プレスリリース 2018年

ソフトバンクとクラウドマインズ、
ブロックチェーンベースの認証ソリューションを共同開発

2018年5月29日
ソフトバンク株式会社
CloudMinds Technology Inc.

ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮内 謙、以下「ソフトバンク」)と米CloudMinds Technology Inc.(本社:米国カリフォルニア州、CEO:ビル・ファン、以下「クラウドマインズ」)は、ブロックチェーンをベースとした高セキュリティーな認証ソリューションを共同開発しましたので、お知らせします。このソリューションは、クラウドマインズのブロックチェーンベースの認証ソリューションと、モバイルキャリアの認証プラットフォームを組み合わせたものです。

IoTやロボティクス、Fintechなどの領域が急速に発展する中、流通するデバイスが多様化し、サービス認証やネットワーク接続を行う機会が増加するなど、デバイス、ユーザー、サービスを連携して管理することはますます重要になっています。現在、これらを一元的に管理するソリューションはありません。

クラウドマインズのデバイス認証と、モバイルキャリアのユーザー認証を統合した本ソリューションは、モバイルデバイスとユーザーを連携させ、サービス利用時の認証を行うことができます。具体的には、モバイルデバイスの識別子(デバイス固有のID)と所有者情報をブロックチェーン上のIDに関連付けます。これにより、モバイルデバイスの所有者を安全に認証することができるため、ユーザーは、ユーザーIDやパスワードを入力することなくウェブサイト上のさまざまなサービスにログインできるようになります。

本ソリューションのフレームワークにおいては、強力なDDoS攻撃対策が可能なSDP(software defined perimeter)プロトコル※1を採用しました。この技術により、本ソリューションは高セキュリティーなID管理共通基盤を提供することができます。

クラウドマインズは、IoTとロボティクス分野でブロックチェーンを活用した豊富な実績を持ち、ブロックチェーンベースのソリューションを提供するリーディングカンパニーです。今回の共同開発で採用されたクラウドマインズのPermissioned Chain(CMPC)技術は、コンセンサス(合意形成)方式として「Legitimate Proof of Work」(LPOW)を使用しています。これは膨大な計算能力を必要とせずに「51%攻撃※2」を防止するための特別な仕様です。これらのソリューションはエンタープライズ分野、特に「the Identity of Things(IDoT)」の分野に適しています。IDoTは、全てのインテリジェントデバイスに共通のID空間を提供する共通のID管理プラットフォームです。そのため、デバイスは世界中の他のデバイスとの相互認証が可能になります。またCMPCは実社会のニーズに応じた階層的なID管理構造に対応しているため、柔軟で効率的な管理が可能です。

ソフトバンク IT統括 ITサービス開発本部 本部長 福泉 武史は、次のように述べています。
「クラウドマインズとの協働により、Fintechサービスなどにおける認証や、IoT機器とサービスの連携管理が大幅に進歩すると確信しています。クラウドマインズの認証ソリューションは、共通のセキュリティーフレームワークに基づいているため、高度なセキュリティーを必要とするさまざまなサービスに利用可能だと考えています」

クラウドマインズのCEO ビル・ファンは、次のように述べています。
「今回の共同開発はIDoT基盤の実現に繋がる重要なステップです。IDoTは、ブロックチェーンとCMPCの権限管理スキームが非中央集権型であるという性質を踏まえ、多数のステークホルダーが共同で維持管理しています。単独の企業が独占的に利用することはできず、一つの企業が参加することをやめたとしてもプラットフォームは依然維持されます。私たちは、急速に近づいている自律的な世界に向けて、IDoTが不可欠な要素となると考えています」

[注]
  1. ※1
    米国国防省情報システム局で開発され、ネットワークを経由したさまざまな脅威からアプリケーションインフラや利用者の情報を守るための機能。境界線(Perimeter)をソフトウエア上で構築、集中的に制御し、アクセス制御に関わる設定を柔軟に動的に変更して安全にデータを転送する。常に動的に相手先のアドレスなどを決定するため、その通信経路を外部侵入者から発見されず、攻撃やデータ漏えい・侵害を防ぐことができる。
  2. ※2
    悪意あるグループまたは個人がブロックチェーンにおける取引の承認権の51%以上を独占して、不正な取引の承認や正当な取引の否認を行いネットワークを乱すこと。

CloudMinds Technologyについて

CloudMinds Technologyは、クラウドロボットソリューション分野の先駆的企業として、ソリューションの開発、運用を行っています。「Makes Robots Smarter™」のスローガンのもとに、リアルタイムで多用途の人間参加型のクラウドプラットフォームと一体化したセキュアなネットワークとクラウドファブリックを用いて、ロボットとクラウドAIを接続する環境を提供しています。サンタクララ、カリフォルニア、北京、東京で研究開発を行っています。

http://en.cloudminds.com/

  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。