プレスリリース 2022年

米国国立標準技術研究所の「TRECVID 2022」の
映像検索部門で世界第1位を獲得

2022年11月28日
明星大学
ソフトバンク株式会社

明星大学(学長:落合 一泰)とソフトバンク株式会社(代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川 潤一、以下「ソフトバンク」)は、両者が共同研究した映像検索技術が、米国国立標準技術研究所(以下「NIST」)が開催した世界的な映像解析に関するコンテストである「TRECVID 2022」の映像検索部門で、世界第1位を獲得しましたのでお知らせします。

「TRECVID 2022」は、世界各国の企業や大学などが参加して、映像解析に関するさまざまな課題について技術の性能を競い合う、世界的にも権威のあるコンテストです。「TRECVID 2022」の映像検索部門は、インターネット上の大量の映像データから、特定のコンテンツを解析・検索する技術の総合性能を競うもので、「TRECVID 2022」でも中核的な位置にあります。

ディープラーニングなどの学習技術の発展によって、物体などを高精度に検出・分類することは可能になりつつありますが、文章と映像が持つ意味の概念を正確に関連付けることができないという問題点がありました。明星大学とソフトバンクは、インターネット上に日々アップロードされる多種多様な映像の中から、検索クエリー(ユーザーが検索エンジンを使う際に検索窓に入力した単語や文)に複数の概念を組み入れた文(以下「クエリー文」)を使用して、映像を詳細に解析・検索する技術の研究開発を進めています。また、映像が持つ意味の概念とクエリー文を関連付ける検索アルゴリズムに関する研究も進めてきました。

このたび、明星大学とソフトバンクの映像検索技術が、NISTが定めた映像検索の精度指標によるスコアリングの結果、「TRECVID 2022」の映像検索部門で世界第1位を獲得しました。これにより、明星大学とソフトバンクの研究が世界最高精度であることが示されました。

この映像検索技術の発展によって、将来的にさまざまな映像からコンテンツを自動解析することが可能になり、インターネット上の映像に対して検索サービスを利用して、適切なコンテンツを拾い上げることができるようになります。また、この映像検索技術を応用することで、人間の目視による映像の確認作業を軽減し、作業の省力化や迅速化につながることも期待されます。

この研究成果は、2022年12月6日から9日まで開催される「TRECVID 2022 Workshop」で発表され、2023年3月に論文として一般公開される予定です。

[注]
  1. 明星大学の情報学部 准教授の植木 一也の研究室とソフトバンク株式会社が共同で、検索アルゴリズムの方式を開発しました。

映像検索部門のコンテストの概要

約1,400万本の短い映像を対象に、指定されたクエリー文に該当する映像を検索して、その精度を競います。参加者は数分程度の多種多様な映像について、目視を介さずに自動的に内容を解析し、検索結果を出力します。各検索結果をNISTが独自の評価基準でスコアリングして、参加チームの検索精度を評価します。

映像検索の一例

与えられたテーマに対して、該当する映像をランキング形式で出力します。映像のシーンを構成する場面や状況、人物や物体の関係性について、クエリー文に合致する映像をAI(人工知能)で解析・検索します。コンテストの一例として、“A person is biking through a path in a forest”というテーマに対し、クエリー文の中から人物の動作や状況に関するコンセプトを抽出して、複数のコンセプトを含んだ映像を検索することに成功しています。

検索結果の一覧
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