プレスリリース 2021年
ソフトバンクとカナモト、
建設機械の遠隔操縦の実現に向けた実証実験を実施
~5Gを活用した商用サービスを見据えて、通信ネットワークの優先制御機能と
閉域網で建設機械を遠隔操縦できることを確認~
2021年5月12日
ソフトバンク株式会社
株式会社カナモト
ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川 潤一、以下「ソフトバンク」)と株式会社カナモト(本社:札幌市中央区、代表取締役社長:金本 哲男、以下「カナモト」)は、通信ネットワークの優先制御機能※1と閉域網サービス「SmartVPN※2」を活用して、建設機械の遠隔操縦の実証実験を実施しました。
近年、建設業界では若年就業者の減少による労働力不足が課題となっており、省人化による生産性向上に向けた取り組みとして、自動運転や遠隔操縦などさまざまな実証実験が行われています。また、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、建設業界ではリモート作業環境の構築への期待が高まっています。しかしながら、繊細かつ危険な作業が多い建設現場でのリモート作業環境の構築には、5G(第5世代移動通信システム)の大容量通信に加えて、無線区間および伝送区間で安定した通信環境を構築することが求められます。ソフトバンクとカナモトは、5Gのネットワークの拡大およびネットワークスライシング技術などの実用化を見据えて、通信ネットワークを活用した遠隔操縦の商用サービスの実現性に関する実証実験を、2019年から共同で行ってきました。
この実証実験では、優先制御機能を付与した通信ネットワークと「SmartVPN」で構築した閉域網を活用して、カナモトが開発した遠隔制御装置「KanaRobo(カナロボ)」と4台のカメラを搭載した建設機械(バックホー)を、操作室から遠隔操縦しました。通信ネットワーク環境で遠隔操縦する場合、映像の遅延と操作信号の揺らぎなどで操作に違和感が生じることがありますが、無線区間を優先制御機能で安定させて、伝送区間を閉域網にすることで映像の遅延を短縮することができた他、閉域網内でバックホーと操作室を直接通信することで操作信号の揺らぎを軽減させて、操縦者が遠隔でも違和感なく建設機械を操縦できることを確認しました。
ソフトバンクとカナモトは今後、天候やネットワークの負荷状態などを考慮した試験を行い、2022年以降の商用サービス提供を目指します。また、建設機械の遠隔操縦の他、AI(人工知能)解析ソリューションなどを組み合わせたパッケージでのサービス提供も視野に入れ、さまざまな実証実験を行っていきます。
- [注]
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- ※1一般的に、ネットワーク回線で提供される通信やサービスの品質「QoS(Quality of Service)」を指す。この実証実験では、LTEのネットワークに優先制御機能として帯域制御を付与した実験局を使用した。
- ※2IPトラフィックの爆発的な増加やクラウド市場の急速な拡大を背景に、「Cloud Ready」(クラウドとの親和性の高さ)をコンセプトに開発した、ソフトバンクのVPNサービス。詳細はこちらをご覧ください。
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構成イメージ
実験風景
なお、このたびの実証実験の詳細を、2021年5月12~14日に開催される「CSPI-EXPO」で展示します。展示ブースでは、建設機械の遠隔操縦のデモンストレーションを予定しています。(予定は変わる可能性があります)
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