プレスリリース 2023年

ソフトバンクと東京大学、
「量子イノベーションイニシアティブ協議会」を通して
量子コンピューターの社会実装に向けた共同研究を開始

  • ソフトバンクが、東京大学が運営する「量子イノベーションイニシアティブ協議会」に加盟
  • 産学連携を強化し、量子コンピューティング技術の事業での活用に向けた研究開発を加速
  • 今後稼働する127量子ビットの量子コンピューター「IBM Quantum System One」を活用予定

2023年9月20日
ソフトバンク株式会社
国立大学法人東京大学

ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川潤一、以下「ソフトバンク」)と国立大学法人東京大学(所在地:東京都文京区、総長:藤井輝夫、以下「東京大学」)は、量子コンピューターの社会実装に向けた共同研究を、2023年9月に開始しました。これに伴い、ソフトバンクは、東京大学が運営する「量子イノベーションイニシアティブ協議会」(以下「QII協議会」)に加盟しました。

今後両者は産学連携を強化し、量子コンピューティング技術の、事業での活用に向けた研究開発を加速させるとともに、「新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター(KBIC)」で稼働予定の、127量子ビットのプロセッサーを搭載した量子コンピューター「IBM Quantum System One」を活用することで、量子コンピューターの新たなユースケースの発掘を進めていきます。また、5G(第5世代移動通信システム)や6G(第6世代移動通信システム)、IoT(モノのインターネット)などのモバイル技術と量子コンピューティング技術を連携させることにより、量子コンピューターの社会実装に貢献していきます。

QII協議会について

QII協議会は、量子コンピューティングを実現する科学技術イノベーションを日本国内において独自の形で集結させ、量子コンピューティングのためのエコシステムの構築を進めています。戦略的に重要な研究開発活動を強化し、産学官協力の下に我が国全体のレベルアップと実現の加速化を図り、広く産業に貢献することを目的に設立されました。詳細は、こちらをご覧ください。

共同研究について

100超の量子ビットを備えた量子コンピューターは、従来型のコンピューター(古典コンピューター)では困難な、ビジネスや科学に関連する計算課題をより効率的に実行し、複雑な問題の解決を可能にすることが期待されています。一方で、NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum、ノイズがある中規模の量子コンピューター)と呼ばれる現在の量子コンピューターでは、量子ビット数の増加による性能向上に伴って増大するノイズの影響を受けて、エラーが発生することがあるため、実用化に向けたユースケースと要件の検証が重要です。

ソフトバンクは、量子コンピューターのユースケースの検証を、量子化学や量子機械学習、組み合わせの最適化など複数の分野で進めています。このたびQII協議会に加盟し、東京大学との産学連携により密に情報交換を行うことで、量子ビット数増加の効果とそれによって解決可能になる課題の検証、NISQのアルゴリズムとエラー抑制技術の組み合わせによる実用的な問題への対応など、ソフトバンクが進めている量子コンピューターの社会実装に向けた研究をより一層加速することを目指します。

東京大学 理事・副学長の相原博昭は、次のように述べています。
「日本国内に設置する127量子ビットのプロセッサーを搭載した量子コンピューターを専有利用することにより、これから到来する量子コンピューター時代に向けて、アプリケーション開発でも日本の研究者が世界をリードして広く社会実装を加速させます。人類共通の歴史的な課題にも積極的に取り組み、多様性と希望のある未来社会に広く貢献していくことを目指します」

ソフトバンク株式会社 執行役員 兼 先端技術研究所 所長の湧川隆次は、次のように述べています。
「量子コンピューターの実用化が目の前に迫っています。ソフトバンクはQII協議会への加盟により、日本における量子研究へのさらなる貢献の他、量子コンピューターの実用に向けた研究開発を経て量子技術の社会実装を目指します。近い将来、ソフトバンクが進める次世代社会インフラ基盤に量子コンピューターを備えることで、社会のデジタル化がさらに加速していくことを期待しています」

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