プレスリリース 2022年

慶應義塾大学SFC研究所とソフトバンク、
「デジタルツイン・キャンパス ラボ」を始動

~5GやBeyond 5G/6Gなどの先端技術を活用した次世代の情報インフラを研究開発~

2022年9月12日
慶應義塾大学SFC研究所
ソフトバンク株式会社

慶應義塾大学SFC研究所(以下「SFC研究所」)とソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、5G(第5世代移動通信システム)やBeyond 5G/6Gなどの先端技術を活用した次世代の情報インフラを研究開発する場として、慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(所在地:神奈川県藤沢市、以下「SFC」)に「デジタルツイン・キャンパス ラボ」※1を2022年6月1日に設立し、10月から本格的に始動させます。

SFC研究所とソフトバンクは「デジタルツイン・キャンパス ラボ」の設立に向けて、2021年からSFCに自営の5Gネットワークをスタンドアローン(Stand Alone)構成※2で構築し、3次元高精度地図や点群データを活用してキャンパス空間をデジタル化するなどの準備を進めてきました。

「デジタルツイン・キャンパス ラボ」では、5GやBeyond 5G/6Gなどを活用して、各種センサーや動画像認識、空間センシングなどによるキャンパス空間のより精緻なデジタル化や、物理空間(実際のキャンパス)と仮想空間(デジタル化したキャンパス)の相互連携による問題発見や課題解決、自己位置推定技術などの研究開発を行う予定です。また、これらの情報を扱う上でのプライバシーやセキュリティーに関する課題の研究も進め、規格化や標準化などを見据えた次世代の情報インフラを創出するための基盤として研究開発を推進していきます。

「デジタルツイン・キャンパス ラボ」の始動に先立ち、2022年9月29日にシンポジウムを開催します。このシンポジウムでは、「デジタルツイン・キャンパス ラボ」での取り組みの概要や今後の予定、将来の構想についてご説明する予定です。詳細はこちらをご覧ください。

[注]
  1. ※1
    物理空間と仮想空間が融合した次世代のキャンパスネットワーク。詳細はこちらをご覧ください。
  2. ※2
    従来の4Gのコア設備を流用し、5Gの基地局と組み合わせたシステム構成のノンスタンドアローン方式とは異なり、新たな5G専用のコア設備と5Gの基地局を組み合わせた最先端の技術。

「デジタルツイン・キャンパス ラボ」の様子

キャンパス内の5Gネットワーク/5Gの基地局
キャンパス内の5Gネットワーク※3/5Gの基地局
キャンパスの3次元高精度地図/キャンパスの点群データ
キャンパスの3次元高精度地図/キャンパスの点群データ
[注]
  1. ※3
    出典:「地理院地図(電子国土Web)」(国土地理院)を基にソフトバンク株式会社が作成

両者の役割

SFC研究所

  • 30年先を見据えた次世代のキャンパス環境の創出
  • デジタルツインの活用事例の創出や関連技術の研究促進
  • 次世代を担う人材の育成

ソフトバンク

  • 先端技術にじかに触れることができる実証環境の構築・提供
  • 最先端技術の継続的な導入・提供
  • 研究成果や事業アイデアの商用化、社会実装の促進

両者のコメント

慶應義塾大学SFC研究所 上席所員(常勤)兼 環境情報学部 教授で「デジタルツイン・キャンパス ラボ」の代表である中村 修は、次のように述べています。
「SFCは、開設時にインターネットを情報インフラの前提とした先進的な環境が整備されました。教員や学生は、研究や教育および日々の活動にこのインフラを自由に活用することで、未来の社会の在り方を自ら体現し、未来の先導者として活躍してきました。それから30年が経過して、情報インフラ、特に無線通信分野は著しい技術革新を遂げました。これからの30年間の社会活動を支える、すなわち『未来の当たり前の情報インフラ』の在り方を示す次世代のキャンパス環境を再検討する時期に来ています。そこで、SFC研究所は『デジタルツイン・キャンパス ラボ』を2022年6月1日に開設しました。このラボでは、5Gなどの無線通信で情報インフラを構築し、自動運転のための自己位置推定技術の支援やリアルタイム情報の共有などを実現していきます。また、『デジタルツイン・キャンパス ラボ』は大学での研究にとどまらず、幅広い産学連携による社会問題の解決を目指します」

ソフトバンクの先端技術研究所 所長である湧川 隆次は、次のように述べています。
「ソフトバンクでは、2022年4月に新たに先端技術研究所がスタートしました。5GやBeyond 5G/6G、自動運転といった先端技術の研究開発、これを他の分野で活用できるような応用研究を行っています。このような研究開発を進めるに当たり、最も重要視していることの一つが実用化までのスピードです。国や大学が持つ先見性、企業が持つ専門性や先進性を活用してオープンに協業することで、時代や社会のニーズにフィットした成果につながっていくと考えています。このたびのSFC研究所との取り組みは、まさにこのような考えを基にしたものです。また、この取り組みによって新たな研究開発の拠点を得ることができましたので、ソフトバンクが掲げている『総合デジタルプラットフォーマー』への変革を実現するため、5Gだけではなく常に最先端の技術を取り入れていきます。こうした活動を通して、日本では優れた技術を社会実装するハードルが高いという状況を変えていき、未来の人材を育成することに貢献していきたいと考えています」

SFC研究所とソフトバンクは、「デジタルツイン・キャンパス ラボ」というフィールドを活用し、先端技術による次世代情報インフラの研究開発を学生と共に推進していきます。

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