プレスリリース 2020年

クラウド上で映像制作が完結できるシステムを
パナソニックと共同開発

~撮影から制作・編集までの工程をIPで実現した番組が、地上波で放送~

2020年12月23日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮内 謙、以下「ソフトバンク」)は、パナソニック株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長:津賀 一宏、以下「パナソニック」)の社内分社であるコネクティッドソリューションズ社(本社:東京都中央区、社長:樋口 泰行)と協力して、クラウド上で映像制作を完結できるシステム(以下「本システム」)を共同開発し、地上デジタル放送での共同検証を実施しました。本システムは、ICT(情報通信技術)を活用して映像制作をクラウド化し、撮影から制作、編集、配信までをシームレスに行うことを定義した概念「Broadcast as a Service」を実現するものです。

近年、インターネット配信の増加などにより映像コンテンツの需要は拡大していますが、映像制作の人材不足に加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、現場集中型のワークフローが課題となっています。また、近年の映像コンテンツの高度化による制作機材のコスト増加が放送局や映像制作会社の負担となっており、映像制作のプロセス改革が求められています。そこで、AV技術に強みを持つパナソニックと、ネットワーク技術に強みを持つソフトバンクが協力することで、遠隔地からクラウド上で映像制作を完結できる本システムを共同開発しました。

本システムは、ソフトバンクのデータセンターにある映像制作システムに、パナソニックの新IT/IPプラットフォーム「Kairos(ケイロス)」を導入して、パナソニックの放送用ネットワークカメラを活用し、撮影現場とデータセンターをIPネットワークで接続することで、撮影から編集までの工程をIPで実現しています。これにより、事前収録した映像素材やライブ映像をソフトバンクのクラウドサーバーにアップロードすることで、別の場所から遠隔操作・映像編集を行うといった分散型のリモートワークフローを実現して、従来よりも効率的に映像制作を進めることが可能になります。

このたび、両社が制作会社に本システムを提供して、事前収録から制作・編集までをクラウド上で行った番組が、2020年12月18日から地上デジタル放送で順次放送されました。

ソフトバンクは、放送業界が抱える課題解決や需要に対して、5Gやセキュアなネットワークインフラを活用し、今後もさまざまな取り組みを進めていきます。

本システムの特長

  1. 1.
    従来の現場集中型から分散型のワークフローにすることで、効率的な映像制作、低コスト化に貢献
  2. 2.
    移動時間や作業待ち時間の削減、制作・編集作業の並列処理など制作現場の働き方改革を実現
  3. 3.
    制作機材を保有する必要がなく資産圧縮が可能なため、放送局や映像制作会社のコスト削減を後押し

共同検証イメージ

共同検証イメージ
  1. 収録(事前):パナソニック製放送用ネットワークカメラ(AG-CX350)で事前収録。収録した映像データをファイル化し、データセンターへアップロード。遠隔地からアップロードした映像データにアクセスし、事前に編集。
  2. 収録(当日):スタジオにて4台のカメラで撮影した映像を、ストリーミングでデータセンターへ入力。事前収録映像と併せて、遠隔地のサブスタジオから映像をスイッチング。
  3. 番組映像編集:遠隔地から収録した映像データにアクセスして編集。番組用映像データを作成。

共同検証写真(収録当日)

共同検証写真(収録当日)
撮影スタジオ/リモートサブスタジオ/データセンター/Kairos(データセンター内)
[注]
  1. IT/IPプラットフォームKairos(ケイロス):パナソニックが開発して2020年9月に販売開始した、プロスポーツ、コンサートなどの各種イベントおよび放送局の映像制作・会場演出・映像配信の用途に向けて、ライブ映像制作のクオリティーと生産性を飛躍的に向上させる次世代ライブ映像制作システム
  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。