プレスリリース 2023年

定款の一部変更および第1回社債型種類株式の
発行登録に関するお知らせ

2023年5月24日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(以下「当社」)は、2023年5月24日付の取締役会において、2023年6月20日に開催予定の当社第37回定時株主総会(以下「本定時株主総会」)に、定款の一部変更(以下「本定款変更」)について付議することおよび第1回社債型種類株式に係る発行登録を行うことを決議しましたので、下記のとおりお知らせします。

全文プレスリリース(PDF形式:300KB/15ページ)

Ⅰ. 定款の一部変更について

1. 定款変更の目的および理由

当社は、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、創業以来一貫して、情報革命を通じ人類と社会へ貢献すべく事業を推進してきました。通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的に事業を展開する成長戦略「Beyond Carrier」に基づき、企業価値の最大化に取り組んでいます。
2023年5月10日には、当社が「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業になる」ことを長期ビジョンとして掲げ、その実現に向けた事業基盤の再構築を目指す3ヵ年の中期経営計画(2023年度から2025年度)を発表しました。
当社は、今後AIを活用した次世代デジタルサービスが日常に溶け込み、人々の生活がより便利で豊かなものになると考えています。一方で、AIの活用にあたっては膨大なデータ処理と電力の需要が発生すると指摘されており、持続可能な社会の実現との両立に向けた課題になると見込まれ、次世代社会インフラにはこれに対応できる構造が求められます。今後当社は、通信・IT技術の高度化に加えて、次世代社会インフラの構築に向け、AIのデータ処理や電力消費などを地理的に分散化・平準化できる「分散型AIデータセンター」、その分散型AIデータセンターを仮想的に一つのシステムであるかのように見なす「超分散コンピューティング基盤(xIPF: cross Integrated PlatForm)」、生成AI(文章、画像、プログラムコードなどの様々なコンテンツを生成することのできる人工知能)を用いたサービスなどの実現や、再生可能エネルギーの開発・調達に中長期的に取り組んでいきます。
2018年12月の上場以降、当社は成長戦略「Beyond Carrier」に基づき、Zホールディングス(株)(旧ヤフー(株))の子会社化、そのZホールディングス(株)とLINE(株)の経営統合、キャッシュレス決済サービス「PayPay」の立ち上げなど、非通信領域に事業を拡大・成長させてきました。この間、高水準の株主還元を継続しつつ、これらの成長投資を自己資金と負債性の資金調達により賄ってきた結果、当社の連結総資産は14兆円超に拡大し、連結純有利子負債残高は約4兆円へと増加しました。
今後、通信・IT技術の高度化や次世代社会インフラに関連した成長投資を行いながら、成長投資と高水準の株主還元との両立を継続していくには、負債性のみならず資本性の資金調達を組み合わせて資本の充実と財務基盤の強化を図ることが望ましいとの考えに至りました。
このような背景のもと、既存の当社普通株式の株主(以下「普通株主」)の皆さまの利益を可能な限り損なわず、自己資本の拡充を実現する調達手法として、以下の特徴を有する「社債型種類株式」が有用な選択肢であり、個人投資家を含めた幅広い投資家層のニーズに応えるものであると考えました。

  • 株主総会における議決権がなく、普通株式への転換権がないため、議決権の希薄化が生じません。
    (保有割合にかかわらず株主総会における議決権や普通株式への転換権がないこと等から、買収防衛策に活用できる性質ではないと考えており、そのような想定もありません。)
  • 当初設定された優先配当金以上の配当が行われない「非参加型」の種類株式であり、優先配当金以上の配当に対する参加権は普通株主の皆さまのみが有します。
  • 既存の発行可能株式総数(普通株式と社債型種類株式を合計して発行することができる総数)の範囲内での発行であり、この議案により、発行可能株式総数を拡大するものではありません。

今後、社債型種類株式を発行する場合には、無償割当を含む株主割当や第三者割当方式ではなく一般公募による発行を行い、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」)プライム市場への上場申請を予定しています。かかる社債型種類株式は、普通株主の皆さまに与える希薄化等の影響を抑えながら、幅広い投資家の皆様に投資可能な商品とすることを企図しており、本邦における新しい設計の「社債型」種類株式となります。

つきましては、新たな種類株式である第1回社債型種類株式ないし第5回社債型種類株式(以下「本社債型種類株式」)の発行に向けて、定款に諸規定の追加等を行います。

また、当社は本日付で「社債型種類株式に関するご説明資料」および「社債型種類株式に関するQ&A」を公表しています。当社ホームページにも同内容を公表していますので、あわせてご参照ください。

2. 定款変更の内容

別紙1「定款変更案」をご参照ください。

3. 定款変更の日程

定款変更のための株主総会開催日 2023年6月20日(予定)
定款変更の効力発生予定日 2023年6月20日(予定)

4. 本社債型種類株式の商品性

①「社債型」種類株式としての商品性

本社債型種類株式は、当社普通株主の皆さまへの配慮として、当初設定された優先配当金以上の配当が行われない、議決権の希薄化が生じないといった「社債」に類似した側面と、自己資本の拡充という「株式」の側面を兼ね備えたハイブリッドな設計としています。
そのため今後、本定時株主総会において本定款変更に係る議案の承認が得られたあかつきには、普通株主の皆さまの議決権が希薄化することなく、また、普通株式による増資に比べて普通株式に係るROEやEPSを含む当社財務指標への影響により配慮しつつ、健全な財務基盤を確保するための自己資本の拡充を実現する調達手法の選択肢となりえるものと考えています。

[注]
  1. 普通株式に係るROEやEPSを計算する場合において、基礎となる純資産額や純利益額より種類株式に係る部分(種類株式払込金額および優先配当金)を控除して計算することを想定した場合となります。

②ハイブリッド社債に類似した商品性

本社債型種類株式を発行する際には格付会社(株式会社格付投資情報センターおよび株式会社日本格付研究所)より、資本性の認定(資金調達額の50%)を受けることができるよう、ハイブリッド社債に類似した商品性とする想定であり、主に以下のような特徴を有する設計とすることを検討しています。

(主な特徴)

  • 優先配当金:当初、発行から概ね5年間は固定配当※1、その後は変動配当。普通株式に優先、累積型、非参加型
  • 当社による取得条項(コール):発行から5年後以降等に、金銭対価による取得が可能
  • 借換制限:当社が取得条項等により本社債型種類株式を取得する場合、原則、同等以上の資本性資金調達を行う※2
  • 議決権:なし
  • 普通株式への転換権:なし
[注]
  1. ※1
    2023年5月24日における市場環境等を前提として、第1回社債型種類株式の発行日の属する事業年度以降、発行日から5年が経過する日の属する事業年度までの期間における配当年率は2パーセント以上4パーセント以下を想定しています。
  2. ※2
    ハイブリッド社債の場合、借換制限によって、発行会社が期限前償還(コール)する際には、同等以上の資本性のあるハイブリッド社債等を発行することが一般的です。
    そのため、当社は本社債型種類株式の取得条項の行使を行う場合に、再度本社債型種類株式を発行できるように、本定款変更において第5回までの授権枠を設定しています。

一方で、一般的なハイブリッド社債とは異なり、本社債型種類株式の発行により調達した金額は会計上も資本として計上されます。

③一般募集による発行、東京証券取引所への上場

本社債型種類株式を発行する際には、無償割当を含む株主割当や第三者割当方式ではなく一般公募による発行を行い、東京証券取引所プライム市場への上場申請を予定しています。これにより、個人投資家の皆さまにも投資可能な商品とすることを企図しています。

④種類株主総会

本社債型種類株式を有する株主(以下「社債型種類株主」)は、会社法上、会社法で定める事項および定款で定めた事項に限り、種類株主総会において決議をすることができるとされています。本定款変更により、当社が以下の行為をする場合において、社債型種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、社債型種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要することとする想定です。

  • 当社が消滅会社となる合併または当社が完全子会社となる株式交換もしくは株式移転(当社の単独による株式移転を除きます。)
  • 当社の特別支配株主による当社の他の株主に対する株式売渡請求に係る当社の取締役会による承認

上記のとおり、本社債型種類株式の商品性は普通株主の皆さまに議決権の希薄化という不利益を与えるような内容ではないと考えています。また、当社はあらゆる事態に対応できるように財務戦略の柔軟性を高めることが重要であると考えていることから、機動的な資金調達手段の選択肢を追求することを目的として、本定款変更を行うことを企図しています。

Ⅱ. 第1回社債型種類株式に係る発行登録について

当社は本日付で、下記のとおり第1回社債型種類株式に係る発行登録書を提出しています。
なお、第1回社債型種類株式の発行条件および発行総額等は、別紙2「第1回社債型種類株式発行要項(一部)」に記載されるものを除き、未定です。また、第1回社債型種類株式を含む本社債型種類株式の具体的な発行時期についても未定ですが、本定時株主総会において本定款変更に係る議案の承認が得られたあかつきには、市場環境にもよるものの、第1回号の発行を2023年度内に最大1,200億円の規模で行うことを想定しており、当社の資本政策に照らして、今後、当社取締役会が決定します。また、第2回号以降の具体的な発行時期、内容については、今後の資金需要や市場の動向等を総合的に勘案して決定してまいりますが、現時点においては第1回号と同様の商品性や規模を想定しています。

(1)募集有価証券の種類 第1回社債型種類株式
(2)発行予定期間 発行登録の効力発生日から2年を経過する日まで
(2023年6月1日~2025年5月31日)
(3)発行予定額 1,200億円を上限とします。
(4)募集方法 一般募集
(5)調達資金の使途 通信・IT技術の高度化や次世代社会インフラに関連した成長投資の資金に充当する予定ですが、詳細については発行決議時に決定します。
(6)引受証券会社 野村證券株式会社
[注]
  1. その他の引受人に関しては未定であり、その他の引受人が加わる場合には、発行決議において決定されます。
(7)その他募集に関する事項 別紙2「第1回社債型種類株式発行要項(一部)」に記載のとおりです。

以上

ご注意

この文書は当社の定款変更及び第1回社債型種類株式に係る発行登録に関して一般に公表するための記者発表文であり、日本国内外を問わず一切の投資勧誘又はそれに類する行為のために作成されたものではありません。
投資を行う際は、必ず当社が作成する発行登録目論見書、発行登録追補目論見書(作成された場合)及びそれらの訂正事項分(作成された場合)をご覧いただいた上で、投資家ご自身の判断で行うようお願いします。
また、この文書は米国における証券の募集を構成するものではありません。米国1933年証券法に基づいて証券の登録を行う又は登録の免除を受ける場合を除き、米国内において証券の募集又は販売を行うことはできません。米国における証券の公募が行われる場合には、米国1933年証券法に基づいて作成される英文目論見書が用いられます。当該目論見書は、当該証券の発行会社又は売出人より入手することができますが、これには、発行会社及びその経営陣に関する詳細な情報並びにその財務諸表が記載されます。なお、本件においては米国における証券の公募は行われません。

  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
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