プレスリリース 2019年

障がい児の学習・生活支援のための
ICT活用事例報告書を発行

~「魔法のプロジェクト2018 ~魔法のダイアリー~」協力校の活用事例を公開~

2019年3月29日
ソフトバンク株式会社
株式会社エデュアス
東京大学先端科学技術研究センター

ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮内 謙、以下「ソフトバンク」)と、ソフトバンクの子会社で教育事業を行う株式会社エデュアス(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤井 宏明)、東京大学先端科学技術研究センター(所在地:東京都目黒区、所長:神崎 亮平)は、2018年4月から1年間実施した、障がい児※1の学習・生活支援を行う事例研究プロジェクト「魔法のプロジェクト2018 ~魔法のダイアリー~」※2の成果をまとめたICT活用事例報告書を作成しました。この報告書を本日「魔法のプロジェクト」のウェブサイトで公開し、障がい児の学習・生活支援におけるICTの具体的な活用方法やその効果を紹介します。

「魔法のプロジェクト2018 ~魔法のダイアリー~」ICT活用事例報告書について

1. 概要

人型ロボット「Pepper」※3や携帯情報端末など、ICTの活用によって障がい児の学習や生活をどのように支援できるのかについて、「魔法のプロジェクト2018 ~魔法のダイアリー~」協力校が取り組んだ活用事例をまとめています。2018年度の特徴としては「Pepper」を活用した事例が増え、コミュニケーションを苦手とする生徒が、自らプログラミングを行った「Pepper」を動かしたり話させたりすることで、自分のアバターや自分を客観視できる道具として使用する事例などがありました。また、重度重複障がいのある生徒の動きや理解を観察し、見えない部分の実態を把握することを支援するテクノロジーの利用もより一層進みました。

2. 入手方法

「魔法のプロジェクト」ウェブサイトからダウンロードできます。

3. 紹介事例

この報告書で紹介する障がいに合わせたICT活用事例の一部は、下記の通りです。その他の事例や詳細については、報告書をダウンロードしてご覧ください。

  • 「Pepper」を活用したコミュニケーション支援(千葉県立東金特別支援学校)

    場面緘黙(かんもく)により会話によるコミュニケーションが難しく、また、自分の興味のあることしか発信できなかった生徒が、「Pepper」を自身の代弁者として会話や感情表現などの発信を行うことで、双方向の会話が成立するようになり、自信を取り戻しました。

  • 集中や捉えが難しい場合の環境調整としてのICT活用(仙台市立高砂中学校)

    聴覚などの刺激を受けやすく自閉傾向があることから、何を求められているかを捉えることに困難があり知的障がいを疑われていた生徒が、ノイズキャンセリングヘッドホンの使用による環境調整やタブレットでの学習によって学びに向き合えるようになり、学習空白を埋めて高校受験に挑んでいます。

  • アプリを活用した生活リズムの把握や可視化(北九州市立小倉総合特別支援学校)

    重度重複障がいにより、日中でも覚醒レベルが低く、学びの積み上げに困難があった生徒の睡眠サイクルなどを、タブレットのアプリを活用して把握することで、生活リズムや体調に合わせて学習時間を調整できるようになりました。

ソフトバンクと東京大学先端科学技術研究センターは、今後も携帯電話やタブレットをはじめとした携帯情報端末の活用により、障がい児の社会参加の機会促進を目指していきます。

[注]
  1. ※1
    認知やコミュニケーションに困難のある障がい児、自閉症、読み書き障がい、知的障がい、肢体不自由、聴覚障がいなどを含みます。
  2. ※2
    「魔法のプロジェクト2018 ~魔法の言葉~」の協力校については、2018年4月20日にプレスリリースを実施しています。
  3. ※3
    ソフトバンクグループ株式会社が実施する「Pepper 社会貢献プログラム」の一環として、社会課題解決支援のためにこのプロジェクトへ無償貸与される「Pepper」を活用しています。
  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。