お知らせ 2024年

入社式あいさつ(骨子)

2024年4月1日
ソフトバンク株式会社

本日開催したソフトバンク株式会社の2024年度の入社式で、代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川 潤一が、新入社員401人に向けてあいさつをしました。

「情報革命で人々を幸せに」というグループ共通の経営理念の下、数多くの会社があるソフトバンクグループの中で、ソフトバンク株式会社の役割は事業を担う会社だと理解してほしいと思います。今年は401人の新入社員を迎え入れました。

ソフトバンクのDNAは、挑戦と進化です。挑戦し続けることが成長と進化につながります。一度や二度の失敗を恐れず、常に挑戦し続けるのが、ソフトバンクの文化でありDNAです。

2001年はブロードバンド元年と言われた年です。ソフトバンクは、月額2,280円(税抜き)で下りの通信速度が最大8Mbpsという、革命的なブロードバンドサービスを提供して、通信分野に参入しました。当時「パラソル部隊」と言って、パラソルを1本立てて、そこでADSLのモデムを入れた赤い袋を配布していました。その結果、「Yahoo! BB」の加入者数は5年間で約11倍と大きく成長して、日本のインターネットの普及をけん引し、他国に比べて高いと言われていた日本のインターネットは、2005年には世界で最速・最安になりました。

そこから現在まで、「ブロードバンド革命」「モバイルインターネット革命」「AI(人工知能)革命」と、さまざまなチャレンジを続け、ソフトバンクの売上は約6兆円の規模となり、さらに成長を続けています。

AIが人間の脳を超えるシンギュラリティーが、いつ到来するのかという議論があります。以前は2045年ごろだとみていましたが、2012年ごろから機械学習にGPU(画像処理装置)を使用することでAIの成長が加速し、現在は2025年ごろに到来すると予測しています。そのためには、さらにインフラへの投資が必要であり、大規模な計算基盤が必要になります。これをソフトバンクのような民間企業が整備することで、AI技術はさらに成長し、2025~30年ごろには大きな進化が起こると考えています。

数年前は、ロボットとAIの組み合わせにより、ブルーカラーの仕事がなくなるのではないかと言われていましたが、ホワイトカラーの仕事の領域に至るまで、AIは進化してきました。アニメーションやCM、映画の製作など、入力したテキストを基に動画を自動で作り出すような業務を、AIが行う時代になりました。

AIは身近な存在になりつつあります。テキスト生成AI、マルチモーダルAI、動画生成AIなどが登場し、まさに人とAIが共存する時代の幕開けです。皆さんが社会人になってからの今後の5年間は、激動の時代です。AIが社会に一層不可欠な存在となり、AIとの共存社会において、人とAIの関係や、人の尊厳をいかにして守るかということを議論する時代になっていきます。

AIが日常生活に浸透すると、膨大なデータの生成や処理が必要になりますが、ソフトバンクはその時代を見据えた取り組みを進めています。私が社長に就任して以来、次世代社会インフラの構築に向けてさまざまな取り組みに着手しており、徐々に形になってきました。次世代社会インフラの要となる「Core Brain(コアブレイン)」の構築に向けた、北海道でのデータセンターの建設をはじめ、AI-RAN(Artificial Intelligence Radio Access Network)の実現に向けた取り組みも行っています。超分散コンピューティング基盤も完成に向けて順調に進捗しており、分割されたデータセンターの分割損を全て吸収するようなソフトウエアも今後稼働します。これらに取り組めるのは、ソフトバンクが事業を担う会社であるからです。皆さんも、私にアイデアをぶつけてほしいと思います。

当時は「ブロードバンド革命」として、インターネットの普及をけん引してきましたが、これからは「AI革命」として、AIの社会実装をけん引していきたいと思っています。開発よりも社会実装が大事だと考えています。AI時代において、いかにして人とAIのつながりをつくるのか、いかにして人の尊厳を守り切るのか、このようなことにしっかりと取り組んでいきます。

AIとの共存により、誰もが創造性あふれる時間を享受できる社会に向けて、皆さんと一緒に考え、働けることを楽しみにしています。一緒に新しい未来をつくっていきましょう。このたびは本当におめでとうございます。