プレスリリース 2023年

国内最大級の生成AI開発向け計算基盤の稼働および
国産大規模言語モデル(LLM)の開発を本格開始

~2024年内に3,500億パラメーターの国産LLMを構築~

2023年10月31日
ソフトバンク株式会社
SB Intuitions株式会社

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、生成AI(人工知能)開発向けの計算基盤の稼働を開始しましたので、お知らせします。また、ソフトバンクの子会社であるSB Intuitions株式会社(エスビーインテュイッションズ、以下「SB Intuitions」)は、この計算基盤を活用して、日本語に特化した国産大規模言語モデル(LLM)の開発を本格的に開始しました。今後、2024年内に3,500億パラメーター※1の国産LLMの構築を目指します。

DGXシステムで構成されたNVIDIA DGX SuperPODをベースとした生成AI計算基盤の設備
DGXシステムで構成されたNVIDIA DGX SuperPODをベースとした生成AI計算基盤の設備

ソフトバンクは、経営理念である「情報革命で人々を幸せに」の実現に向けて、デジタル社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供するという長期ビジョンを、2023年5月に発表しました。この長期ビジョンの実現に向けて、生成AI開発向けの計算基盤の構築に取り組んでいます。この計算基盤は、2023年7月に経済産業省から、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資である「クラウドプログラム」の供給確保計画について認定を受け、助成を受けることになっています。

この計算基盤は、NVIDIA Tensor コア GPUを2,000基以上搭載したAI スーパーコンピューター NVIDIA DGX SuperPOD™、NVIDIA ネットワーキング、NVIDIA AI Enterpriseソフトウエアで構成された大規模クラスターで、国内最大級の※2計算基盤となります。また、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の協力の下、設備導入および構築をスピーディーに進め、稼働を開始しました。この計算基盤は、まずソフトバンクとSB Intuitionsで段階的に利用しながら、2023年度中に全ての投資と構築を完了させて、早期に大学や研究機関、企業などに提供する予定です。

計算基盤の稼働開始に伴い、SB Intuitionsは事前検証を完了させて、日本語に特化した国産LLMの開発を本格的に開始しました。高速処理が可能な計算基盤と豊富な技術者、圧倒的な顧客接点を持つソフトバンクが、日本語のデータセットを活用した高品質な国産LLMを開発することで、日本の商習慣や文化に適した生成AIサービスの提供を実現します。今後、2024年内に3,500億パラメーター※1の国産LLMの構築を目指します。

ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一(みやかわ・じゅんいち)は、下記の通り述べています。
「国内最大級の生成AI計算基盤が稼働し、国産LLMの開発を本格化できることを、うれしく思います。生成AIは社会を根底から変える革新的なテクノロジーです。しかし現在、計算基盤やLLMへの大規模投資は海外企業を中心に行われており、他言語のデータセットを基にした生成AI開発が先行しています。こうした中、ソフトバンクは、自社で高度かつ大規模な計算基盤をつくり、日本の文化やビジネスの慣習などに最適な国産LLMを開発することで、あらゆる産業への生成AIソリューションの導入をサポートし、デジタルの社会実装の実現を目指していきます」

SB Intuitions株式会社 代表取締役の丹波廣寅(たんば・ひろのぶ)は、下記の通り述べています。
「国産LLMの開発をいよいよ本格化できることをうれしく思います。SB Intuitionsは、この計算基盤の上で、独自の日本語データセットによる高い性能と安心・安全を兼ね備えた国産LLMの開発を行っていきます。SB Intuitionsは日本語LLMによって、日本の新たなデジタル産業のイノベーションを進めていきます。さまざまなパートナーと連携しながら、日本の生成AIの実装を加速するエコシステムを構築していきます」

NVIDIAの創業者/CEOであるジェンスン フアン(Jensen Huang)氏は、下記の通り述べています。
「コンピューティングは、生成AIとGPUアクセラレーテッドコンピューティングによって、大きな転換期を迎えています。DGX SuperPODは究極のAIスーパーコンピューターです。ソフトバンクと協力し、日本の産業界や研究者のために最先端のAIインフラストラクチャーを構築できることをうれしく思います」

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の代表取締役社長である柘植一郎氏(つげ・いちろう)は、下記の通り述べています。
「伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、ソフトバンクの生成AI開発向けの計算基盤の稼働、および、日本の商習慣や文化に合った生成AIサービスの提供を目的としたSB Intuitionsの日本語に特化した国産LLMの開発に当たり、ご協力させていただけたことを大変うれしく思います。CTCもNVIDIA社製品の取り扱いから生成AI環境の構築や独自LLMの開発支援サービスの提供などさまざまなサービスを提供しています。今後もソフトバンクの取り組みを支援し、AIの活用を通して豊かな社会の発展に貢献していきます」

[注]
  1. ※1
    2024年2月7日付の2024年3月期 第3四半期 決算説明会において、目標を「2024年度中に3900億パラメーターの構築」に変更しています。こちらの資料P50~P51をご覧ください(2024年7月11日追記)。
  2. ※2
    LLMの学習向けの計算基盤において国内最大級。2023年10月31日時点での公開情報に基づく。ソフトバンク調べ。
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