プレスリリース 2021年

F5とソフトバンク、MECを活用した
ライブ動画配信の最適化ソリューションの実証実験に成功

~船上の衛星通信環境下で「ABEMA」の番組映像を複数端末に同時配信~

2021年1月19日
F5ネットワークスジャパン合同会社
ソフトバンク株式会社

F5ネットワークスジャパン合同会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:権田 裕一、以下「F5」)とソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮内 謙、以下「ソフトバンク」)は、ネットワーク帯域に制限がある船上の衛星通信環境下で、テレビ&ビデオエンターテインメント「ABEMA」の番組映像を、F5のキャッシュ※1機能を実装したMEC※2を活用し、複数の端末に同時配信する実証実験に成功しました。

この実証実験の成功は、ネットワーク帯域に制限がある船上の衛星通信環境で、MECの有効性を証明しました。また、MECを活用することで、衛星通信の課題を解決するソリューションの開発が可能になることが期待できます。

実証実験の背景と目的

現在、4Gに加え、高速大容量・低遅延・多数同時接続という特長を有する5Gの登場で、4K/8Kなど高精細映像の高速伝送、VR/MRを活用した3Dコンテンツのライブ配信、自動運転車やロボットの遠隔操作、膨大な数の端末が稼働するスマート工場やインフラ設備の制御など、高度な通信要件が求められるサービスやソリューションの実現が期待されています。その一方で、生活圏ではない山奥や遠洋などでは、通信サービスが十分に行き届かないエリアが存在します。このようなエリアでは衛星通信が利用されていますが、衛星通信は地上局に比べてネットワーク帯域が貴重であるため、データ通信が制限されるという課題があります。

F5とソフトバンクは、このような課題に対して、衛星通信環境におけるMECの有効性を実証するため、F5のキャッシュ機能をMECに実装し、通信帯域に制限がある環境下で、「ABEMA」の番組映像を複数の端末に同時配信する実証実験を行いました。

実証実験の構成

実証実験の構成

実験結果

実証実験では、通常スマートフォン1、2台しか映像を視聴できないような船上の衛星通信環境下で、スマートフォン10台で同時に「ABEMA」の番組映像を、安定的に視聴できることを確認しました。MECでキャッシュを行わない場合、複数台のスマートフォンで映像が停止しましたが、MECでキャッシュを行うことで、スマートフォンを10台以上にした場合でもネットワークの負荷はほとんど変わらず、同時接続する端末数の増加に伴うトラフィックの増加を最小限に抑えられることも確認できました。

実験イメージ

F5とソフトバンクは、今後もさまざまな企業と連携して、MECを活用したソリューションを開発・提供していきます。

[注]
  1. ※1
    キャッシュ:取得した動画ファイルをキャッシュサーバーに一度保存すると、二度目以降はキャッシュサーバーから動画ファイルを取得することで、低遅延・高画質の動画を配信することができる技術。
  2. ※2
    Multi-access Edge Computing:端末から近い位置にデータ処理機能を配備することで、通信の最適化や高速化をすることができる技術。

ABEMAについて

「ABEMA」は、2016年4月に本開局した、テレビ&ビデオエンターテインメントとして展開する動画配信事業。国内唯一の緊急・速報をはじめとした24時間編成のニュース専門チャンネルや、オリジナルのドラマや恋愛リアリティーショー、アニメ、スポーツなど、多彩な番組をお楽しみいただけます。詳細はこちらをご覧ください。

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