プレスリリース 2021年

株式会社イーエムネットジャパン株券等(証券コード7036)
に対する公開買付けの開始及び
資本業務提携契約の締結に関するお知らせ

2021年5月21日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、2021年5月21日、株式会社イーエムネットジャパン(コード番号7036、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)マザーズ市場上場、以下「対象者」といいます。)の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)及び本新株予約権(下記「2.買付け等の概要」の「(3)買付け等の価格」において定義します。)を対象とする金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下「法」といいます。)による公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施すること、並びに対象者との間で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といい、当該契約に基づく資本業務提携を、以下「本資本業務提携」といいます。)を締結することを決定いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

全文リリース(PDF形式:643KB/31ページ)

1. 買付け等の目的等

  1. (1)
    本公開買付けの概要
    公開買付者は、本日現在、ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」といいます。)がその発行済株式(自己株式を除きます。)の40.86%(2021年3月末現在の公開買付者の発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対する、所有株式数の割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)を記載しております。)をSBGの完全子会社であるソフトバンクグループジャパン株式会社(以下「SBGJ」といいます。)を通じて所有する子会社であり、その株式を東京証券取引所市場第一部に上場しております。本日現在、公開買付者、SBG及びSBGJは、東京証券取引所マザーズ市場に上場している対象者株式及び本新株予約権を所有しておりません。
    今般、公開買付者は、対象者との間で本資本業務提携契約(なお、本資本業務提携契約の詳細については、下記「(3)本公開買付けに係る重要な合意等」の「②本資本業務提携契約」をご参照ください。)を締結し、当該契約の定めに基づいて、対象者の親会社であり、また、主要株主かつ筆頭株主であるEMNET INC.(所有株式数:1,180,200株、所有割合※1:59.74%、以下「EMNET」といいます。)が所有する対象者株式の一部(785,000株、所有割合:39.74%)、及び対象者の代表取締役社長かつ第6位株主(2021年3月末現在)である山本 臣一郎氏(戸籍上の氏名:安中臣一郎、所有株式数:60,000株、所有新株予約権数:40個(目的となる株式数:4,000株)、所有割合:3.24%、以下「山本氏」といい、EMNET及び山本氏を総称して「応募合意株主」といいます。)が所有する対象者株式の一部(6,200株、所有割合:0.31%)を取得し(以上の応募合意株主から取得する対象者株式の全て(合計791,200株、所有割合:40.05%)を以下「応募合意株式」といいます。)、公開買付者と対象者それぞれの事業基盤強化と持続的成長を図ること、及び対象者を公開買付者の連結子会社とすることを目的として本公開買付けを実施することを、2021年5月21日付で決定いたしました。
    [注]
    1. ※1
      「所有割合」とは、(ⅰ)対象者が2021年5月12日に提出した「第9期第1四半期報告書」(以下「対象者第1四半期報告書」といいます。)に記載された2021年5月12日現在の対象者の発行済株式数(1,881,200株)に、(ⅱ)2021年5月13日以降2021年5月21日までに第1回新株予約権75個の行使により発行された対象者株式の数(30,000株)を加算した数に、(ⅲ)2021年5月21日現在残存する全ての本新株予約権(対象者によれば、第1回新株予約権93個(目的となる株式数:37,200株)、第2回新株予約権255個(目的となる株式数:25,500株)及び第3回新株予約権17個(目的となる株式数:1,700株))の目的となる株式数(合計64,400株)を加算した数(1,975,600株)から、(ⅳ)対象者が2021年5月11日付で公表した「2021年12月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」(以下「対象者第1四半期決算短信」といいます。)に記載された2021年3月31日現在の対象者が所有する自己株式数(29株)を控除した株式数(1,975,571株)(以下「対象者潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。以下同じです。
    本公開買付けに際して、公開買付者は、2021年5月21日付で、EMNETとの間でTender Offer Agreementを、山本氏との間で、公開買付応募契約(以下、Tender Offer Agreementと併せて、「本応募契約」といいます。)をそれぞれ締結しております。本応募契約において、EMNETは、EMNETが所有する対象者株式の一部(785,000株、所有割合:39.74%)を、山本氏は、山本氏が所有する対象者株式の一部(6,200株、所有割合:0.31%)を、それぞれ本公開買付けに応募することを公開買付者との間で合意しております。なお、本応募契約の詳細については、下記「(3)本公開買付けに係る重要な合意等」の「①本応募契約」をご参照ください。
    本公開買付けは、応募合意株式の応募を前提として行われ、また、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(金2,257円。以下「本公開買付価格」といいます。)は、本公開買付けの公表日の前営業日である2021年5月20日の対象者株式の東京証券取引所マザーズ市場における終値2,508円に対して10.01%(小数点以下第三位を四捨五入した値とします。以下、ディスカウント率の計算において同じとします。)のディスカウントを行った価格ですので、応募合意株式のみが応募されることを想定しております。また、本新株予約権のうち、第1回新株予約権については権利行使時点において対象者の取締役、監査役及び従業員の地位にあることが、第2回新株予約権及び第3回新株予約権については権利行使時点において対象者又は対象者の関係会社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)又は使用人であること(ただし、任期満了による退任及び定年退職、その他正当な理由のある場合には、この限りでない。)が、それぞれ権利行使条件として定められており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解されることから、公開買付者は、本公開買付けにおける本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権価格」といいます。)を1円としているため、本新株予約権が応募されることは想定しておりません。もっとも、公開買付者が応募合意株式を取得するためには公開買付けの方法による必要があることから、本公開買付けを実施し、応募合意株主以外の対象者の株主の皆様及び本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様にも同一の売却機会を提供するものです。
    また、本公開買付けは、対象者を公開買付者の連結子会社とすることを目的として応募合意株式を取得することを企図するものであり、対象者株式の上場廃止を企図するものではなく、公開買付者、EMNET及び対象者は、本公開買付け成立後も対象者株式の上場を維持する方針です。この場合、東京証券取引所の新市場区分における上場維持基準(詳細については、下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「①本公開買付けの目的及び背景」をご参照ください。)を前提とすれば、可能な限り応募合意株式のみが応募される取引とする必要があることに加え、本公開買付け後にEMNETが20%程度の対象者株式の所有を継続するというEMNETの意向、並びに、山本氏による同氏が所有する対象者株式の売却は本公開買付けにおいては可能な限り行われないことに関する公開買付者及びEMNETの意向も考慮する場合、公開買付者が本公開買付けを通じて対象者株式の過半数を取得することは不可能であることから、公開買付者は、公開買付者に適用される会計基準である国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards、以下「IFRS基準」といいます。)に基づき対象者を連結子会社化することを前提に、そのために必要となる数の対象者株式を取得することを目的として、買付予定数の下限を、応募合意株式と同数の791,200株(所有割合:40.05%、議決権所有割合※2:41.40%)としております。したがって、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が当該買付予定数の下限に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。
    また、上記のとおり、本公開買付けは、対象者株式の上場廃止を企図するものではなく、公開買付者、EMNET及び対象者は、本公開買付け成立後も対象者株式の上場を維持する方針ですが、本公開買付けにおいては、公開買付者及びその特別関係者(法第27条の2第7項に規定される者をいいます。なお、本日現在、公開買付者が把握している、対象者の株券等を所有している特別関係者はEMNETのみです。以下同じです。)の本公開買付け後の株券等所有割合が3分の2を超える可能性があり※3、この場合、法令の規定(法第27条の13第4項、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。以下「令」といいます。)第14条の2の2、法第27条の2第5項、令第8条第5項第3号)に従い全部買付義務及び全部勧誘義務が生じるため、買付予定数の上限を設定しておりません。したがって、本公開買付けにおいて買付予定数の下限(791,200株)以上の応募があった場合には、公開買付者は応募株券等の全ての買付け等を行います。
    [注]
    1. ※2
      「議決権所有割合」とは、対象者第1四半期報告書に記載された2021年5月12日現在の対象者の発行済株式数(1,881,200株)に、2021年5月13日以降2021年5月21日までに第1回新株予約権75個の行使により発行された対象者株式の数(30,000株)を加算した数(1,911,200株)から、対象者第1四半期決算短信に記載された2021年3月31日現在の対象者が所有する自己株式数(29株)を控除した株式数(1,911,171株)に係る議決権の数である19,111個に対する議決権の数の割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。
    2. ※3
      本公開買付けにおいて応募合意株式と同数を買付予定数の上限として設定した場合(この場合、買付け等をする株券等は対象者株式のみであることを前提とします。)でも、仮に本公開買付けに応募合意株式以外の株券等が応募された場合は、応募株券等の合計数が当該買付予定数の上限を超えることになるため、法第27条の13第5項及び発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。以下「府令」といいます。)第32条に規定するあん分比例の方式に従って買付け等を行うこととなりますが、応募株券等の数によっては(具体的には、応募合意株主以外の対象者の株主から、対象者潜在株式勘案後株式総数の約5%以上の応募があった場合には)、本公開買付け後に公開買付者が所有することになる対象者株式の数(応募合意株式と同数の791,200株、所有割合:40.05%)は応募株券等の数によって変わらない一方で(ただし、上記あん分比例の方式に従って買付け等を行うことにより変動が生じる可能性があります。)、応募合意株主かつ特別関係者であるEMNET(所有株式数:1,180,200株、所有割合:59.74%)が本公開買付けに応募することを合意している対象者株式(785,000株、所有割合:39.74%)の一部を売却することができず、本公開買付け後にEMNETが所有することになる対象者株式の数が当初の想定より増加することで、公開買付者及びその特別関係者の本公開買付け後の株券等所有割合(計算方法の詳細は下記「2. 買付け等の概要」の「(6)買付け等による株券等所有割合の異動」をご参照ください。)が、結果的に3分の2を超える可能性があります。
    このため、本公開買付けの結果次第では、対象者株式が東京証券取引所が定める東京証券取引所マザーズ市場の上場廃止基準(以下「上場廃止基準」といいます。)に抵触する可能性があります。本公開買付けの結果、対象者株式が上場廃止基準に抵触するおそれが生じた場合、下記「(6)上場廃止となる見込み及びその理由」に記載のとおり、上場廃止までの猶予期間として定められている1年の期間内に、公開買付者は対象者との間で、上場廃止の回避のための方策について誠実に協議・検討した上で、対象者株式の上場維持に向けた最適な方策を実行する予定です。ただし、上記方策の具体的な対応、実施の詳細及び諸条件につきましては、現在具体的に決定している事項はありません。
    なお、公開買付者は、IFRS基準の下で、買付予定数の下限に相当する数の対象者株式を取得した上で、対象者への実質的な経営支配を確保するための対象者取締役の過半数指名権等の追加的な権利を確保するため、2021年5月21日付で、EMNETとの間でShareholders Agreement(以下「本株主間契約」といいます。なお、本株主間契約の詳細については、下記「(3)本公開買付けに係る重要な合意等」の「③本株主間契約」をご参照ください。)を締結しており、これにより、対象者を連結子会社化する予定です。
    対象者が2021年5月21日に公表した「ソフトバンク株式会社による当社株券等に対する公開買付けに関する意見表明及び同社との資本業務提携のお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2021年5月21日開催の取締役会において、本公開買付けに関して、賛同の意見を表明するとともに、本公開買付けは対象者株式の上場廃止を企図したものではなく、本公開買付け後も対象者株式の上場が維持される方針であるため、本公開買付けに応募するか否かについては、対象者の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様のご判断に委ねること、並びに公開買付者との間で本資本業務提携契約を締結することを決議したとのことです。
    上記、対象者取締役会の決議の詳細については、対象者プレスリリース及び下記「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員である者を含む)全員の承認」をご参照ください。
  2. (2)
    本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
    1. 本公開買付けの目的及び背景
      公開買付者は、ソフトバンクグループ(SBG並びにその子会社1,408社及び関連会社535社(会社数は2021年3月末現在)により構成される企業集団をいいます。以下同じです。)に属し、主な事業は、「コンシューマ事業」(一般個人向けの移動通信及びブロードバンドサービス並びに付帯事業の提供)、「法人事業」(法人顧客向けの通信サービス及びソリューション提供)、「流通事業」(IT商材、携帯アクセサリー等の直販及び卸売)、「ヤフー事業」(eコマースサービス及び広告関連サービス等の提供)及び「その他の事業」(決済代行サービスの提供、スマートフォン専業証券等の前述のセグメントに属さない事業)です。ソフトバンクグループは「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、企業価値の最大化を図るとともに、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループを目指し、情報・テクノロジー領域において、様々な事業に取り組んでおります。その中において、公開買付者は通信領域で培った営業及びマーケティングに関するノウハウを有し、世界中の最先端テクノロジーの知見を最大限に発揮することで、既存顧客に限らず、社会全体に便益を提供しながら、顧客基盤の拡大と新たな収益基盤の確立を遂げていくことを戦略と位置付けております。
      公開買付者は、2017年度から「Beyond Carrier」を成長戦略と定めており、AI(Artificial Intelligence:人工知能)などテクノロジーを駆使した通信以外の事業領域の拡大を目指しております。かかる戦略の下で、公開買付者は、2019年6月のZホールディングス株式会社の子会社化、2021年3月の子会社であるZホールディングス株式会社とLINE株式会社の統合等を通じて、国内月間利用者数(2021年3月末現在)がそれぞれ約6,700万人のYahoo! JAPAN及び約8,800万人のLINE等のデジタルプラットフォームを保有する他、データ及び最先端テクノロジーの活用により、顧客のマーケティングDX※1の支援に取り組んでおります。
      [注]
      1. ※1
        マーケティングDXとは、企業がデータ及びデジタル技術を活用することにより、マーケティング活動をより良いものへと変革していくことです。
      一方、対象者は、親会社であり、韓国法人であるEMNETがインターネット広告事業の日本展開を行うために2007年にEMNETの日本支社として株式会社イーエムネットを設立した後、日本での更なる事業拡大を企図し、より機動性、独立性の高い事業展開を実現するため、同社より事業譲渡を受けることを前提として、2013年4月にEMNETの100%出資により設立されたとのことです。対象者は、設立以降、「クライアントと共に歩む企業」という企業理念を掲げ、クライアント企業のニーズに応えるべく、デジタルマーケティングにおける課題を解決し、更なる利益向上を図るための戦略・運用・分析・改善サービスまで提供するインターネット広告事業を行っているとのことです。対象者の事業の特徴としては、一人の担当者がクライアント企業に対して営業、広告の企画提案・運用・分析・改善までをワンストップで行う専任制を敷いており、インターネット広告に関するコンサルタントとして総合的かつ専門的な見地からサービスを提供可能な点に強みを有し、検索連動型広告※2、運用型ディスプレイ広告※3等を主力サービスとして事業を拡大してきたとのことです。また、対象者は、2018年9月より東京証券取引所マザーズ市場に上場しているとのことです。
      [注]
      1. ※2
        検索連動型広告(リスティング広告)とは、公開買付者の連結子会社であるZホールディングス株式会社の完全子会社であるヤフー株式会社やGoogle LLC 等が提供する検索エンジンの検索結果に表示される広告であり、検索キーワードと連動し、検索結果ページに関連する内容の広告が表示される運用型の広告(運用状況に合わせて入札額やクリエイティブ、広告枠、ターゲット等を変更・改善しながら運用し続けていく広告です。)で、ニーズ顕在層に向けてアプローチが可能な広告です。
      2. ※3
        運用型ディスプレイ広告とは、ユーザーの性別、年齢、住所、職業といったデモグラフィックデータや、興味・関心などの条件を設定することで、当該ユーザーの閲覧するポータルサイトやブログ等の広告エリアに広告を表示するもので、検索連動型広告ではアプローチができないユーザーへ接触が可能な、多くの見込層、潜在層に向けたアプローチが可能な広告です。
      対象者の事業領域であるインターネット広告市場は、市場全体が順調に拡大しつつも事業環境の変化が非常に早く、それによりクライアント企業のニーズが絶えず変化していることから、対象者は、更なる利益成長と企業価値の向上を実現するためには、事業環境の変化への適応が非常に重要であると認識していたとのことです。具体的には、デジタルテクノロジーの進化が、企業経営及び急速な技術革新が進むインターネット広告事業においても、今後大きな影響を与えると考えられることから、対象者としても、こうしたデジタルテクノロジー等の新技術への対応が必要と認識していたとのことです。また、顧客基盤の観点では、特に東京都以外の地域に本店所在地のある法人顧客に対して、他媒体の広告からインターネット広告へ広告出稿のシフトを促すデジタルシフト戦略を含む広告提案を行うことで、案件数の増加に取り組んできたとのことです。
      公開買付者は、上述の戦略のもと、公開買付者の顧客へのマーケティングDX支援体制の更なる強化及び顧客基盤の更なる拡大のために、成長施策の一つとしてインターネット広告領域におけるM&Aについても常に検討しておりました。かかる中、公開買付者は、戦略立案から分析改善までワンストップで提供可能なインターネット広告運用ノウハウ及び特定業種に偏らない顧客基盤を持つ会社として、公開買付者の子会社であるヤフー株式会社との間で広告サービスに関する代理店取引を有していた対象者の存在を認識するに至り、かかる対象者との間で提携関係を構築することが、マーケティングDX支援体制の強化につながる可能性があると考えたことから、公開買付者は、2020年11月下旬、対象者の連結子会社化及び本資本業務提携に向けた検討を開始するとともに、公開買付者による対象者の連結子会社化及び本資本業務提携に関して、対象者に対する初期的な打診をいたしました。そして、公開買付者は、当該打診の結果、対象者より、公開買付者による連結子会社化及び本資本業務提携に関する協議に応じる可能性があるとの感触を得た他、当該検討を通じて、従来より顧客のマーケティングDXの支援に取り組む中で特に強化が必要と考えていたインターネット広告運用の領域において対象者が有するノウハウ及び特定業種に偏らない顧客基盤を踏まえると、公開買付者と対象者は十分な補完関係があり、対象者の連結子会社化及び本資本業務提携によりシナジーを創出することが公開買付者の更なる企業価値向上に資すると考えました。そのため、公開買付者は、2020年12月上旬、対象者に対して、相互の経営資源の活用、両社の提供するサービス価値の向上を目的として、公開買付者による対象者の連結子会社化及び本資本業務提携に向けた協議を開始することに関する初期的な申し入れを行い、対象者からも当該具体的な協議を開始することに関する応諾を得ました。その後、公開買付者は、2021年1月下旬から同年2月上旬に、対象者に対して、公開買付者による公開買付けの方法による対象者株式の取得並びに公開買付者及び対象者による資本業務提携の意義・目的について改めて説明を行った上で、公開買付者及び対象者はこれらに向けた具体的な協議を開始いたしました。
      また、上記検討において、公開買付者は、対象者の連結子会社化のためには、公開買付けによる対象者株式の取得が最適な手法と判断し、また、対象者の親会社であり、主要株主かつ筆頭株主であるEMNETから、対象者の連結子会社化のために必要となる過半数程度のまとまった割合の対象者株式の応募を受付ける必要があると考えていたことから、2020年11月下旬に、対象者の代表取締役社長である山本氏を通じてEMNETに接触し、公開買付者による対象者の連結子会社化及びそのためのEMNETが所有する対象者株式の公開買付者への売却に関する打診を行ったところ、EMNETが所有する対象者株式の売却に関する協議に応じる可能性があるとの感触を得たため、2021年2月上旬に、公開買付者による対象者の連結子会社化及びEMNETからの本公開買付けによる対象者株式の取得に向けて、EMNETとの間で協議を開始いたしました。なお、EMNETは、対象者の更なる企業価値向上のためには、公開買付者による対象者の連結子会社化及び本資本業務提携によって期待される公開買付者が有するデジタルプラットフォームと対象者との協業により創出されるシナジーを踏まえると、対象者の新たなパートナーとして公開買付者との関係を構築することが有用であると考えられること、及び今後EMNETが韓国以外の海外での事業展開も想定している中で、将来的にEMNET、対象者及び公開買付者の3社で海外での事業展開を行う可能性に期待したことから、協議に応じる判断に至ったとのことです。
      これらの協議を通じて、公開買付者に対して、対象者から、2021年2月上旬に、本公開買付け後においても東京証券取引所マザーズ市場における対象者株式の上場を維持する点について希望が示され、また、EMNETから、同年2月上旬に、今後EMNETが韓国以外の海外での事業展開も想定している中、本公開買付け後においても対象者との事業上の関係を継続するため、本公開買付け後もEMNETが対象者株式の20%程度の所有を継続する点について希望が示されました。また、公開買付者及びEMNETは、対象者の代表取締役社長である山本氏が本公開買付け後も在任すること、及び、山本氏の対象者への継続的なコミットメントを確保する観点から、山本氏による同氏が所有する対象者株式の売却は本公開買付けにおいては可能な限り行われないことを希望していました。
      公開買付者は、これらの条件を満たしつつ、公開買付者による対象者の連結子会社化を可能とするスキームについて検討し、2021年2月中旬に、以下の点を満たすスキームとする必要があるという考えに至りました。
      1. (ⅰ)
        対象者株式の上場を、本公開買付けの直後のみならず中長期的に維持するためには、2021年6月30日を移行基準日、2022年4月4日を一斉移行日とする東京証券取引所の新市場区分への移行において、マザーズ市場からの移行先として予定されるグロース市場における上場維持基準を踏まえると、本公開買付け後においても対象者の流通株式比率※4を25%以上とする必要がある一方、本公開買付けにおいて一般株主の応募を前提とした場合、流通株式が減少し、当該基準を満たさないこととなる可能性もあるため、可能な限り応募合意株式のみが応募される取引とすべく、公開買付価格を対象者株式の市場株価よりもディスカウントした価格とする必要があること
        [注]
        1. ※4
          流通株式とは、上記(ⅰ)においては、2020年12月25日に東京証券取引所により公表された「市場区分の見直しに向けた上場制度の整備について(第二次制度改正事項)」において定義される意味を有しますが、下記「(6)上場廃止となる見込み及びその理由」においては、本日現在、東京証券取引所の有価証券上場規程施行規則により定義される意味を指します。
      2. (ⅱ)
        上記(ⅰ)のとおり一般株主からの応募を前提とせず、また、山本氏による同氏が所有する対象者株式の売却は本公開買付けにおいて可能な限り行わないという前提の下では、EMNET(所有株式数:1,180,200株、所有割合:59.74%)のみから対象者株式の売却を受けることになるところ、本公開買付け後もEMNETが対象者株式の20%程度の所有を継続するという上述のEMNETの希望も踏まえる場合、公開買付者が本公開買付けを通じて対象者株式の過半数を取得することは不可能であることから、IFRS基準の下で、公開買付者による対象者の連結子会社化のために必要となる、公開買付者による対象者の実質的な経営支配を実現するために、公開買付者が本公開買付けにおける買付予定数の下限に相当する数の対象者株式を取得した上で、かかる実質的な経営支配を確保するための対象者取締役の過半数指名権等の追加的な権利を有することが必要であり、かかる権利を本公開買付け後においても対象者の主要株主となるEMNETとの間で確保するために、本株主間契約(本株主間契約の詳細については、下記「(3)本公開買付けに係る重要な合意等」の「③本株主間契約」をご参照ください。)をEMNETとの間で締結する必要があること
      3. (ⅲ)
        公開買付者が上述の条件を満たしつつ、IFRS基準による対象者の連結子会社化のために最低限必要となる本公開買付けにおける買付予定数の下限に相当する数の対象者株式の取得を確実なものとするためには、EMNETに加えて山本氏からも、同氏が所有する対象者株式の一部(6,200株、所有割合:0.31%)を取得する必要があり、また、山本氏からの対象者株式の取得がかかる水準に留まるのであれば、本公開買付け後の山本氏の対象者への継続的なコミットメントを確保する観点で支障がないと思料されること
      その後、公開買付者は、2021年2月下旬から同年3月上旬にかけて、応募合意株主及び対象者に対し、上記(ⅰ)ないし(ⅲ)を前提に本公開買付けの検討を進めることについて提案を行い合意に至りました。
      その上で、公開買付者は、同年3月中旬から同月下旬にかけて、対象者に対するデュー・ディリジェンスを実施し、並行して、2021年5月上旬にかけて、応募合意株主との間で応募合意株式数及び本公開買付価格について交渉を行い、また、EMNETとの間では本株主間契約(本株主間契約の詳細については、下記「(3)本公開買付けに係る重要な合意等」の「③本株主間契約」をご参照ください。)で定める事項についても、それぞれ交渉を行いました。かかる交渉の中で、公開買付者、対象者及びEMNETは、本公開買付け後における公開買付者及びEMNETの対象者株式に係る所有割合の維持に関する合意を行うために、三者間契約(以下「本三者間契約」といいます。本三者間契約の詳細については、下記「(3)本公開買付けに係る重要な合意等」の「④本三者間契約」をご参照ください。また、本公開買付け、本資本業務提携及び本三者間契約を総称して、以下「本取引」といいます。)を締結することについての検討を開始し、同契約で定める事項についても並行して交渉を行いました。
      そして、公開買付者は、応募合意株主との間で、それぞれ、本公開買付けに応募合意株式を応募すること、及び、短期的かつ急激な株価変動による影響を可及的に低減させるために、本公開買付けの公表日の前営業日のみならず公表前の一定期間の株価を踏まえて本公開買付価格を設定することが望ましいと考えたことから、本公開買付価格を、(ⅰ)本公開買付けの公表日の前営業日である2021年5月20日の対象者株式の東京証券取引所マザーズ市場における終値又は(ⅱ)同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値(小数点以下を四捨五入した値とします。以下、対象者株式の株価の終値単純平均値の計算において同じとします。)のうち低い価格に対して10%ディスカウントした価格(1円未満については切り捨てた値とします。)とすることで合意し、同年5月21日付で本応募契約を締結するとともに、同日付でEMNETとの間で本株主間契約(本株主間契約の詳細については、下記「(3)本公開買付けに係る重要な合意等」の「③本株主間契約」をご参照ください。)を締結しております。
      また、本公開買付けは対象者株式の上場廃止を企図するものではなく、公開買付者、EMNET及び対象者は、本公開買付け成立後も対象者株式の上場を維持する方針ですが、公開買付者が本公開買付けの実施に向けて詳細な検討を行う中で、2021年4月下旬、本公開買付けにおいては、公開買付者及びその特別関係者の本公開買付け後の株券等所有割合が3分の2を超える可能性があり(詳細については、上記「(1)本公開買付けの概要」の※3をご参照ください。)、この場合、法令の規定(法第27条の13第4項、令第14条の2の2、法第27条の2第5項、令第8条第5項第3号)に従い全部買付義務及び全部勧誘義務が生じることが判明したため、公開買付者は、本新株予約権についても、買付け等をする株券等に含めることといたしました。なお、本新株予約権のうち、第1回新株予約権については権利行使時点において対象者の取締役、監査役及び従業員の地位にあることが、第2回新株予約権及び第3回新株予約権については権利行使時点において対象者又は対象者の関係会社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)又は使用人であること(ただし、任期満了による退任及び定年退職、その他正当な理由のある場合には、この限りでない。)が、それぞれ権利行使条件として定められており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解されることから、公開買付者は、2021年5月21日に、本新株予約権価格をいずれも1円とすることを決定しております。
      上記に加えて、公開買付者及び対象者は、2020年12月上旬以降、本資本業務提携によって期待されるシナジー、本資本業務提携の具体的な手法・内容等について、複数回に亘って討議を重ねてまいりました。
      公開買付者及び対象者は、経営資源を相互に活用することによって、マーケティングDXの推進を目指すと同時に、対象者を公開買付者の連結子会社とすることにより、両社の特性を生かし、以下のようなシナジーの実現を目指してまいります。
      1. (ⅰ)
        マーケティングDX支援の体制強化
        公開買付者は、通信領域で培った営業及びマーケティングに関するノウハウ、Yahoo! JAPANやLINE等のデジタルプラットフォーム及びデータ活用に加えて、対象者のインターネット広告運用ノウハウを連携することによりマーケティングDX支援の体制強化に取り組んでまいります。公開買付者及び対象者は、両社の経営資源を用いた体制強化及び新規サービス開発により、提供サービスの価値が向上し、商品及びサービスの認知、集客等に関する顧客の課題の解決に貢献できると考えております。
      2. (ⅱ)
        公開買付者及び対象者の顧客拡大
        公開買付者は、大企業を中心とする複数業種の顧客基盤を持ち、対象者は中小企業を中心とする幅広い地域の顧客基盤を保有しております。公開買付者及び対象者間の人材交流を通じて、営業ノウハウを共有することにより、両社の顧客拡大につながると考えております。
      3. (ⅲ)
        公開買付者及び対象者のナレッジ及びテクノロジーの相互活用
        公開買付者及び対象者の有するデジタル領域のナレッジ及びテクノロジーを相互に活用することを検討してまいります。具体的には、公開買付者が有する業務プロセスの自動化に係るナレッジ及びテクノロジーを対象者に導入することで、対象者がより高付加価値な業務にリソースを集中することが可能となると考えております。また、対象者が公開買付者の顧客、公開買付者のグループ会社等に対し、デジタルマーケティングに関するインハウス化支援を行うことにより、公開買付者の顧客、公開買付者のグループ会社等のマーケティング関連業務をより効率化することが可能になると考えております。
      以上のように、本公開買付けの実施による対象者の連結子会社化及び本資本業務提携が、両社のそれぞれの企業価値及び株主価値の向上を図るための手段として極めて有効であるとの考えで両社が一致したことから、公開買付者は、代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川 潤一氏の決定により、対象者との間で本資本業務提携契約を締結し、当該契約の定めに基づいて、応募合意株主が所有する対象者株式の一部を取得し、公開買付者と対象者それぞれの事業基盤強化と持続的成長を図ること、及び対象者を公開買付者の連結子会社とすることを目的として本公開買付けを実施することを、2021年5月21日付で決定いたしました。

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【勧誘規制】
このプレスリリースは、本公開買付けを一般に公表するための記者発表文であり、売付けの勧誘を目的として作成されたものではありません。売付けの申込みをされる際は、必ず本公開買付けに関する公開買付説明書をご覧いただいた上で、株主ご自身の判断で申込みを行ってください。このプレスリリースは、有価証券に係る売却の申込み若しくは勧誘、購入申込みの勧誘に該当する、又はその一部を構成するものではなく、このプレスリリース(若しくはその一部)又はその配布の事実が本公開買付けに係るいかなる契約の根拠となることもなく、また、契約締結に際してこれらに依拠することはできないものとします。
【将来予測】
このプレスリリースには、対象者株式を取得した場合における、公開買付者の経営陣の考え方に基づく、事業展開の見通しを記載しています。実際の結果は多くの要因によって、これらの見込みから大きく乖離する可能性があります。
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