトバンク(株)の強みや差別化要因は何か。
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最大の強みは「LINE」「Yahoo! JAPAN」「PayPay」「ZOZOTOWN」といった国内有数のプラットフォームをグループ内に抱えていることで形成される「経済圏」だと考えている。例えば「ソフトバンク」ブランドの「ペイトク」プランのように、モバイルと「PayPay」を連携させることで、他社と差別化し、モバイルの競争力に繋げている。他社のユーザーから見て「羨ましい」と感じていただけるようなサービスづくりを通じて、差別化を図っている。
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通信料金の値上げについてはどのように考えているか。
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日本もインフレ社会を迎えており、色々なサービス・商品の価格が上がり始めていることを感じている。当社としても継続的なコスト削減の努力は続けているが、企業努力だけでは全てを吸収しきれない状況になりつつある。そういった状況を踏まえ、将来的な料金プランの見直しも選択肢の一つとして検討はしているが、ユーザーの皆さまにご理解・ご納得いただけることが重要。いつ、どのような形で進めるのが最適か、慎重に見極めている。競争に関わるため、具体的な内容への言及は控えるが、適切なタイミングで判断していきたい。
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PayPay(株)が上場した場合、ソフトバンク(株)の株主にはどのようなメリットがあるのか。
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PayPay(株)が上場し、その企業価値が顕在化することは、親会社である当社の企業価値にとっても非常にポジティブなことだと捉えている。当社自身の経験からも言えることだが、上場によって市場の声を直接受けながら自律的な経営を行うことが、企業価値のさらなる向上には重要だと考えている。PayPay(株)にとっても、上場はさらなる成長に向けた良い機会になると考えている。
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楽天モバイル(株)が顧客獲得の攻勢を強めているが、ソフトバンク(株)としてどのように対抗していくのか。
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高品質なネットワークをお得な料金で提供できており、「ワイモバイル」ブランドを中心に楽天モバイル(株)に対しても十分な競争力を持っていると認識している。より長期間利用いただけるサービスを作り、ユーザーの皆さまにご支持いただけるように努めていきたいと考えている。
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AIの取り組みは、いつ頃から収益に貢献し始めるのか。
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AIを活用したコールセンターの自動化やAI計算基盤(GPU)の外販については既に提供を開始しており、今期から一部で収益化が始まる見込み。また、AIデータセンターや「Crystal intelligence」については、来年度からスタートする次期中期経営計画の中で本格的な収益貢献を見込んでいる。
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個人株主数が増えているが、今後も増やしていく方針か。なぜ個人株主を重視するのか。
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社長の宮川は、10年、20年といった長期的なスパンで当社の将来を一緒に考えてくださる株主を増やしたいという強い思いを持っている。昨年の株式分割や株主優待の導入を機に、若い世代を含む幅広い層に株主になっていただけたことは、非常に心強く感じている。今後も当社の挑戦やビジョンに共感いただけるよう、株主の皆さまとの対話の機会を増やしていきたいと考えている。長期的に応援いただける企業を目指したい。
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AI分野において、競合他社に対するソフトバンク(株)の強みはどこか。
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当社は、日本で初めてiPhoneを展開するなど、世界中の優れた製品・サービスをいち早く日本へ社会実装してきた「実行力」を強みとしており、これはAI分野でも生かしていける強みであると考えている。現在は、OpenAIのような世界最先端のパートナーと連携し、日本で迅速に展開できるポジションにいることは大きな強みである。加えて、国内最大規模のAI計算基盤を自社で持ち、国内最大級の国産LLMを自ら開発している点も、他社にはない当社ならではの優位性であると考えている。
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海外展開についての考え方を聞きたい。
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社内では「Beyond Japan」と呼び、長期的に拡大したいテーマとして議論している。ただし、海外通信キャリアの買収といった手法よりは、プレゼンテーションの中でもお話ししたCubic3(コネクテッドカー向けのグローバルIoTプラットフォームの提供)のようなサービス領域での成長を重視した展開を目指している。
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