プレスリリース 2023年

ソフトバンクのデータサイエンティストが
世界最大のAIコンペティションで
通算3枚目の金メダルを獲得

  • ソフトバンクの仲村勇輝が、Kaggleが6月に開催したコンペティションで金メダルを獲得
  • 5月に開催されたコンペティションで「Kaggle Master」に昇格
  • 通算3枚目の金メダルを獲得、参加者20万人超のうち上位0.2%にランクイン

2023年7月28日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、世界最大のAI(人工知能)コンペティションプラットフォーム「Kaggle(カグル)」などが2023年6月に開催したコンペティション「Predict Student Performance from Game Play」(以下「本コンペティション」)で、ソフトバンクのAI戦略室 AI&データサイエンス統括部 データサイエンス部に所属するデータサイエンティストの仲村勇輝(なかむら・ゆうき)が、金メダルを獲得しましたのでお知らせします。なお、仲村勇輝は、5月に開催されたコンペティションで金メダルを獲得したことにより、「Kaggle Master」に昇格しています。また、本コンペティションで通算3枚目の金メダルを獲得したことにより、「Kaggle」に参加する20万人超のうち上位0.2%にランクインしています(2023年7月25日時点)。

本コンペティションについて

「Kaggle」は、AIによるデータ分析の世界的なコンペティションプラットフォームです。コンペティションの成績によって、「Kaggle Master」や「Kaggle Expert」などの称号が与えられます。

本コンペティションは、子供向けのゲームで学習している生徒の成績を予測することで、教育効果の改善方法を研究することを目的に開催されました。ゲームプレーヤーの行動履歴(イベントや時間、表示されたテキストなどのログデータ)を基に、ゲーム後半の質問(Q1~Q18)に正解できるかを予測するもので、精度の向上と推論時間の高速化の両面で優れたアイデアが求められました。ソフトバンクの仲村勇輝は、それぞれ下記の点で工夫を行いました。

  • 精度の向上

    まず、ログデータの各レコードから目的変数の予測を行うMeta Featureを作成しました。このアイデアで、各ゲームプレーヤーのログデータに対して合計正解数の予測を行い、予測値に対して「mean, std, percentile」などの集約処理を行うことで、プレーヤーの行動履歴に関する情報損失を最小限に抑えました。また、kNN(k-Nearest Neighbor、k近傍法)系アルゴリズムを利用したユーザークラスタリングを行いました。ログデータに対してkNNを適用することで、成績の良いユーザーの特徴を発見することができ、効果的な特徴量の作成が可能になりました。

  • 推論時間の高速化

    データセットの分割方法を試行錯誤することで、精度の劣化を抑えつつ推論時間を短縮可能な交差検証を採用しました。また、GBDT(Gradient Boosting Decision Tree)モデルに対して、Treeliteによるコンパイルを行い、1ユーザー当たりの推論時間の高速化を図りました。

この結果、スコアの最終評価で、本コンペティションに参加した2,051チームの中で第10位の成績となり、ソフトバンクの仲村勇輝が金メダルを獲得しました。ソフトバンクは、顧客分析や需要予測などのテーブルデータを活用したAIシステムの開発を推進しており、本コンペティションで得られた知見や経験を基に、より高度なAIシステムの実現を目指します。

ソフトバンクの仲村勇輝は、次のように述べています。
「チームを組んでいただいた皆さま、ソフトバンクの先輩・同期・後輩の皆さまに心から感謝申し上げます。皆さまからの良い影響が今回の結果につながったと思います。今回のコンペで得たナレッジは、日々の業務において必要不可欠なものです。今回取得したナレッジを業務に生かしていき、また、個人的にはより多くの金メダルを獲得し、さらなるプレゼンスの向上を目指していきます」

ソフトバンクは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成を経営の重要事項と位置付け、六つのテーマを重要課題として定めています。その一つとして、5G(第5世代移動通信システム)やAIなどの最新のテクノロジーを活用した「DX(デジタルトランスフォーメーション)による社会・産業の構築」を掲げています。AIを応用した新しいソリューションの開発やビジネスの変革を強力に推進するとともに、優れたAIの技術者の育成を引き続き推進していきます。

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