プレスリリース 2021年

ソフトバンクと九州大学が、
LPガス容器の配送最適化の共同研究を実施

~9月20日からフィールドテストを実施、AIやIoTの活用でLPガス業界のDXを推進~

2021年9月13日
ソフトバンク株式会社
国立大学法人九州大学

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)と国立大学法人九州大学(以下「九州大学」)は、LPガス業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けて、AI(人工知能)やIoTを活用したLPガス容器の配送最適化に関するフィールドテストを、LPガス販売事業などを手掛けるアイエスジー株式会社(以下「アイエスジー」)の協力の下、2021年9月20日から実施します。

このフィールドテストに先立ち、ソフトバンクと九州大学は、2020年5月からLPガス容器の配送最適化に関する共同研究を続けてきました。先端的な数理モデルを用いてAIを進化させる研究を行っている、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(以下「九州大学MI研究所」)の数理計算インテリジェント社会実装推進部門が二つのAIモデル(ガスの残量予測モデル、配送計画・ルート策定モデル)を作成し、ソフトバンクがこれらのAIモデルを活用したLPガス容器の配送最適化を可能にするシステム※を開発して、検証を行っています。

今回のフィールドテストは、これまでの共同研究の結果を実際の配送現場で検証することを目的に実施するものです。ソフトバンクは、フィールドテストを含む共同研究の結果を基にシステムの改善を行い、来春をめどにLPガス容器の配送最適化サービスとして実用化を目指します。

[注]
  1. 二つのAIモデルを活用したLPガス容器の配送最適化のシステムは、ソフトバンクが特許出願済み。

共同研究を実施する背景

ソフトバンクは、LPガス業界のDXに向けた取り組みの一環で、IoT機器向け無線通信規格Cat. M1(カテゴリーエムワン)と、ガスメーター間の通信を行うUバスエアの2種類の通信方式に対応した「LPガススマートメーター向け通信ボード」(以下「通信ボード」)を開発し、2019年5月からLPガスメーターメーカーに提供しています。この通信ボードは、LPガススマートメーターに内蔵または外付けすることで、検針データなどのさまざまな情報を毎日自動で収集できるため、検針・保守業務の効率化が期待され、導入が進んでいます。

一方で、LPガス容器の配送業務においては、配送員の高齢化や人材不足が課題となっています。そこでソフトバンクは、通信ボードを通して収集できるデータなどを活用し、AIによるLPガス容器の残量予測や、最適な配送計画・ルートの策定を行うサービスの実用化に向けて、九州大学MI研究所と2020年5月から共同研究を続けてきました。

共同研究の内容

LPガス容器の配送最適化を実現するためには、スマートメーターから収集できるデータや、LPガス事業者が保有する人員・車両情報などを基に、ガスの残量を予測して配送計画を立てた上で、効率的な配送ルートを策定する必要があります。こうした一連の流れをAIで自動化・効率化するために、九州大学MI研究所が、ガスの残量予測モデルと配送計画・ルート策定モデルの二つのAIモデルを作成し、ソフトバンクがこれらをワンストップで活用できるシステムを開発しました。

このシステムでは、スマートメーターから収集した検針データを基に、AIがLPガスの残量を予測する他、その予測結果やLPガス事業者の人員・車両情報などのデータに基づいて効率的な配送計画を立て、最適な配送ルートを自動で策定することが可能です。これまで、配送員は自身の勘や経験によって配送計画やルートを策定していましたが、システムから出力された配送先リストや配送ルートをスマートフォンで確認するだけで、ガス容器を効率的に配送することができるようになります。

各社の役割

  • 九州大学MI研究所 数理計算インテリジェント社会実装推進部門:各種AIモデルの開発
  • ソフトバンク:AIモデルを活用したLPガス容器の配送最適化システムの開発
  • アイエスジー:LPガス業界やガス容器の配送業務などの知識の提供、実験フィールドの提供

共同研究におけるフィールドテストの実施について、アイエスジー株式会社の代表取締役 石井 誠一氏は次のように述べています。
「100年に1度の環境変化の中、ガス業界全体の未来を共創でき、周辺ビジネスへの拡張等の可能性を感じ、ソフトバンクと九州大学の共同研究に参加させていただくことにしました」

共同研究の内容
  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。