プレスリリース 2023年

ソフトバンク、ルワンダ政府と協力して
世界で初めて成層圏からの5Gの通信試験に成功

~アフリカの子供たちに平等な教育機会の提供を目指して~

2023年10月17日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川潤一、以下「ソフトバンク」)は、成層圏通信プラットフォーム(High Altitude Platform Station、以下「HAPS」)の研究開発の一環として、HAPSの無人航空機の試験機体に自社で開発した5G(第5世代移動通信システム)に対応するペイロード(通信機器)を搭載し、2023年9月24日に、成層圏で5Gの通信試験(以下「本試験」)に成功したことをお知らせします。

本試験は、ソフトバンクとルワンダ共和国(以下「ルワンダ」)の政府が協力し、ルワンダの領空で実施したものです。HAPSの無人航空機を活用して、成層圏からの5Gの通信試験に成功したのは、世界で初めてです※1。なお、両者は2023年6月に、今回使用したペイロードと同様の大きさと重量のダミー機器を搭載した成層圏飛行試験をルワンダで実施しており、本試験はそれを発展させたものです。

ソフトバンクが開発したペイロードは、成層圏の高度最大16.9kmにおいて、約73分間連続して5Gの通信を提供し、厳しい条件下でも想定通りの性能を発揮しました。本試験では、一般に販売されている5G対応スマートフォンを使用し、通常の通信で利用されている電波を利用して、ルワンダの試験場と日本の間で5Gによるビデオ通話(Zoom)を実現しました。

本試験は、2020年7月にソフトバンクの子会社であったHAPSモバイル株式会社(当時)※2とルワンダのICTイノベーション省との間で締結された覚書に基づくものです。また、ルワンダとその他の地域でのモバイルインターネット接続の提供や、その他の課題解決に向けてHAPSの利用を研究する共同プロジェクトでも協力しています。また、2023年6月にソフトバンクとルワンダ教育省は、非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network、以下「NTN」)ソリューションを活用してルワンダで教育技術(EdTech)サービスを提供する連携協定も締結しています※3

本試験の結果を受け、ソフトバンクとルワンダ政府は、ルワンダなどのアフリカ地域におけるHAPSの活用の可能性と商用化に向けた研究に取り組む予定です。その他、通信環境が整っていない農村地域の学校やコミュニティーのデジタル化なども検討していきます。

ソフトバンクの代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一(みやかわ・じゅんいち)は、下記の通り述べています。
「ソフトバンクの5G対応のペイロードが、成層圏で期待を上回る性能を発揮したことを、大変うれしく思っています。われわれはHAPSをはじめとするNTNソリューションを活用し、デジタル格差の解消を目指していますが、今回の試験結果は、その目標に向けた重要な一歩となります。ルワンダ政府の継続的な支援に感謝するとともに、引き続き協力して、商用化に向けたユースケースに取り組むことを楽しみにしています」

ルワンダのICTイノベーション省のポーラ・インガビレ大臣は、下記の通り述べています。
「今回成功した成層圏からの5G通信試験は、非常に将来性がある取り組みです。この取り組みは、革新的なソリューションによってデジタル格差を解消し、誰もがデジタル技術を享受できる『デジタル・インクルージョン』を実現するための、重要な一歩となります。また、われわれはこの取り組みを通して、ルワンダを、世界中の先進的でビジョンのある人々が集まる場所にしていきます。人々はルワンダにおいて、新しい取り組みをサポートする政策や柔軟性のある規制・ルールを活用することができ、イノベーションを追求することができます。われわれは、この共同プロジェクトでのパートナーであるソフトバンクに感謝すると共に、実証実験のフェーズをさらに進め、両社のパートナーシップを強化することを楽しみにしています」

ソフトバンクが開発した5Gに対応するペイロード

ソフトバンクが開発した5Gに対応するペイロード

実証実験の様子

実証実験の様子

ルワンダの学校

ルワンダの学校

「SoftBank 5G」ロゴ

「SoftBank 5G」ロゴ
[注]
  1. ※1
    成層圏において、飛行機型のHAPSを活用した5Gの通信試験に成功したのは世界初。2023年10月17日時点での公開情報に基づく。ソフトバンク調べ。
  2. ※2
    HAPSモバイル株式会社は、2023年10月1日付でソフトバンクに吸収合併されました。詳細は2023年7月24日付のプレスリリース「完全子会社であるHAPSモバイル株式会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ」をご覧ください。
  3. ※3
  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。